第15話 HSPと発達障害
トルストイはあの傑作、『戦争と平和』を、40代手前で書き始めました。
松本清張は40歳を過ぎてからデビューしました。
実際に多くの傑作は30代になってから書かれた作品は多く、決して10代が書いたからと言って世界的な傑作であるという保証はありません。
よく、『発達障害の人、取り分け自閉症スペクトラム障害の人は感性もなく、小説や文学、詩や俳句、短歌などを理解できない。彼らには感性がないのだ』と対談などで書かれ、驚いたことはあります。
実際、私も高校生の頃に「アスペルガー症候群なんだからあなたは文学的な感性はない」と文芸部の先生から言われ、入部を断れたことがあります。
先生の中にも発達障害へのスティグマはありました。
最近では、発達障害へのスティグマで『HSP』の件があります。
HSPとは人いちばん敏感な人を差す、アメリカ発祥の概念ですが、このHSPは診断名ではありません。
あくまでも、気質なのですが、世間で取りざたされるHSPの説明書きには、『発達障害、取り分け、自閉症スペクトラム障害の人にはHSPが重複することはない。彼らに繊細さはないのだ』と書かれています。
ちなみに私はHSPのチェック表で『あなたは重度のHSPです。うつ病を発症している可能性があります』と出ました。
これが何を意味するのか、分かりません。
主治医からも『HSPという概念が存在するならばあなたは確実にHSPだよ。ただHSPはあくまでも気質の問題だから医学的な根拠はないんだ』と言われて安心しました。
もちろん、HSPへの対処法にはおおむね賛同します。
HSPの方への対処法、認知行動療法などは私も受けており、効果はあるからです。
HSPの診断表には『HSPの人が二次障害になると複雑性PTSDや解離性障害になる』と書かれていますが、重複しない筈の発達障害で複雑性PTSDと解離性障害がある私は、どっちを信じたらいいのだろう……、と疑心暗鬼になります。
HSPの対処法は全ての人に有効にも関わらず、HSPという概念で発達障害者を差別し、見下すことは優生思想にも繋がりません。
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