第2話 ラブレターには答えられない

『下駄箱にある君の靴にくっつきたい』2話

『先輩、私...ずっと先輩のことが好きでした。今も好きです。私と付き合ってください』

そんな告白にも動じず、淡々と彼は話した。

『ありがとう。でも、俺キミとは付き合えないわ。でも、好きでいてくれてありがとう』

そう言って、彼はバスケの練習に戻って行った。

告白した女の子は南礼司の取り巻きの女子たちに慰められていた。

彼の名前は、南礼司。15歳でありながら、大人な発言をする彼には悩みがあった。

彼は女子を恋愛対象としては見ていなかった。1年生の時も2年生の時もそして、3年になってからも恋愛対象は変わらず男性で、自分がおかしいのではないかと疑っていた。

でも、自分の性の意識が違うことを誰にも話せていなかった。

親にさえ話せなかった。

そんな悩みを消してくれるのはいつもボールだった。バスケをしていればおのずと悩みを消してくれた。


そんな時、全校生徒を対象にしたジェンダーについての講座を開くと聴き行くことになったのだ。

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