驚き

体を光に包まれ、不思議な感覚に陥ったが、すぐに周りに景色が鮮明になった。


— アーバン ―

「よーし、無事に着いた」


アリスは当たり前のことのように言っているが、俺は驚きのあまり口が閉じなかった。


「おーい、どうしたんだい、早くしないと置いて行くよ~」

「はひぃ」


思考が追い付かない状態で声を掛けられ変な声が出てしまった。


「アッハハ、なんだいその返事は」

「う、うるさい行く所があるんだろ、早く行くぞ!」


つい、やけくそになって言ってしまった。

俺は、周りを見て街のにぎやかさにも驚いていた、周りを見ても人の姿が途切れる事は無く、その格好も現代のシャツやジーパンなどと違うくて、ザ・異世界の服のように感じた。


「おーい、ボケっとする時間なんてないよ~。早く早く。」

「今行く」


俺は駆け足で人と人との間をとうり抜け、アリスのもとに行った。

俺たちは、街の中心より少し離れた所にワープしたらしく、数分歩くと徐々に人混みがなくなっていった。


「どこまでいくんだ?」

「ん~、後少しかな」


数十分は歩いたのにまだ着かないのかよ!心のなかで呟いていると。


「もう、見えてきたよ~」


呑気な声で声をかけてくるが目に見えているのは大きな屋敷だった。


「・・・・・・もしかしてこれじゃないだろうな」

「正解~ちょっと待っていてね」


アリスは俺を置いて門番に声をかけ、屋敷の中に入っていった。

俺は、ポツンと屋敷の前に残され、門番の人と目が合うだけで、睨まれたりされ、俺のメンタルはボロボロになりかけた。


数分が立ったころに、屋敷から可愛らしいお嬢さんが出てきた。

 

「リョウタさま、どうぞこちらに来て下さい」

「なんだ、なんだ」


俺の所まで来て、手を引っ張って屋敷の中に入った。

(門番に死ぬほど睨まれていたのは、俺の心にしまっておこう)

屋敷に入るとそこには、アリスがいた。


「アリスお姉さま~」

「よくできましたね、ミュスカ」

「褒めて褒めて!!」


嬉しそうにミュスカはアリスの元に行きナデナデしてもらっていた。


「アリス、いったいココはどこなんだ」

「ココは私の家だよ~、驚いたかな~、ねぇねぇ!!」


俺が唖然として驚いていたがそれを見て、アリスは煽るようにこっちを見て来た。


「まぁ、こんな所で話すのもなんだし、ちょっと部屋で話そうか」

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