第9話 彼女の親友が話す彼女の過去②

「昨日逃げた事は謝る。すまん」

 しっかりと頭を下げる。


「逃げたって認めるんだ? じゃあどうする? あの話を聞いて、光からも逃げる?」

「いや、逃げないよ。あの話は信じられないから信じない。それだけ」

「私か光が嘘つきって事?」

「それは分からない、証拠もないし。でも信じられないものは信じられない」

「ずるい言い方だね」

「ずるいのはそっち。ショッキングな話をして、信じないなら逃げだ。嘘つき扱いするのかと責めるのはずるいやり方だろ」

「ふーん、まあいいや。光の秘密を教えてあげるって言ったよね。まだまだ続きはあるよ。当然聞くよね」

「ああ……」

 動揺するな、奴のペースに飲まれるな……!


「あんな事があって、さすがに次の日は学校を休んだ。風邪だっていうから私もそんなに心配しなかった。でもその次の日、あからさまに元気が無くて。聞いても風邪の治りかけだからだるいだけだって。部活にも出てたから、私、なんとなく聞いたんだ……」


「『次のカテキョーいつ?』……って」


「私、何も知らなくて。家庭教師の日は部活を早めに抜けるから、聞いただけだったのに」

「急に光が泣き出して、周りが騒然となった。私は訳が分からずに、周りに責められたし。光は泣き止まないし。それでも騒ぎを気にしてだろうね、泣きながら1人で帰った。何度も一緒に行くって言ったのに、体を押されて拒否された」

「その日が、飯田が来る日だったんだ……」





「偉い!偉いよ光ちゃん。沈黙は金なりって言葉知ってる?ちゃんと黙っててくれたんだね」

「それとも、またあんな事期待してたりして?」

 光の体がカタカタと震えだす。

「大丈夫、大丈夫。あれは罰ゲームだって言ったでしょ。今日はちゃんと勉強しようね」

 震える体をうごかし、椅子に座る。

 反省してくれた……? あの日は異常だっただけで、正気に戻ってくれたのかも?

 その希望は10分程で打ち砕かれる事になる。


 またゲームだなんだと理由を付けられ、既に上下の下着のみになっていた。

「はい! 次は特別簡単な問題だよ。これに正解出来たら服2枚を着る権利ゲット! 間違えたら……特別罰ゲェーム‼」

 これに間違えたら……またひどい事をされる。

 その後の事は想像もしたくない。


「はい!『仮名』」 

 ……!

 これなら、分かる。

 シャーペンを走らせ、確信している答えを書く。

「『かな』だね。ちょっと簡単すぎたかな」

 ホ……ッと息をついた瞬間、


「残念! 正解は『かな』と『かめい』です! 2つの読み方があるなら、2つ書かないと正解じゃないよね」

「ヒッ……!」

「今回の罰ゲームは……いつも勉強を教えてくれる飯田先生を労って、ご奉仕する! です!」

 有無を言わせず立ち上がり、ズボンとトランクスを脱ぎ捨てる。

 ギンギンに反り返ったペニスを見て、光はすべてを察する。


 ……でも。

 これで射精させる事が出来れば……このペニスを挿入される事はない。

 そのぐらいの性知識は持ち合わせている。

「何を使ってもOkだよ。でも制限時間は15分! 時間内にイかせられなかったら追加の罰ゲーム!」

 スマホのタイマーを15分に設定し、スタートボタンを押す。

 

 やるしか……ない。

 

 のそっと動き出した光は、飯田のペニスを見る。

 大まかな知識はあっても実際に触ったことはない為、何をどうすれば気持ちいいのか。

「ヒントを出そうか。まずは優しく撫でてみよう」


 その言葉通りに優しく触ってみる。

 ビクビク痙攣する、グロテスクなそれを撫でていく。

 目を背けたくなるが、時間は有限なのだ。

「いいよーいいよー、じゃあ次は掴んで。優しく上下してみようか」


 シュッシュッシュ……


 飯田の反応を見ながらやさしく扱いていく。

 強くしたら怒られるかもしれない。

「おまけでさらにヒント! こういう時は、いやらしい事を言いながらやるのがポイント高いよ」

「そんな事……できません。何て言えばいいか……」

 消え入るように答える。


「しょうがないなあ……先生がサポートしてあげるから。先生の質問に答えていけばいいよ」

「光ちゃんは、オナニーとかするの?」

「……してません」

「うっそだー、光ちゃんぐらいの年なら皆してるでしょ。じゃあおチンチンを触ったことは?」

「ないです」

「ダメダメ、ちゃんと文章にしなさい」

「……?」

「『私は』! 『おチンチンを』! 『触ったことがありません』! 『先生の』! 『おチンチン』が! 『はじめてです』!」

「……ッ」


 容赦ない恥辱に、気持ちが折れそうになる。


「言ってくれないとイけないな~、それどころか萎えちゃうかも」

 萎える気配はないが、言わないと何をされるか分からない。


「……私は……、ッお、チンチンを……触ったことがありません……」

「うんうん、それで?」

「……先生の……、おチンチンがはじめてです」

「よく言えた!あー、大分良くなってきたよ~」

 腕が疲れてきたが、射精しそうな気配はない。


「じゃあ次は、お口でしてみようか」

 遠くなりそうな意識を、必死に繋ぎとめる。


 以前友達内のグループでそういった動画が回ってきた事があり、どういう行為かは知っている。

 でも目の前にある、このグロテスクなモノを、口に入れる……?

「時間時間。常に時間を意識しないと」


 この悪夢の罰ゲームが始まって、5.6分は過ぎただろうか。

 やらないと……

 恐る恐る口を付ける。


 チュッ……チュッ……


 意図せず、ついばむ様な行為になる。

「うーん、いいね。もっとお口で包み込むように」


 ヌロ…ッ 

 言われたとおりに、ペニスを口内に進める。

 ゆっくりと、出し入れする。

 ヌロ……ッ、ピチャッ、ヌロ…‥、ピチャッ……


「やばいね~、JCの生フェラ超気持ちいいね」

 喜んでいる……これで合っているんだ。

 口内への抽挿を繰り返す。

 ヌロッ、ヌロッ、

 少し苦しいが、部活の練習はもっと苦しい時がある。


「あー、出ちゃうかも」

 そう言われ、自然とスピードが上がる。

 ヌチッ、ヌロッ、ヌチッ、ピチャ、

 これで終わるなら……!


「出るッ! JCのお口マンコに出すぞ!」

 ビュルビュルビュル!

 勢いよく、口内に流し込まれる精液。

「ンンッ!」

 素早くティッシュを取り出し、吐き出す。

 終わった。終わってくれた。

「はあ~」

 よほど気持ちよかったのだろうか、だらしなく足を開いたまま床に座ったままの飯田。

 ペニスに付いた精液、拭いてくれないかな。何かに付いたら汚い。


「いやいや、良かった良かった」

 機嫌が良い。良かった。

 変な味がしたけど、気持ち悪かったけど、頑張ってよかった。


「でも残念! 時間切れでした!」

「え……?」

 飯田が差し出したスマホの画面は、タイマーの設定画面になっていた。

「惜しかったねえ……でも時間配分には気を付ける様いつも言ってるよね?」

 アラームは、鳴っていないのに……

 飯田が解除したんだ……!


「納得いってない顔をしてもダメだよ。テストでもそうでしょ? 何をしても覆らないからね」

「ちょうどいいや。チンチンが濡れ濡れだから、このまま罰ゲーム執行だね」

 ――目の前が真っ暗になりそう。



「机に手をついて。そうそう。おしりをもっと突き出して」

 とにかく早く終わって欲しい……その一念のみで体を動かす。

 飯田の機嫌を損ねたら、何をされるかわからない。


「じゃあ罰ゲーム開始~、先生のチンチンをやさしく受け入れる~です」

 もはや驚きもない。

 背後から下着をずらされ、冷えた精液が膣口に当てられる不快な感触。

 ズニュッ!


「ウッ……!」

「はあ~あったかいなあ」

 ズニュッ、ズニッ!

「ウッ……ウッ……!」


 前回の正常位とは違う感覚。膣内のペニスが違う部分を刺激してくる。


「ずいぶんすんなり入ったね~、もしかして濡れてた?」

「そんっ……な……事……うっ……ないです……っ」

 ずんずんと容赦なく打ち付ける腰。


「いいんだよ~気持ちよかったら声出して」

「ウッ……ウッ……いやっ……あんっ……」

「ほらほら~、先生のチンチン下反りだから、いいとこに当たるでしょ」

「あっ……あっ……ンッ……強いっ……」

「強い? じゃあちょっとゆっくりにしてみようか」


 途端に飯田の腰使いが、直線的なものから弧を描くような動きに替わる。


「ああッ! ウンッ!」

 意図せず声が出てしまった。

 嫌だ……! この動き! 声が出てしまう。


「これが良いんだ~」

「嫌です……! うんッ……、あん……あっ……」

 この動きは続き、必死に声を抑えた。

 


「ヤバっ、僕もダメかもこれ」

 パンッ、パンッと再び腰が打ち付けれられる。

「アッ! あっ! うっ! くんッ! ああっ! 」

「出るよ~出ちゃうよ! ううっ‼‼」

 

 ドプッ、ドプッ、ドプ……

 

 膣内にリズミカルに放たれる、精液。

 膝が折れ、床に倒れ込む光。

 不快感、恐怖、飯田に対してだけじゃない。快楽を感じてきた自分の体に対しても。

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