第14章… あ、こいつ俺の事好きだなって初めて思う相手が男って言う気持ちに名前を付けるなら大草原不可避という誘い

第14章…


あ、こいつ俺の事好きだなって初めて思う相手が男って言う気持ちに名前を付けるなら大草原不可避という誘い



タケが目の前に居る


これはもう逃げられない

こんなタイミングで女になってしまうなんて…


「ハルちゃん!ハルちゃんハルちゃんハルちゃん!」


「は、ハルちゃんです……」


やべーよー!ハルちゃん名乗っちゃったよー!

こりゃ本格的にまた始まるぞ……

俺が人を騙してるみたいな雰囲気が!!


こいつと2人きりはさすがにまずいって!


「こいつと2人きりはさすがにまずいってって思ったかい?」


な、なんだ!?この小説でしか出来ないような心読みは!

もう1人の男の声で俺は振り返る

そして


「わたくしが来たからにはもうご安心なすって!

おーーーっほっほっうほっうほっ!ごほっ!ごほっ!おえーっ!死ぬー!」


あともう1人いた、こいつらは…

江良一人!優みやび!

こいつら凛さんの横に居る言わば脇役中の脇役だよな!?

なんだこいつらなんだ!凛さん出せ!


「お、お前ら本当に来たのか!俺また太るぞ!?」


「貴方はお痩せになられた方がよろしくてよ?

ろうそくで炙って差し上げますわ」


「うおー!なんかまずそうだなー!」


脇役なんかと一緒に居て大丈夫なのか?


「ハルちゃん!こいつら置いてさあ!

SMプレイしようよ!」


タケがやばいことを発言する度に俺は身の毛がよだつ

相変わらず気持ち悪いなこいつ!


「ま、今日は凛が居ない代わりに俺らで楽しもうぜ!」


江良がなんか仕切ってる

こいつは高校デビューだから仕切りたがりなのか?


「お前らは一体何しに来たんだ?」


俺はこいつらに聞く


「あら、決まってるじゃないもうすぐで凛の誕生日なのよ」


「なんだとー!?それを早く言えや!!」


俺は飛びつくようにみやびの肩を掴む


「相変わらずオスの匂いがしますわね」


「ききき、気のせいだよ」


誤魔化しつつも俺は4人でショッピングモールに行った


「んふー!!下着!!下着!!凛さんにこの!!エロい下着買おう!!んふー!んふー!」


「いいや!この下着はハルちゃんが付けるべき!!

試着してくれ!頼む!一生に一度のお願いだ!」


「なんかこの2人似てるんじゃないか?」


「そうね、アンドロゲン臭が漂うわ」


その後は色んなお店に行き


「こ、これだ!」


俺らは凛さんの誕生日プレゼントを買った

これで凛さん喜んで貰えるかな


そしてみんなでファミレスに行く


「よーし、凛のプレゼントも買ったしあとは渡すだけだなー」


江良がえらい張り切ってる

江良だけにエロいことも考えてそうだな

こいつはむっつりスケベだ


「ところで凛さんの誕生日っていつなんだ?」


俺が江良に聞くと


「明日だよ」


「は!?明日!?」


早すぎだろ!なんでこんなタイムリーなんだよ!


「思えば中学の時からずっと祝ってますわね

あの小娘の喜んでる顔が目に焼き付きますわ」


そうか、中学の時からの友達だもんなこいつら


……凛さんって3年前にアメリカ住んでなかったか!?


「凛さんと中学の時から一緒ってことは…

お前らもアメリカに住んでたの!?」


俺は食いつくような勢いで3人に聞いた


「そうだよ」


江良が答える


「俺らはアメリカで出会った同級生だ

まあ日本の高校に通うために戻ってきたんだけどな

本当にたまたま俺らが日本に戻る予定があったからまた集まれたんだ」


なんて感動的なんだ!!

それでいて今凛さんは高校でひとりぼっち!

こいつらのおかげで凛さんは幸せに生きてるんだなー


「わたくしもアメリカで凛と沢山お話したわ

手錠の話やボールギャグの話など……」


「そんな話してたまるか!!」


まあこんな変わり者集団でも楽しそうだよな


「俺なんて未だにアメリカサイズしか着ないもんな」


「貴方はブタですわ!服なんて着てないで脱ぎなさいよ!」


「こんなところで脱がすなよ…」


俺も…友達欲しかったなー

こんな奴らでも俺の事、友達って呼んでくれるのかな?

まだ凛さんの友達って感じが否めないけど


「ハルちゃん!この後俺の!!チョコバナナ食べてくれ!」


「気色悪いわ!」


こんなやり取りも凛さんとは出来ないもんな


「貴方、死ぬとしたら生き埋めにして差し上げますわ」


「どんなもてなしだよ」


くだらない事でも楽しいと思える


「タケ!俺の分のパスタ取るなよ!」


凛さん、見てますか?

こんなに楽しい人たちを紹介してくれてありがとう

こんな時にでも俺はこう思う

こう思ってしまうんだ


凛さん


最後にもう一度、もう一度だけでいいから


俺は凛さんのおっぱいが見たい

あの銭湯での衝撃!!すげーいやらしかったよな!!

あーまた見てみたい!

拝んだら絶対運気上がるはず!

あんなに綺麗な体はAV女優でもあんまり居ないぞ!


「何ニヤニヤしてらっしゃるのよこのメスブタ」


みやびは俺に暴言を吐く


「な、なんでもないよ」


危ねー危ねー常日頃から人の裸を妄想してるなんて口が裂けても言えないからな


「貴方、いつもこんなにニヤニヤして根暗なの?陰キャなの?」


「意味としてはどっちも同じだな」


「気持ちが悪いったらありゃしませんわ

ブタの匂いがしますわ」


「それは俺じゃねえー!タケだろ!」


「俺?」


「は!!」


ま、まずい!海の時もみやびに怪しまれたんだよな


「私!私ですわ!」


「わたくしの口調を真似するのはおやめなすって?」


「おーほっほっほ!お手洗いごめんあそばせ」


「ハルちゃん!?俺もついて行くよ!」


「タケはいらねーだろ」


俺は誤魔化すようにトイレに行く

が、しかし


「貴方、男子トイレに入るおつもり?」


「が!!!

おーほっほっほ!ついつい連れションのくせが」


うおーー!!!またやらかした!!!

男子トイレに行くだろ!16年間そうしてきたんだから!

俺はまた誤魔化して女子トイレに行く


何も出ないけどこのまま一旦落ち着こう……

多分みやびだけだ、こうやって怪しんでるのは

むしろ、怪しまれたところでだ

性別転換の薬飲みましたってそんな話信じる人いないからな

まあ大丈夫だろう


俺はトイレを出る


「随分お早いお手洗いね、ちゃんと拭いたのかしら?」


「っ!!!」


女子トイレのドアにはみやびが居た


「な、なんだよ!驚かせるなって」


「勝手に驚いてるのは貴方の方ではなくて?」


「……う、うるせーな!うんち出そうだっただけだ!」


「そ?じゃあわたくしはお茶を飲ませていただきますわ」


みやびはペットボトルのお茶を口に含む

こいつ、何考えてるかわかんねーな…

とりあえず警戒し…


【ちゅ〜〜〜】


「っっ!!!??」


俺はみやびに手で顔を抑えられ

そのままキスをされた


なななな、何してんだ!?

俺は頭が真っ白になる

み、みやびが……なんで俺に……

こんなことしたら……男に戻る!

みやびの唇の感触を確認してしまうが


【ゴボッゴボッ】


みやびが含んだお茶を口移しで飲み込む

キス…お茶……

みやびのお茶を飲み干し俺は自分の体を確認する


……男に戻ってる…


みやびの突然の行動に俺は戸惑いを隠せない


「ハル、と、おっしゃいましたかしら?」


みやびは手の甲で口に零れたお茶を拭いながら言う


「…………」


「ハルなんて別名使って女になりすますなんて

さすがはあの科学者の弟様ね」


あの……科学者?

姉貴のことか?


そしてみやびの後ろには…


「お?うまくいったか?」


「あーあー俺のハルちゃんが本当に男に戻ったなんてなー」


タケと江良が立って居た


な、何がどうなってる……?


男になった俺を見て何も驚かない3人に俺は違和感を覚える


「やっと見つけましたわ

……科川遥斗」


みやびにそう言われたと同時に睡魔が襲ってきた

なんだ……この感覚……この感情…

わけがわからないまま俺は眠りについた


第14章…


あ、こいつ俺の事好きだなって初めて思う相手が男って言う気持ちに名前を付けるなら大草原不可避という誘い


終わり!


こいつらは……一体?

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