第3話(2)
バっと教室を見渡すとそこには気品の良さそうな少女が立っていた。
いた!!!
「わ、私と組まない!?」
「あなたと?」
やっと言えた!!
するとその少女は長い髪をくるくると指に巻き付けながらため息交じりに話した。
「・・・わたくし、あなたのような如何にも野山で育ってきたような方とはお付き合いできませんの。他を当たってくださる?」
少女はくるりと体の向きを変え、どこかへスタスタと行ってしまった・・・。
「の・・・やま・・・?はぁあああ!?」
魔王の子供に向かって何!?私より地位の高い奴はこの世界じゃパパくらいなんだっつーの!!
・・・って、ふぅ。いかんいかん。落ち着けアリーゼ。ジルに言われてたじゃない。
そう。私は誰にも自分が魔王の子供であると言ってはならない。どんな危険が及ぶかわからないからだってジルが言ってた。
脳内にジルの「絶対言っちゃだめですよ!」という言葉がよぎった。
故に!!私がこの学校で一番最強であるということも秘密なのだっっ!!だからぜんっぜん悔しくない!!
アリーゼはふっふっふ・・・と不敵な笑みを浮かべた。
「はっ!!班決め!!」
—森—
「皆3人一組の班は組めたな?それじゃあ渡した網や魔術を使ってスライム退治だ!各自背負っていっるかごの中に倒したスライムから落ちる、『スライムのかけら』を入れてくれ!一番多く倒した班にはご褒美もあるぞ!」
さっそく森にやって来た私達にハルは言った。
クラスの皆は「はーい!」と元気よく返事をする。
「・・・はーい。」
・・・私を除いて。
私の横には気弱そうな少女。そして無表情の少年。
・・・なんとか班は組めたけど私達は完全にクラスのあぶれ組・・・!
誰からも声をかけられてなかった気弱そぉ~な女の子と誰に対しても毒舌吐いてた絶対性格悪いうさ耳少年!!
特に後半は最悪!!
私はじと~っと少年の方を見た。
「・・・何?」
「いや別に・・・。な、名前は?」
私は睨まれながらも精いっぱいの笑顔で名前を聞いた。
完全に敵対視されてるけど同じ班になったんだから仲良くなれるかもしれないしね!
まずは名前を・・・!
「・・・そっちが名乗るのが先なんじゃないの?ま、キョーミないけど。」
「え・・・。」
うさ耳感じ悪少年はそう言うと、一人で森の中へ入っていった。
「な・・・!なんなのあいつ!!腹立つ!!!!耳だけは可愛いけど!!」
「あ、あの・・・!」
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