第27話 迷子の迷子の天野さん

 僕らはみんなで天野を探していた。15分も約束の時間に遅れ、かつ連絡がないのは絶対におかしいからだ。

 

 (とりあえず駅まで行ってみるか)

 

 そう思った僕はきた道を戻りながら駅に戻ってゆく。


 駅に着いたが結果、天野の姿は確認できなかった。


 (くっそ。迷子になってるとしたら道を間違ってそのまま辺なとこに行ってしまった。そんな感じか)


 僕は頭をフル回転で整理し、動こうとしたその時、


おじさんA「いやー、あの子めっちゃ可愛かったなぁ」


おじさんB「本当になー」


おじさんC「えー、俺も見たかったなぁ」


 そんな話し声が聞こえた。


 (もしかして!)


 そう思った僕は話を聞くべく勇気を持って話しかける。


悠「すいません。ここで美少女で背が小さめの子みませんでしたか?」


 すると


おじさんA「見たよ! あまりにもうつくしすぎて思わず二度見してしまったよ」


おじさんB「それ奥さんに聞かれたら破局しますよ?」


おじさんA「あ、やべぇ」


 話がずれてきたので僕は天野が写っている写真を見せて確かめることにした。


悠「この子ですか?」


 僕が写真を見せると


おじさんA「そうそう! この子!」


おじさんB「この子だよ!!」


おじさんC「どれどれ!?」


 おじさんCはほっておいて他の人に話を聞く。


悠「どちらの方向に行ったのかわかりますか??」


おじさんA「こっち方面に行ってたよ!」


 おじさんが指した方向は森下さんの家の方面だった。


悠「わかりました! ありがとうございました!」


 僕は丁寧に礼をし、もう一度森下さん家の方面を探そうと走って去ろうとした時、


おじさんB「頑張って! さん!!」


 急にそんな事を言われた。「彼氏じゃありません!」と言いたかったところであるが、時間がないため軽く会釈し森下さん家方面に行くのであった。


 そして


悠「どうやら駅には来ていたみたい。森下さんの家の方面に向かっていることはわかったから駅から森下さんの家のら辺の捜索をお願い」


 天野、森下さん、光のグループチャットのとこに送信する。


澪「了解!」


光「おっけ!悠ナイス!」


 そんなメッセージが届いていた。


 数分後、僕はとある公園にやってきていた。そこでベンチに座っている人影を発見する。蹲っているようで顔が見えないが近付いてみる。すると気配を察知したのかその人影は顔をあげこちらを見た。


悠「天野!」


 そう名前を呼ぶと彼女は涙目のまま今までで見たことないぐらい凄い笑顔で微笑んで


楓「!!」


 彼女はそう呼び、僕の胸に飛び込んできた。

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