第8章…海にはMM号があるもんだと思ってたのに無くてショックで試作品浮き輪を暴走させてやる!というハプニング

第8章…


海にはMM号があるもんだと思ってたのに無くてショックで試作品浮き輪を暴走させてやる!というハプニング



「凛!タケを痩せさせるですわ!」


「ばかやろー!俺が痩せたらモテちまうだろ!」


「痩せてもモテねーよ」


えーと状況を整理しましょう

凛さんから海に一緒に行こうと RAINが来ました

一緒に!一緒に!一緒に!一緒に!!!

一緒に……行こうってさぁ……2人でってことだよねぇ…

なんで俺はこの訳の分からないやつらと海にいるんだー!!!


「ハル、人見知りだったっけ?

ごめんね、でもそんなに気張らくてもいいよ?

みんないい人達ばっかだし」


凛さんが俺の背中を押しながら言う


「みんなー!友達連れてきたよー!」


凛さんはそりゃもうウキウキしながらこの訳の分からないやつらに俺を紹介するんだ


「ハルって名前なの、人見知りで全然喋ってくれないけど友達になった」


「相変わらず知らない人に声掛けるなんてビッチですわ」


貧乳の女が凛さんに暴言を吐く


「もうー男に話しかけたわけじゃないんだからそういうこと言わないの

あ、この子は優みやび(スグルミヤビ)

お嬢様言葉使う変人だよ」


「変人とは失敬ですわ!鼻フックされたいのかしら?」


変人かー俺は変態だからお隣さんってことか


「凛のお人好しもすげーよなー尊敬レベルだわ」


茶髪のチャラそうな男が凛さんに明るく振る舞う


「尊敬って別にたまたまあっただけだしー

この人は江良一人(エラカズヒト)

高校デビューの芋男」


「芋は余計だ!」


芋男なのか、俺の股間はチョリソーだったぞ


「お、おい!凛!フンガ!!この美少女は!?」


明らかなデブが興奮気味に凛さんに聞く


「そんな鼻息立てないの!

小渕武則(コブチタケノリ)

説明不要のブタ」


「ぶ、ブタじゃない!もうこの子の奴隷だ!縛ってくれ!罵ってくれぇぇー!!!」


こんなやつらと海だなんて……

凛さんはナイスボディなのに対し

この貧乳には何もエロを感じない

そして芋男は凛さんをエロい目で見てる

そしてこのブタは俺をエロい目で見てる

どいつもこいつもエロエロエロエロうるせーな!←確信犯


「じゃ、行こ?ハル」


凛さんは俺の手を繋ぎ

更衣室に入った

手の温もりが優しかったけど

凛さんの裸がまた見れる!!!

お久しぶりです!凛さんの裸!

銭湯以来のちくびーむ改めて拝見させていただきます!


「…………」


「…………?」


俺は視線を感じる

恐らくみやびという貧乳からの視線だ

な、なんなんだ?そんな見られるようなことしたか?


「貴方、オスの匂いがしますわ」


「………!?」


お、オスの匂い!?

俺が男だってことバレたか!?

なんでオスの匂いってわかったんだ!?

これじゃあこの女子更衣室にいることまで罪になるぞ!?


「おおおお、オス??オスの匂いってなんの事?」


「アンドロゲンの匂いがぷんぷんしますわ

貴方、女の裸で興奮するタイプの女でありまして?」


「そそ、そんなわけないだろー

俺は…」


「俺?」


「お」


俺……?

俺って言っちゃやばい感じ?


「貴方!心はオスなのね!

銭湯で凛を誘惑し!その上女子更衣室でアンドロゲンをぷんぷん漂わせて!」


「アンドロゲンってなんだよ!」


「男性ホルモンよ!」


「ええええーーー!!!鼻がいい通り越してお前も変態だろ……!!」


俺は勢いに任せて言い返す

人見知りの俺もさすがに人格者じゃない人とはこんなノリで話せるみたいだ


「みやびー?ハルのこといじめないでもらえる?

大体アンドロゲンの匂いなんてするわけないでしょ?」


「それもそうね

貴方!あとで鞭打ってあげますわ!」


お嬢様言葉はわかるけどそのドSっぽい感じは完全に偏見じゃないか?

お嬢様がドSは少し古いぞ!

しかもお嬢様は巨乳がステータスだろ!偽物だ!


俺はとりあえず水着に着替える

なんかみやびという貧乳に釘を刺されたから凛さんの裸が拝めなかった

許せん…あの貧乳め…

でも水着姿の凛さんは超絶エロい!


海辺に行く


「おーい!ハルちゃぁぁぁん!!

俺とビーチバレーで玉転がししようぜー!

ついでに俺のタマタマも転がしてくれー!」


こ、こいつはなんなんだ?

タケと呼ばれてるブタが俺に近づく

まさか!!俺をエロい目で見てんじゃねーだろーな!?

やめてくれ!俺はそういう趣味はねー!


「タケもハルのこといじめないでね?」


「いじめるかよ!俺はいじめられてーんだ!

ケツの穴舐めてくれ!」


こ、こいつ欲望をそのまま口にするタイプの変態か!?

俺はかろうじて抑えてるがこいつは逆にやべー!!

抑えてる方がやべーって言われてるけどこいつの場合はこいつの方が絶対やべー!!

凛さんの友達変なやつしかいねーな!


「さあ!あそぼーあそぼー!」


また俺は凛さんの手を握り引っ張られる

その強引な性格に俺は何故か心地良さを覚えてしまう

凛さんは見た目によらず随分と子供っぽいなー

そういう所が彼女の魅力なのかもしれない


しばらくは海で遊んでいた

泳いだり、ビーチバレーしたり焼きそば食ったり

海ってこんな楽しいんだなーって思ってたけど

俺の知ってる海じゃない!


海ってさ、必ずMM号があるっていうよね?

MM号とは!AV企画超王道!

マジックミラーの車に乗り外に見られてる羞恥心を持ちながらエッチなことをする車のことだ!

毎回海の水着ギャルが出てくるのに今日は車らしきものがないじゃないか!

どうなってんだよ!海の楽しみってそれしかないと思ってたのによー!!

やられた…

俺はスイカを食いながら露骨に落ち込む


「なあ、ハルちゃん」


こんなエロい妄想をしまくる変態な俺に変態なタケが変態な眼差しで変態そうなことを言う


「MM号あったら一緒に乗ろうな」


「ぶぶぶーー!!!」


俺はタケにスイカの種を飛ばす


「ご褒美ですかい?」


「死ねよ変態!」


ろくでもねーなこいつは!

俺がマシに思えてきたわ!

はあ……この状況どうすればいいんだろうな

凛さんはどこにいる?

俺は見渡す


あれー?貧乳と芋男はいるのに凛さんだけが居ないなー

どこに行ったんだ?

俺はまだ見渡す


【ガバッ】


【ぽにゅ】


「っっっっ!!!!」


俺の背中には柔らかい何かが当たると同時に優しい温もりに包まれる


「りりり!!!凛さん!?」


そう、凛さんは俺に抱きついていた

な、なんでこんな所に!?


「ハル、ちょっと話せる?」


ニコニコしながら凛さんは言う

一体なんだってんだ

俺は断る訳にもいかずついて行く


海辺の屋台のベンチに座りながらサイダーを飲む凛さん


「ハル今日楽しい?」


愉快そうに凛さんは聞いてくる


「た、楽しいよ!」


俺は本心で答える


「そ?よかった!」


本当に嬉しそうな表情を浮かべる凛さん


「私も最近高校で一人ぼっちなんだ」


「…………そうなの?」


そうか、凛さんは入学当時体育館で男3人を病院送りにしたって言ってたもんな

それで一人なのかもしれない

あれも結局本当なのかはわからないしな


「一人ぼっちって寂しいからねー

ハルみたいに人見知りで話せないだけとかだったら問題ないんだけどね

あることないこと噂されちゃってこの通り中学の友達としか遊べてないの

ほんと困っちゃうよね」


あることないことか……

やっぱ病院送りはただの噂なんじゃないか?


「高校で一人だけどさ

こうしてハルと中学の友達と一緒にいるだけで楽しいから別に辛くないんだよね」


その無邪気な笑顔に俺はまた胸を撃たれる

高校でも俺と凛さんが一緒に居られたら…


「り、凛さんの学校って1番最後に話した人って誰?」


俺は慌ただしく凛さんに聞く

多分だけど、俺だと思う

最後に凛さんとぶつかって…そんで

抱きしめられて……


勃起したんだ←虚無感


でも、そんな俺が凛さんと高校でも話せたら…

女の俺じゃなく、男の俺が…


「あー科川遥斗とかいう名前だったかな?」


「…………」


やっぱ俺か…でも

名前覚えてるの!?

もしかして…!関わりのない俺の名前を覚えてるなんて……

もしかして……!!


「私、あいつ嫌いなんだよね」


「………え?」


………はっきり聞こえたぞ

き、嫌い??


「な、なんで?」


俺は心の傷が抉られながらも聞いてみる


「だってそいつね、いつもテストは赤点で友達もいない根暗で本当に冴えないやつでさ

クラスの男子にからかわれても睨みもしない弱いやつで

私とは違うタイプのぼっちなの

おまけにぶつかっても謝らないし、まじきもい

ほんと男らしくない」


「………」


俺は凛さんの言葉を全て受け入れた

そうだよな、今の俺は女で凛さんは男の俺が嫌いなんだ

元々こんな美人で気高くて強い凛さんとは合うわけねーよな


「ちょ、ハルどこ行くの?」


俺は立ち上がり凛さんから離れる


「空泳いでくる」


「はあ!?」


俺は自分のバックから姉貴の試作品の浮き輪を手に取る

やるならいつ死んでもいい今だな

凛さんにあんなこと言われたら俺は気が気じゃねーよ

俺は電源ボタンらしきものを押し浮き輪に乗る

どうやったら動くんだ?

俺はとりあえず海を泳ぐように足を動かした


「………おおー!!」


足を動かすと本当に浮いた

これぞ現代の浮き輪ってやつか!!


「は、ハル!?」


俺は凛さんの声に反応する


「………っ!」


俺は凛さんから逃げるように勢いよく足を動かした

そうだよ、俺は君とは遠い存在なんだ

その距離を今、浮き輪に乗って測ろうと思うんだ


「その…浮き輪って………」


凛さんの声が聞こえる


「………え?」


【ブオオオオオォォォ!!!!】


「うおおおおー!!!!!」


浮き輪が火を吹いて

俺は空中を光の速さのごとく縦横無尽に動いていた


「な、なんだあの物体は!!」


「UFO!?」


他の人たちも俺が見えていない

そのくらいこの浮き輪が暴れているんだ


「わあああああ!!!助けてくれぇぇぇーー!!」


あ、あのクソ姉貴!!

やっぱ失敗作じゃねーかよ!!

誰か!誰か止めてくれぇぇぇー!!


第8章…


海にはMM号があるもんだと思ってたのに無くてショックで試作品浮き輪を暴走させてやる!というハプニング


終わり!



俺の人生も終わり!

ざけんな!

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