第46話 楓の違う対応
僕は今楓のところへ向かっている。そして声をかける。
「楓さん! おはよう」
そう楓に向かって挨拶をする。
「………おはよう」
返事はしてくれたがいかにも距離を取ろうとしている、そんな感じだった。挨拶だけするとすぐに楓は自分の席に荷物を置き、どこかに行ってしまった。
「はぁ…、僕、楓さんに何しちゃったんだろう」
そうポツリと呟く。すると
「おいおい、悠、どうしたんだ?」
そう言いながらバカップルの光と森下さんがこっちにやってきた。森下さんはと言うとしっかり光の右腕を掴んでいる。本当にやめて欲しいものだ。
「北村君、楓ちゃんに避けられてた?」
森下さんが首を傾げながら言う。
「なんかそうみたい。理由はわからないけど」
「うーん、いつからそうなったの?」
森下さんはおそらく原因を突き止めようとして僕に聞いてくる。が、ここで問題が1つ。もちろんこの答えは"楓さんが僕の家に遊びにきてご飯を食べた後の帰路で"だ。それを言ってしまうと楓と遊んでいることと一緒にご飯を食べていることまでバレてしまう。今はそんな事を気にしている場合ではないのかもしれないが僕は自分自身と楓のために嘘をつくことにした。
「さっき僕がはなしかけた時から」
嘘をついてしまった。この判断が正解だったのかわからないがとりあえずこれで行こうと思う。
「そっかー、まあ私が聞いてみるね。部活とかのせいでだいぶ後になっちゃうかもしれないけど、内容が内容だからできるだけすぐ聞くね。でも北村君に話すことができるかはわからないけど」
どうやら森下さんが聞いてくれるらしいので僕は少し安心しつつ、
「ありがとう、森下さん」
僕は森下さんに頼る、そう言う選択をすることしかできなかった。
「うん、全然いいのよ」
と、二つの返事を返してくれた。残り数分というときに楓は教室に戻ってき、僕の隣の席に腰を下ろした。まだ席替えをしてないため、横同士のままである。僕はなんとも喋ることが出来ずにずっと沈黙したまま、朝のSHRを迎えた。いつもつまらない朝のSHRがいつもよりさらにつまらなかった。
「では朝のSHRを終わる」
いつものように話し終えた奥田先生は教室を出ていく。それからながーい授業を受けた。ペアワークの時には最低限の事は話してくれたが、昔のように明るく、笑顔で返してくれる事はなかった。そして終わりのSHRとなり、放課後となった。森下さんと光は部活があるようなので、一緒には帰れないようだ。こうなると楓と帰るのが今までだったのだが、もうすでに教室から姿を消していた。いつもは帰るの遅いはずなのに。今日一日明らかに避けられてすごく悲しくて、泣き出しそうだった。
「ねえ、北村君、私と今日は帰らない?」
そう話しかけてきたのは、前に僕に告白してきた柳さんだった。
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〜後書き〜
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これからもこの小説をよろしくお願い致します!m(_ _)m
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