第3話テスト勉強
7月の中旬、俺達は図書室でテスト勉強をしていた。うちの学校は他の学校に比べ、珍しい所がある。それはテストだ。うちは中間がなく、期末の1回にしかテストがないため必然的にテストの範囲がとても広くなる。7月末にテストがあるのだがテスト範囲が広いため、テスト勉強期間が2週間もある。俺は理系、葵は文系を選択しており各々選択している科目が異なるため、共通科目の数学と古典を教え合っていた。
葵が数学でわからない問題があったため俺に質問をしてきた。
「悠くん、ここの問題が分からないんだけどどうやって解くの?」
「ここか~ここは1つ前の問題の答えを利用して解いたら良いんだけど、1つ前の問題の答えを間違えてるから解けないね。計算を間違えてるだけて解き方は合ってるからもう一度計算をやり直してみな。」
そう言って葵はもう一度計算をやり直して少ししたら
「解けた~今度は合ってた!ありがとう悠くん。ちょっと喉乾いたから飲み物買ってくるんだけど、悠くん何かいる?」
「じゃあコーラでよろしく~」
「了解、じゃあ買ってくるね~」
葵は飲み物を買いに行ったのでその後ろ姿を眺めていた。すると水色のブラジャーが透けていた。先日の裸エプロン事件である程度、葵の体を知っていたので上半身にブラジャーだけを着けている葵の姿を想像してしまった。(駄目だ、駄目だ。学校で何を想像してるんだ俺、落ち着け。ふぅふぅ。)
妄想して主張を始めた息子を落ち着かせるため深呼吸をしていると葵が戻ってきた。
「はいこれ。悠くん、買ってきたよ!いや~外が暑くて溶けちゃいそうだよ。」
「ありがとう。はいこれ、コーラ代。」
葵は席に座るとよほど暑かったのか下敷きをうちわ代わりにして仰いでいた。そのせいで葵の方から汗と制汗剤が混ざった匂いが来た。汗臭いということは無く、とてもいい匂いで非常によろしくなく折角自己主張を止め始めた息子が再度主張を始めてしまった。落ち着けるためにもう一度深呼吸をしていると
「悠くん、深呼吸してどうしたの?」
「結構集中してて疲れたからちょっと深呼吸してた。」
「おぉ、いいね。じゃあ私もしようかな。」
そう言って葵も深呼吸を始めた。
深呼吸を止めて勉強を再開されていると古典で分からないところがあったので
「葵、ちょっといい?この古文の訳し方が少し分からないんだけど。」
「そこわね、そこの部分だけで訳そうとすると難しいね。前後の文も一緒に考えると分かるよ。」
葵が身を乗り出して俺の問題集を覗き込んで来た。暑いからかいつもよりシャツのボタンを開けているためか、目の前に大きな谷が突然現れてついつい凝視してしまった。
「前の文がこういう意味だかr」
「って悠くんどこ見てるの!!」
「すまん、ついつい。」
葵の胸を見ていることがばれてしまい、葵はボタンを閉めて大きな谷を隠してから再度説明してくれた。
「悠くん、もう一回説明するけど前の文がこういう意味で後ろはこうだからこういう訳し方になるの。」
「なるほど、ありがとう。」
図書室の閉館時間になったため、葵と帰ることにした。後半は集中出来なかったが、ある程度勉強が捗った。
「言ってくれたら何時でも見せるのに」
「葵何か言った?」
「悠くんには関係ない独り言だよ~」
葵が何か言ってきた気がしたが独り言らしいので特に気にしなかった。
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