第14話 ガーディアン その6(御神名)
さすがに
そして愚か者青田はウチの守護神(霊)様やっぱり御蛇様なんだと、思いきり勘違いの道を突き進んだのだ。
まあ客観的にはこれはしょうがなかったかな?( ̄▽ ̄;)
前にも書いたが、当時の私も霊感少女Aちゃんもまさか別ジンとは思わず、守護霊様と守護神様を同一柱と信じていた。
他の友人たちの守護霊様たちがそれぞれ人の男女の御姿なところ、私だけ「白蛇様は中性だけどね」と言われても、
ううん、つまり元男性だったけど神使の蛇の姿になったから、中性になったということかな? そういやキリスト教の天使も中性とかいう説を聞いたことがあるしなあ、などと勝手に納得していた。
そんな感じで色々と虚実混ざったイメージはそれから長く変わらなかった。
ある時、高校のプチ同窓会で、この白蛇様が現れた夢を先生に話したら、
「あなたそれ、金運が上がるわよ。宝くじ買った?」と言われて、初めて『白蛇=金運』を思い出したくらいだ。
あーっ そうかぁ しまったあぁぁーー!! と思ったが時遅し。その時にはすでに数年が経過していた。
それに同じ白蛇様と言っても、私の守護霊様がアセンションした方だし――恐ろしい勘違い続行中時💧――そういう方面の方ではないだろうと、どこか冷めた思いもあった。
なにしろ以前の住まいはまさしく長屋と言えるビンボーアパートだった。共同の狭い中庭はいつも日が当たらず、雨が降るとジメジメした土の臭いがずっと残っていた。カマドウマはもちろんトイレに入って来た。(お約束かっ)
もっとも東京の下町、みんな似たり寄ったりだったのであまり気にしなかったが、高校に入って家の格差を実感した。
そうして父が脳溢血でよいよいになった。
思い起こすと暗くてジメジメしてる場所って、長く住むには何かと良くものだと実感する。
他のエッセイで書いた五日間の悪夢とかも、みんなこの長屋に住んでいた頃の話である。あまりよろしくない氣が溜まりやすいのではないだろうか。
つい数年前にやっと御蛇様と守護霊様が違う方だと霊能者の先生に教えてもらって、
「エヘヘ、それじゃもしかして金運も上がるのでしょうか?」などとつい生臭いことを訊いてしまったら
「 『あんまり甘えるな』 って」と先生が斜め上を見ながら通訳してくれた。
へへぇー、すいません。……でもそりゃそうですよねえ。簡単に運を授けてたら努力しなくなってしまう。
でも、ちゃんと運や力を貸して貰える人は勿論いるので、やっぱり根っからの他力本願精神がダメなのだろう。
まずはお姿を見れただけでもめっけものというものである。それにこうしてネタ(アィデア)を頂いているのだから。
ただご降臨はその時だけで、またしばらくするとぼつぼつと悪霊どもは戻って来た。
本当は私の知らないとこで色々やっておられたかもしれないが、実はちょっと因縁のある相手だったらしいので、結局私が対峙するのが一番だったのかもしれなかった。
始めは怖いだけの存在だったが、白蛇様の出現に怯む様子を見て考えが変わった。相手にもそういうビビるところがある。
でもヘタな九字も
しょうがないので最後には拳に物言わすことになった。
ヘタレも場数を踏めば立つようになるものだ ドン!!
……あまり踏みたくねぇ~~(泣)
我ながらなんて乱暴者なんだと思う。が、とにかくナメられないようにするのが一番である。それには抵抗する意志を強く見せるのだ。
もちろん物理的な相手ではないので叩けない場合もある。だが、やられっぱなしになるよりはずっと良い。
ともかくこの因縁めいた闇の奴らは、先生に浄化(浄霊)していただいたおかげでもう出てくることはなくなった。
ただ電気のつかない夢はまだたまにある。
これは私の深層意識から来るものなようで、霊夢とは別モノらしい。
それこそ私自身でしか解決できないのだろう。いつか眩しいくらい点けてやるつもりである。あ、やっぱり自然光くらいにしておくか。
そういえばこのエッセイを書くためにあらためて白蛇様のことをググって知ったのだが、白蛇様が神使として仕えている神様は弁財天様だが、この神様が実は芸事だけでなく戦える女神様だということを初めて知った。
そうだったのかあっ!! Σ(;゚Д゚)!
失礼な言い方だったら申し訳ありませんが、ただの綺麗な踊り子さんではなく、戦闘も出来る、ドラクエの踊り子姐さん(誉め言葉です)のように、私の中ではイメージがガラガラと変わった。
まさしく文武両道。さすがに芸の幅が広い!
今までは七福神の中の紅一点で芸事の神様という印象だったが、やる時はやる方なんですね。
となるとその神使の白蛇様もそういう方なのだろうか?
うん、あらためて考えてみたら、神様をお守りするのだから当たり前か。逆にのんびりほわほわしてるだけの神使はいないのではないか。
いや、姿からして察しろよっ、と言われそうである。
もう私の頭の中にはここ数日『蛇鶴八拳のデンジャラス・アイズ』が繰り返し流れている。
ここで青田のイメージがいろいろと迷暴走 ―――― 尾で百裂拳炸裂とか ――――
……話を戻そう。
そこで12話で書いたように、ここでやっと勘違いが解消された――はずだったのだが、実はまだ間違いというか、失念していたことが残っていた。
ここまでヒントやら答えやらが与えられていたのに、私の頭の中ではある1つの要素がポロリと外れていたのだ。
それは御名前、御神名である。
当時Aちゃんに
「青さんの守護様の御名前は『****』というんだよ」と聞いていた。
ふんふん、そうなのか。
何度もくどいが、この時私は守護霊様と守護神様が同一柱と思っていた。
おそらくAちゃんも私の
だから私の頭の中で守護様は御蛇様であり、元人間の男性でもあった。
それがそれぞれ別柱と判明したのなら、この名前はどちらのなんだ?? という事に普通なるはずなのだが、ぼんくら青田はこの問題自体に気づきもしなかった。だから全く考えていなかった。
我ながら情けねぇものです……。
もう先生やAちゃんにも会う機会はないだろう。
放っておけば不肖者青田はおそらく一生気がつかないままだ。
まだわからないのか。しょうがない、そろそろ教えに行ってやるか――などと思われたのかもしれない。
神様きっと苦笑していたに違いない。
昨年の7月下旬、再び白蛇様が夢に現れた。
ガランとした建物の中に1人でいた。
仏像や神画などは見当たらなかったが、柱や壁の造りから自然とお堂の中だと思った。
内部に灯りはついていないが、左側から陽の光が奥まで伸びていて、日中のやんわりと明るいお堂の中と言った感じだった。
そうして屋根の影が斜めにかかる目の前の壁は、明るい若竹色をしていた。
その壁に一枚、短冊が貼ってある。
短冊と言っても七夕サイズの小さなものではなく、例えがアレなのだが居酒屋とかで見る30センチ以上のやつだ。
紙は黄色や木札調ではなく、白地に細い赤枠入りで真ん中に一文字の漢字が書いてあった。
もちろんそれは魚の名前でも、チューハイの割材の種類でもない。
―― **** ―― という読みの文字。
これがこの神社の神使様の名前なんだという事が、何故か自然に頭に浮かんだ。
なのにこれでも、この瞬間にも、私は御蛇様と名前を一致づけなかった。
もう私にとって****様はというカタカナの音、『****』であって、一文字の漢字で表せる認識が外れていたのだ。
ただただほ~っと感じ入りながら、その短冊を眺めていた。
すると右側から急に、炎のように揺らめく光が射しこんで来て思わず振り向いた。
そこには当然ながらの白蛇様が、また同じようにとぐろを巻き鎌首を上げて浮かんでいたのだ。
前と違って明るい場所、おまけに祓うべき相手もいない。
そのせいか以前見た時よりもオーラの光は柔らかく、前ほど激しくは感じなかった。
やはり発しているというよりも、通常溢れ出ているエナジーなのかもしれない。
あぁあーっ! そうだったのかぁっ!!
ここでやっと私の中で外れていたピースがピタッとはまり ――もしかすると頭のネジかもれないが―― 関係図式がパッと完成したのだった。
なんで本当に今まで気がつかなかったのだろう。
「すいません、神様! 今まで気付かなくて――」
私は思わず手を合わせながら目を閉じて拝んでいた。
「でもすいません。お名前、もうパスワードとかにも使わせて頂いてしまって――このまま使わせて頂いてもいいでしょうか……」
などという事を必死に言っていた。
目を閉じていても、瞼越しに光がユラユラと射しているのがわかる。夢なのにリアルである。
が、それがすっと消えた。
あれ………………布団の中で目が覚めた。
あああぁーーーー!! なんてこったっ!?
せっかく現れていただいてるのに、どうせ拝むなら御尊顔をもっと拝見しておけば良かったぁああ! 俗っぽい言い方をするなら、色々と観察したかったのにぃ。
なんだかすいません💧 でもせっかくのチャンスが……。俗である。
しかしあらためて色々な考えが巡る。
今までなんでこの件を思いつかなかったのか。なぜ今頃だったのか。(パスワードに使用してる件は今更なのでOKなのかもしれないが)
あの若竹色の壁をしたお堂のある神社(?)にいらっしゃるのだろうか。どこの神社か検討もつかないが。
あと、同じ方ですよね?
そんな何柱も私のところに来るわけないのだが、人の顔もイメージで一括りに覚えてしまう私。ましてや人でない方の顔の判別は難しい。
が、あのラプトル的な鼻筋だったから、きっと同じ方だろうと勝手に納得。
関係ないが、この間テレビ局に現れた国連ラプトル(フランキー)が激カワで久々にハートにクリティカルだ💗!
そういやウチの母が若かりし頃、デパートの屋上のペットショップで仔ワニを見て、可愛くて飼いたいと思ったという話を思い出す。
友達に『やめときなさいよ、すぐに大きくなるから』と言われて諦めたそうだが、イモリじゃないんだから……( ̄▽ ̄;)四つん這いのリアルサイズラプトルになるところだった。
とにかく久々に白蛇様を拝見したので、これはたまにはお参りにいかんと、と思った。
が、何かと腰の重い青田。
グズグズしていたら、神社に着く頃には夕方決定な時間になってしまった。
ううん、これは……今日はやめておこう。あっさり変更。
色々とあるけれど、基本的に夕方以降にお参りするのは避けた方が良いと聞く。
それに青田は以前にそういう出来事があったのだ。
と言っても私の場合よくある怖い理由ではなく、ちょっと予想外の訳だったのだが。
その話も今度したいものです。
それにしても主神様じゃなくて、その神使に会いに行くのが目的って……これって動機が不純じゃない?💧 なんだか推しの聖地に行くファンの心境なのだが……。
神様とアイドルを一緒にしちゃいか……、あ、昔『ジーザス・クライスト・スーパースター』なんてロックオペラがあったなあ。
そうか、これでもいいんだ。主神と神使は繋がっているのだし、白蛇様を祀っている神社だってあるんだから。と、無理やり言い訳をつくる。
しかし二度あることは三度あるというが、いつかまた御姿を拝見できる日があるのだろうか。それはまた何十年後だったりして……。
いやいや、ハレー彗星じゃないんだから、時と場合によってだろう。……と思いたい。
まあちょっとコントかもしれないが、神様を色んな意味で身近に感じられることになったので良かったのかも。
これでいいのだ、ですよね?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ちなみに今回は4/6の近況ノート『🦷 は、歯が取れたぁ……💦』に書いたような圧はありませなんだ。
やっぱりあの時だけ特に監修が入ったのかもしれませんね。
次回は残っているガーディアンの続きを書くか、それとも短いので神社へ来訪よもやま話を一緒にするか、悩み中です。もしくはまたその時の気分で別の話になるのかも?
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