Episode 6 Kamibami
ジルさんは少し考えた後、「まぁ、いいか」
そう言って、扉の鍵を開けた。
「入ってみるか?」
ジルさんが言うので、中を見せてもらうことにした。
中は薄暗く、じめじめした感じの部屋で正直居心地は全くよくなかったが、部屋は 意外と広かった。
「あれなんですか?」
見ると部屋の奥には、大きめの木造の彫刻が置いてあった。
月明かりに照らされて、映し出されたそれは角が生えた人型の彫刻だった。
「なんですか?これ」
「それは、今からはるか昔に存在したといわれる、世界最強のイビルズである「エクス・マキナ」の彫刻だよ」
「エクス・マキナ」
木造とはいえ、かなり迫力がある。だが、別に恐ろしさは感じなかった。
そして、その木造の足元には一本の刀が飾られていた。
「刀・・・?」
「あぁ、それは。そのエクスマキナの部位から打たれたといわれている魔刀「
「神喰・・・」
その禍々しいオーラを解き放つ刀だが、目が離せないほど引き付けられる。
「持ってみてもいいですか?」
「いや。やめとけ、そいつは気に入らない相手に握られるとそいつを喰っちまうからな」
「喰う?」
「あぁ、現に過去に俺の忠告を無視して、勝手にその刀に触った奴がいてな。気が付いたときには見るも無残に喰い荒らされてたよ」
「そうですか」
そう言って。俺はその刀を手に取る。
「あ!おい!お前人の話を・・・」
ジルさんが言い終わる前に俺は、その刀を握っていた。
すると、握った瞬間赤黒い靄が俺を包んだ、
「坊主!大丈夫か?坊主ぅぅぅぅぅぅ。って、あれ?」
何かが起こりそうな雰囲気だったが、特に何も起きなかった。
「持てましたね」
「あぁ。持てたな」
意外とあっさりしていた。こんなものなのだろうか。
「坊主、その刀抜けるか?」
ジルさんがそういうので、引き抜こうとしてみるが全く抜けない。
「抜けないです」
「そうか」
ジルさんは、またしばらく考えこんだ後
「とりあえず、居間にもどるか」
そういった。
居間に戻った後もしばらく考え込んでいた、ジルさんはしばらくしてこう言った。
「テオ、さっきのは無しだ。やっぱりお前を俺の弟子にしてやる。ついでに、養子にもな」
「本当ですか?」
「あぁ」
「でも、 何で急に」
「もしかしたら、お前。本当にアデルを落とせるかもしれないぞ?」
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