第13話 ガーディアン その5(白蛇様降臨)



 うう、不定期更新とはいえ、続く話を一カ月以上空けていたなんて……。

 色々すみません(-_-;)



   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 前回、座っている時に頭の乗って来る感じがすると書いたが、実は横になっている時にも感じたりすることがたまにある。


 私は仰向けではなく横向き派なのだが、寝ながら本を読んでいたりすると頭にやや重みを感じることがあるのだが、前に話した守護霊様が天辺を刺激しているのとは違って今度はするすると、耳の上を通り首、肩へと、動いて来る感触の場合がある。

 そのまま布団の中に入って来ると、やがて片足にゆっくりと巻き付いて来るのだ。


 私は始めこれも自分の勘違い、ただの思い込みだと思っていた。

 ただたまに微妙にハッキリと感じる時があって、ちょっと気味悪かったりしたのだが、相手が白蛇様だとわかってやっと安心したものである。

 

 エ……ッ?! と思ったあなた、話だけ聞いたらまあそういう印象を受けますよね(;^ω^)


 この話をしたら例の先生は

「まだ頭からでいいじゃない。私なんか足の方からよ」と言っていた。

 えっ、問題はそこですか? 

 ――つまり意外とアリなのかな。


 猫が狭いところに入るのが好きなように、蛇がものに巻きつくのは当たり前の感覚なのだろう。

 だから神様または御使い様もそういう姿勢(行動)をとるのも当然のこと。


 人間の感覚からすると、神々しい方達がそういう動作をするのがちょっと意外に感じられるかもしれないが(実は私もそうだった)、おそらく人が普通に胡坐をかいたりするのと変わらないのかもと思う。

 あれだって他の動物から見ると、変な足の組み方に見えるかもしれない。そんな感じ。


 が、もちろん、冷たいとか締め付けられるとか、そんな不快感は全く無い。

 巻き付き終わるとやがて全く感じられなくなるので、やはり勘違いかと思ったりするぐらい。

 ちなみに私の印象だと、冬など寒い日の割合が多く感じるのは気のせいか。

 

 ただ、先生に白蛇様だったと聞いてから、またちょっと他の問題が湧きあがった。

 いえ、もちろん白蛇様ウエルカムなんですよ! なんですが……💧


 尾籠な話で申し訳ないが、時折巻き付いた前後に、ついオ〇ラが出たり、トイレに行きたくなったりすることだってあるのだ。


 先生は笑って『そんなこと気にする必要はない』と仰っていたが、やはり意識しだすとこっちは気になるものである。

 何しろ相手が悪者なら『悪霊退散!』とばかりに打ち放っても構わないが、相手は神様である。そんな方に放〇なんて……バチあたりなのでは((;゙゚''ω゚'')))?!!


 しかしそこは神様、(場所と状況によって)人の生理現象はあまり気にしないのかも……?

 場の空気が浄化されるというし。


 あと当たり前かもしれないが、御蛇様なので好物は生卵だそうだ。実にストレートだがこれも納得である。 


 ただし、くれぐれも自分の家の神棚とかに、その時の軽い気持ちで生卵を供えたりするのはいけないらしい。

 残念ながら詳しくは覚えてないのだが、生卵というと御蛇様特定(?)のお供え物。


 大雑把に自分の庭にお稲荷様を建築するのに似て、ある種の契約を作ってしまいかねないらしい。

 お招きしたのだから、その場限りでなくその後もちゃんと祀らなければいけなくなる。

 適当なのが一番いけないという事なのだ。


(注意: 当時聞いた話を思い出しながら書いているので、多少の記憶違いがありそうです。

 あくまでそんな可能性もあるぐらいに思ってくださいませ)


 昔私が務めていた日〇橋近くにある会社の屋上に小さなお稲荷様を祀ってあった。

 当時の会長さんが毎日お水などを替えたりしていたのだが、その会長がお亡くなりになった後、いつの間にか水どころか手入れもされなくなり放置してしまった。


 するとある年に、続けて三人の社員が足を骨折する怪我をした。場所も日時もバラバラだったが、確か半年くらいの間のことだったと思う。

 そこでふと屋上のお稲荷様を見ると、祠の脚が腐って折れそうになっていたそうだ。

 

 因果関係の真偽はわからないがその後補修工事が行われ、それからは足を骨折する者は出なかった。ちなみに最後の三人目は社長の長男(三代目社長)だった。


 当然だが勝手に祀っておきながら、気分でやったりやらなかったりはイカンという事ですな。

 ちなみに一般の神社に気が向いた時にお参り、お供えをするのはもちろん全然OK。元々広く不特定多数の人に開かれ管理されてますからね。逆にそうでない神社は怖いですな。


 またついでながらに聞いた話だが、よく怖い話に出てくる○○憑きとかのよろしくない方の蛇の手触りは、ザラザラしているそうな。

 これは鱗が立っているからだとか。一種の見分け方になりそう。


 もちろんウチに来る御蛇様はツルツルすべすべだ。ちょっと目の上を通られた時はゾワゾワしたが。

 まさに目から鱗ならぬ目に鱗だった。


 と、なんだか神様の品格とは違う方向になってしまったが、むろん神々しいエピソードもある。


 以前書いた事があるが、私には昔からたまに見る同じ悪夢があった。


 夢の中で自分はいつの間にか暗い部屋にいる。

 真っ暗闇ではないが、夜中ふと目を覚ました時の辺りの暗さ、または夜に帰宅した際の明かりをつける前の玄関先廊下の奥の暗さといった感じか。


 それは見慣れた自分の家の中であったり、何処だかわからないがどこにでもあるようなコンクリート壁のガランとした部屋だったりする。


 そこで私はすぐに照明のスイッチを見つけるのだが、いつも明かりが点くことはない。

 たまにバチバチと、天井の蛍光灯が点滅する事もあるが灯る事はない。薄暗い明滅をほんの間繰り返しすぐに消えてしまう。

 ただカチカチというスイッチを入り切りする音だけが、虚しく暗がりに響くのみである。


 そうしてその闇の中に何かがいる。

 それは大体1人ではなく、何人かだ。


 そいつらは大抵 白い着物を着ている。男女いるのかもしれないが顔はよく見えない。

 みな蓬髪で暗いせいもあってさらに分からないのだ。

 だが何故か薄ら笑っている感じはわかる。

 そうしてこちらににじり寄ってくるのだ。


 この時も気がつくと六畳くらいの薄暗い部屋に立っていて、やはり同じ部屋内に数人の着物姿があった。

 出現した(?)私に気がついたのか、こちらに向き直って近づいて来る。


 ああ……またこの夢か。

 怖いという感じと入り混じって、少し諦めに似た気持ち。

 早く目を覚ましたいとその場に突っ立ちながら思った。 


 その時だ。私の後ろ、斜め右上から鋭い光が射しこんで来た。

 振り返るとそこには、まさに光り輝く白蛇様が宙に浮かんでいた。


 その姿は二三重にとぐろを巻き、鎌首をゆるりと上にもたげた、まさにお守りや神画像でよく見るポーズ。

 

 けれどその御眼はまったく赤くなく、普通に黒色だった。白蛇様だけど目は黒真珠のよう。

 でもちょっと考えてみたらこれは当たり前なのかもしれない。

 何しろ白蛇様は白い蛇であって、白子アルビノではないのだから。白馬の目だって赤くないし。


 ところで私がもっと意外に感じたのは、その鼻筋。

 

 普通の蛇の顔って、こう おでこから鼻先までなだらかに一直線じゃありません? 人でいうなら、西洋人から見た東洋人、『テルマエ・ロマエ』で言うところの平たい顔というか。


 だけどこの御蛇様は鼻のところにやや角度がついていた。それは蛇というよりトカゲの骨格に似ていると思った。

 

 ヨーロッパアシナシトカゲみたくツルンとした鱗肌を持ち、蛇のように足がないトカゲもいるようだが、まず目が違う。

 あんな風に目のふちにエッジのある形ではなく、やはり丸い蛇の目なのだ。 


 この頃はまだ私は守護霊様と守護神様をごっちゃにしていたので、(もちろん違ったのだが)

――ああ、やはり人の頃の名残りが残っているお顔なんだ――などど勝手に考えていた。


 いやそれよりも一番瞠目どうもくしたのは、その放たれる光、オーラだった。


 誰しも一度は見た事のあるだろう、絵画や像での仏様や神様の後光。

 一般的に光輪と言われる丸いリング状であったり、パアアァと直線状の光が太陽のように放射線状に発せられているイメージが多いのではないだろうか。

 私もそんなイメージだった。


 しかしこれも私の想像とは違っていた。というか今まで見たことがないような光だった。


 白っぽい黄金色の眩い光が、波打つように伸びて来ていた。

 それは流れ行く雲の上を太陽が照らした時のように流々りゅうりゅうと変化し、ユラユラとしながらも鋭くたなびく長き袖のごとく揺れ動く、金色の炎の帯、光の触手、火炎型の光だった。


 その神秘的光に包まれた、いや、放ちながら白蛇様がゆっくりと空中を斜めにこちらに降りて来られる。

 まさしく闇を切り裂いていくように見えた。


 そういえば不動明王様はバックにメラメラとした火炎を背負っている。

 ただこの時のは、あのように上に大きく伸び上がっているのではなく、金色の炎は全方向、特にこちらに向かって大きく伸びていた。まるで進行方向に押し出すかのように。


 ところでこれを書いていてふと思い出したのがある。

『イベント・ホライゾン』というSF映画に宇宙船での火災事故の話がチラリと出てくるのだが、それによると無重力での炎は重力に左右されないので、上ばかりに向かうわけではないという話だ。


 生き残った船長が言う『それはまるで赤い舌のように横に伸びて――』という言葉が印象的だった。

(つまり無重力状態の宇宙船とかで火災が発生すると、煙に巻かれるより先に炎に焼かれる確率がグッと高いという、恐ろしい話なのだ:(;゙゚''ω゚''):……脱線)


 しかし私がこの夢を見た時は、この映画が作られる十年近く前。今でこそCGは当たり前だが、これに近い映像はこの頃は皆無だったと思う。 

  

 辺りが暗かったので、この光はとにかく強く感じられた。暗闇でいきなり車のヘッドライトを点けられたみたいな感じだったが、直接顔に射したわけではないせいか眩しくはなかった。

 ましてや太陽のように直視出来ないわけでもない。もちろん熱くもなかった。

(太陽光とは性質が全然違うせいだろうけど)


 だが、闇の中に潜んでいた奴らにとっては異常に強かったのでないか。

 一気にみんな動揺し、慌てだした。漏れるようなどよめきの声もあったかもしれない。

 そりゃあ眩しいどころじゃないだろう。


 そんな私もまさかの神様降臨に驚き見惚れて、口が開きっぱなしだったのだが。

 その呆けた状態のまま、目が覚めた。



  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 これはあくまで私個人が見た、感じた白蛇様の姿。

 だからもしかするとこの御姿も、ただ一柱としての個性で、他に赤い眼の方や金眼の方とかもいるかもしれない。顔の骨格の件も同じくに。

 そうしてオーラというか後光というか、エナジー光(?)もまた、それぞれ違うのかも。


 実は去年の夏にウン十年ぶりにまた白蛇様が夢に現れた。

 まったく状況が違うのだけど、私がいつまでも気がつかない事を直接教えに来られたようだ。

 本当にぼんくら頭ですみません💦

 というわけで、次回も白蛇様の続きでございます。

 

 

 *ちなみにこの『悪夢』の件は別の根深い話に繋がって行くので、いずれ別エッセイ『夏だ! お盆だ! 金縛りだっ!』の方で書くつもりです。

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