出会い

「クソッ、ここはどこなんだ」

「その質問に答えましょう」


また、後ろから声を掛けられ振り返ると、そこには美しい女が立っていた。

 

「あんたは、誰なんだ!!」


いきなり声をかけられ驚いてしまったがよくその女を見ると、本当に美しいと感じてしまった。


「驚かせてすまない、私はアリスこの世界の住人さ、君の名前は」

「俺の名前は、涼太、今井涼太だ」

「そうか、リョウタか!、ここら辺では聞かない名前だな」

「教えてくれ、いったいここはどこなんだ」

「ここは、カンディア王国のサラギラ地方さ」


聞いたことの無い国と地方の名前に戸惑ってしまった。

俺が戸惑っていると、


「ここで話すのもなんだから、街に行こうか!」


アリスが気を利かせてくれた。


「近くに街があるのか!」


街に行けば何かこの世界の情報が分かるかもしれないと思った。


「いや、近くには街はないよ、ここはユグドラシルの森だからね、ここから東西南北500㎞は森しかないよ」


いきなり凄い距離を言われたので俺の目は点になってしまった。


「さぁ、行こうか!」

「おいおいおい、チョットまて、ここからそんなに離れているのにどうやって移動するんだよ!」

「もちろん、歩きに決まっているだろう」


俺は、絶句した。今から歩いていくだと。


「アッハハ、君本当に面白いね!、そんなわけないじゃないか 」

「俺をもしかして、おちょくったのか」

「さぁ、どうだろう」


俺は、顔をしかめた。


「気を悪くしたかい」

「当たりまえだ!」


アリスはなんやかんや楽しそうにしていた。


「さぁ、私の手を掴んで」


次は何を言い出すと思うと変なこと言ってきた。


「いいから、速く!」


しぶしぶアリスの手を掴んだ。


「さぁ、行くよ」

「え、行くよって、、、」


俺が言い終わる前に、俺たちの足元が光に包まれ、徐々に俺たちの体を包んでいった。

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