第2話(4)





―そして今に至る―


「そうだよ!!私は冒険とか友達作りとかして青春を謳歌するためにわざわざ腹痛装って出てきたのに!!食べるのに夢中になってどうすんだっっ!!」


そして持っていたウサギの骨を地面に叩きつけた。


「こんなことしてられない!!青春しなきゃ!!・・・ってあれ。」


・・・青春ってどうやればいいんだ・・・?



そう言えば前世でもずっと寝たきりだったから青春の仕方なんて習ってないよ!!


「まずは――なんだ・・・友達?友達か??」


友だち・・・。


私は辺りを見回した。


巨大樹の森。


パッと見えるのは木と共に巨大化してしまった虫たち。


そして蛇。カエル。・・・カタツムリ。


「だぁあああああああ!!無理だっっ!!」


こんなのと友達なんてなれない!!ていうかなれたところでそれは果たして青春か!!??


「・・・いや、私は諦めないぞ・・・。」


なんてったって走り回れる健康な体がここにあるのだから!!



――その後私は森を駆け回り、友達になれそうな生き物を探しては声をかけまくった。


・・・巨大カブトムシには巨大蜂のハチミツをプレゼントしたりもした。




――そして私は悟った。――



「やっぱりこいつらとじゃ青春は生まれねぇええええ!!」


私が突っ伏した地面の周りには大量の巨大カブトムシ、ブンブン羽音を鳴らす巨大蜂の大群、そしてこちらを凝視する巨大ガエル達・・・。



「だめだ。やっぱり友達はせめて人の姿をしてるやつじゃないと・・・!」


そうだ・・・。確かさっき森の外に何か建物みたいなのが見えたような・・・。


「もしかして・・・村!?」



この際人っぽい形してればゴブリンとかでもいい!!


「・・・よし、皆!友達求めてさっきの村に突撃じゃーー!!」


私がこぶしを高く上げると、皆もこぶし・・・っぽいものを上げてくれた。






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