Episode7 The Squad

 一か月後


 「ほらもっと、ペースを上げろー」


 俺はジルさんの家の近くの、山で走り込みをしていた。あれから、俺はジルさんに弟子入りし訓練に明け暮れる日々が続いていた。


「よし、今日はここまで―」


「疲れたー」


 弟子兼養子にしてもらったことによって、俺もテオ・バーキンに名前が変わった。


「ジルさん」


「俺の事は師匠と呼べっつってんだろ。どうした?」


「俺いつになったら、冒険者登録しに行っていいんですか?」


「また、その話か。もっと強くなったらって言ってんだろ?」


「でも、毎日走り込みと刀の素振りと筋トレばっかりじゃないですか」


「馬鹿、基礎は何事においても大事なんだよ」


「でも・・・・」


「それに、お前は魔法が使えない。つまり、生身の体でイビルズたちと戦わなくちゃいけないんだ。わかるよな」


「はい」


「お前の攻撃力と防御力は、魔法が使える奴よりも貧弱だ。一撃食らったら終わりだし、遠距離からの攻撃もない。つまり、お前は人一倍、いや、人百倍は練習を積まなくちゃいけないというわけだ!」


 こんな感じなので、俺はこの一か月メイズに潜るどころか冒険者にも慣れないでいた。


「話は変わるがテオよ」


「はい?」


「明日は訓練は休みだよな?」


「はい」


「そしたらお前、街に出て買い出し頼まれてくれ」


「別にいいですけど」





 翌日、俺はジルさんに頼まれたものを買うため久しぶりに街に来ていた。


(あと、必要なものは・・・・)


 俺が買うものを探して歩き回っていると、冒険者が依頼の受諾をしたり、冒険者登録をするための冒険者ベースの前に来ていた。


 掲示板には、今注目の依頼だったり、依頼達成率上位の冒険者の名前が書かれていた。


 (スクワッドメンバー募集?)

 

 そう書かれた紙が貼られているのが目に留まったので、眺めていると。


「なぁ。あんたも冒険者志望?」


 そう言って声をかけてきたのは、黒髪の男の子だった。


「そうだけど、君誰?」


「俺はジークっていうんだ。何日か前に、田舎からここに出てきてさ。冒険者になろうと思ったんだけど、どのスクワッドにも入れなくて、一緒にメイズ潜ってくれる仲間を探してたんだよ」


「そうなのか」


「なぁ、あんた俺とスクワッド組まないか?その様子じゃまだスクワッドには入ってないんだろ?シンボルついてないし」


「別にいいけど」


「よっしゃ。あんた名前は?」


「テオ。テオ・バーキンだ」


「俺は、ジーク・ヘルド。よろしくな」


「それはいいんだけどさ、ジーク。質問があるんだけど」


「おう。どうした?」


「スクワッドって何?」



 











 


 

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