第10章…男に戻る方法がわかったところで俺の好感度は上がらないのはケツの割れ目にホクロがあるからだなという錯覚
第10章…
男に戻る方法がわかったところで俺の好感度は上がらないのはケツの割れ目にホクロがあるからだなという錯覚
姉貴は勢いよく風呂のドアを閉めた
俺が悪いかと言われれば勘違いも甚だしい
男に戻った俺になんの許可も無しに風呂入るバカ居るか?
「はは、遥斗!?男に戻ったの!?」
俺は焦りすぎて姉貴の話をあんまり聞いてなかったけど
女の子とキスすることが男に戻る条件なのか?
だったら凛さんとの人工呼吸で男に戻ったのも納得が出来る
「男に戻ったよ」
俺は姉貴に真実を伝える
この真実を伝えるということは
俺が女の子とキスしたことを姉貴に言ってることになるんだ!!
気恥しいったらありゃしないがそうも言ってられない
「遥斗、女になったからって女風呂覗いておまけに女の子とちゅーするなんて…
犯罪だよ!見損なった!」
あーーぶち殺して〜〜
女風呂覗いたのは事実だがキスは俺からしたんじゃねー!
まあそんなこと言っても恥ずかしいだけだから何も言わないでおこ
とりあえず姉貴は俺が風呂を出るまで待ってもらうことにする
そして風呂を出て
「久しぶりだなー遥斗」
何故かドヤ顔の姉貴がソファに座っていた
俺もその隣に座り
「なんだよそのメリケンサックみたいなやつ
姉貴の力めっちゃ強くなったけどその道具のせいか?」
「そうだよ、これは痴漢から身を守るためにアメリカに行った時に作ったものだ」
自信満々にメリケンサックみたいなのをみせてくる
これで力が出て痴漢を退治するみたいな感じか
「にしても今日は散々な目にあったぞ
元はと言えばお前が俺を女にしたからだ」
「まあまあ、男に戻ったんだからいいじゃないの〜
んで?誰とちゅ〜した?」
「うるせーな!そんなこと話そうと思ってねーよ!」
「まあ女の子同士のちゅーはなくもないからなー
ファーストキスの味はどうでしたか?」
「黙れ」
「そうですか〜じゃあその女の子とは女になってから仲良くなったということで?」
「黙れよ」
「そうなんですね〜!男のままじゃやっぱ嫌われ」
「黙れって言ってんだろ!!!」
俺は凛さんの一言を思い出す
『私、あいつ嫌いなんだよね』
はっきりと言われたんだ、嫌いだって
もう女になったところでもう会うことなんてないんだ
「遥斗、わかった?これがあんたの今の現状」
「………は?」
姉貴は馴れ馴れしく俺の肩に腕を乗せる
「あんたは生まれ変わらなきゃいけないってことなのよ」
「…………」
どういうことだ?
「遥斗は子供の時から色々諦めすぎてるんだよ
お姉ちゃんが超絶頭良くていつも比べられる
じゃあ遥斗はお姉ちゃんに勝とうと思ったことある?」
「…………」
「自信が無くて人に頼ることも出来なくて
それで目立つ人が居たらそれを憎んで死ねだのキモイだの心の中で思ってる
自分が弱いだけなのに周りがおかしいんだと錯覚して自分を守る
そんな頭の悪い考え方は科学の力じゃどうにもならないのよ」
「……うるせーよ、じゃあどうしろってんだよ!」
俺は立ち上がり姉貴の両肩を掴む
「男のままでも生まれ変わるんだよ
科学の力じゃなくて、遥斗の力でね」
姉貴も立ち上がり俺の両肩を掴んでくる
「今日何があったかは知らないけど
自分から踏み出して自分で自分の人生を変えないと、未来は変わらないよ」
「……姉貴」
「だからお姉ちゃんはわざと失敗作を作って遥斗に飲ませて女にさせてそこから戻し方わからないって言ってー
んとー?とりあえず色々調べて」
「お前、そこは嘘だろ?」
「バレた?」
バレるだろそこは
にしても姉貴に言われたことが全部刺さるな
自分から踏み出すか……
俺は凛さんに何を言ったらいいんだろう
思い返してみると…
裸を見た!ちくびーむ触った!膝枕された!
おまけに人工呼吸というなの熱い接吻……
許されるわけなくね!?
どれが一番マシかってそんな優劣ない!
全部エロい!エロのオンパレード!
女という利点をここぞとばかりにフル活用しまくってた!それが俺の末路!
くっ!許されねーよなー!こんなこと!
でも、俺は前に進むしかないんだ!
エロを許されるために!そして!まだ見ぬエロのために!!
俺はRAINで凛さんにメッセージを送る
《本日は大変申し訳ございませんでした。
よろしければお話を聞いていただくべきお時間を設けていただければと思う所存でごぜーます》
これで……いいか?
いや!何かが違う気がする!
違う気がするけどこれしか思い浮かばんでごぜーます!
送信!
今すぐにとは言わない
この夏休み期間中にでも凛さんと話せる機会があればいいと思ってる
嫌われててもいいから、1度だけ
だって俺は女になって知ったんだ
凛さんの本当の優しさ、性格を
あんなに無邪気であんなに優しくてあんなに健気な凛さんを見てしまったんだから
学校とは違う凛さんを知ってるのは多分俺だけなんだ
そして
すぐにケータイが鳴る
俺は急いで画面を見ると
凛さんからだった
よ、よかった!すぐ返してくれたか!
凛さんの返信は
《この間の銭湯で待ってて》
こんな内容だった
《わかった》
俺はすぐに返信して部屋を出る
「姉貴、ちょっと外行ってくる」
「はーいいってらっしゃーい
あ、遥斗、あともう一つだけ」
姉貴が俺を呼び止める
「なんだよ」
「あんた、おしりの割れ目にでっかいホクロあるでしょ?」
ホクロ?確かにあるよ
昔姉貴にめっちゃいじられたけどな
「それがなんだ?」
「ホクロの位置も大きさも女になっても変わらないってことは
遥斗の変わらない部分もあるってことだよ
それは大事にしなさい」
俺の…変わらない部分……
ふふ、ふはっはっはっは!そうかわかったぞ姉貴!
また久しぶりに姉貴に感謝する
俺は気付いた、変わってはいけないことがそこにあると
「行ってくる」
姉貴の一言を胸に残しながら
俺は凛さんの元へ行く
第10章…
男に戻る方法がわかったところで俺の好感度は上がらないのはケツの割れ目にホクロがあるからだなという錯覚
終わり!
男の俺はひと味もふた味も変態だぞ?
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