第28話 天野さん発見!

 僕は迷子と思われる天野を探してたが、公園で姿をみつけて、


!!」


 そう言って天野は僕の胸に飛び込んできた。と言うのが今の状況である。


 どうやら天野はよっぽど寂しかったようだ。僕の胸の中で大泣きしているようだった。どこかでこんなことあったような?


「大丈夫か? 天野」


 僕は天野の背中をさすりながら言う。


「大丈夫、じゃない…。もう少し胸貸して」


 どうやら楓はまだ大丈夫じゃないらしいのでしばらく背中をさすってあげるのであった。その時開いた片手で


悠「天野発見。森下さんの家に連れて行くから家に集合で。みんな協力ありがとう」


 グループにそんなメッセージを打ち込んでおいた。


 それから約5分後、天野は泣き止み事情を聞くことにする。


「それで、どうしてこんな公園に?」


「私、迷子になっちゃったの」


 (やっぱりかー)僕は内心そう思う。


「スマホは?みんな連絡したんだけど」


 天野は申し訳なさそうに俯きながら、


「スマホで道案内してもらいながら家に向かってたんだけど途中で充電が切れちゃって」


 (なるほどな)僕はいろんな面で納得するのだった。この場所はまあまあ森下さんの家まで近く、そんなに正しい道から離れているわけでもない。


「そうか。それならこれからは充電に気をつけるんだぞ」


 正直こんな事態になったらたまったもんじゃない。約天野さん捜索に1時間程度費やしている。毎回1時間消費していたらいくら時間があっても足りない。という考えからだ。


「うん。わかった。それでね! !」


 なぜか天野は下の名前呼びをしてくる。


「どうして名前呼びなんだ?」


 僕はそう聞き返した。


「いやー、その〜。ね?」


 天野はすごくもじもじしている。すごく可愛い。多分名前呼びにしようと言うことなんだろうが(今問題を起こしたばかりの人がお願いするのはおかしいと思うが!?)僕はそんな事を思ったが僕自身も名前で呼びたかったのは事実だし、(ここは良いか)と名前で呼んであげる。


「どうした…?そのー、さん」


 天野は顔を真っ赤にしていた。僕だって女子、しかも好きな人の名前を呼ぶと言うのは恥ずかしいのでお互い顔を真っ赤にしていることになる。


「私の心読み取ってくれてありがとうね、その……悠君」


「うん、良いんだよ。……楓さん」


 やっぱり名前呼びはお互い慣れてない。すぐにお互いが顔を真っ赤にするのでそれがバレバレだった。が僕はここで1つ疑問に思う。(こんなに男子の名前呼びが慣れていないなんてことあるか?んー、と言うことはもしかして今まで彼氏できたことないってことない!? これ!? うわぁ、撃沈しそうで怖い)そんな事を思い、告白する勇気をかなり失うのだった。


 次回こそ誕生日会です!

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