第38話 円盤

やっと俺の出番か。

腹の減り具合から夜の12時頃か。

じゃ、イキますか。

「アストラルディオ!」

瞬時に浮遊体へと入れ換わる。

まずは例の見張りから貰うものをもらおう。


見張所から村のエルフィー宅を全て巡回し、LPを根こそぎ頂く。

村のエルフィー種179人から盗んだライフポイントがP67696もあった。

ただ子供の姿を1人も見なかった。男もだ。同様にイシイとバナナも。


だが村のエルフィーは全員若く美しかったし、太ってるやつを見かけなかった。

物見櫓風の建物に鐘が吊るされている。それはさて置き、お楽しみの円盤だ。


円盤の内部をふわふわと壁を擦り抜けていく。これが円盤の中か。

プライベートルームはまだ先らしい。円盤の動力ってなんだろ。

見っけ、武器庫!

武器庫の中は本能ご刺激するお宝だらけだった。

棚にある銃はレイガン?持ちやすくて軽そうだ。壁に飾ってあるのはブレード!これカッコいい!

神の恩恵があるなら…

「鑑定!」

できた!霊体でも鑑定が可能だ。


銃はパラライザーだと。レイガンじゃないのか。

こっちのカッコいいブレードは…電磁ブレード!欲しい――!

この黒いコートは…防弾防刃ステルスコート!これも欲しい!

こっちのシューズは…反重力シューズうぅぅ!これ絶対欲しい――い!


ハァ…欲しいもんばっかだ。


浮遊体じゃそもそも物を持てない。でもディオの神の恩恵があるなら。

「シャドールーム!」

発動しない。恩恵だからって都合よくいくワケないよな。

哀しい、もう泣きたい。


「シャドーマン!」

黒い人影が…腕を組んだシャドーマンが現れた。。

LV上がったなら、ひょっとしてだけどシャドーボックスとか…あったよね。

これ入れたいんだけど。と、ガン、シューズ、コート、ブレードを見せる。

シャドーマンは周りを見回すと…首を傾げ、外人さんのように両手を広げた。


「なんじゃそりゃ…」

 

マン、試しにシャドーボックスに武器を入れてみて。

だが…シャドーマンは人の形をした影なので物を掴めなかった。


「ダメか――」

何とかならないかな。


ダメだったけどシャドーボックスって亜空間収納…だよね。多分。


「インフォメーション」

何かLPを使用してレベルアップできないか。

《シャドールームのLVUPにはLP1千万ポイントが必要です》

《神の鉄槌のLVUPにはLP1千万ポイントが必要です》

《神の一撃のLVUPにはLP1億ポイントが必要です》

い・ち・お・く・だって!

シャドールームにLP1億なんて数字、生きてるうちに貯まらないよ。

LP1億の神の一撃って、いったいどれほどなんだ。


ハァ…LV2UPはLP2だけだったのに…


じゃなくて、シャドーボックスに・こ・れ・を入れたいの!

だからシャドーマンとか浮遊体のレベルを上げたかったのに。

もうダメだ…武器・防具、持ってけないや。


うると突然アナウンスが。

《㊗LV10000突破記念特別ボーナス・以下から1つ選択して下さい》

〚マジックハンド〛


㊗…選択してっていうけど1つしかないじゃん。

マジックハンドで…

受けとったマジックハンドを「鑑定」すると

《マジックハンドです。痒い所に手が届きます》

そのまんまじゃん、ハァ―ァ…

じゃぁ、もうこの部屋にあるもの全てシャドーボックスに入れちゃって。

えっ…うそ…全部入っちゃった…

おそるべしマジックハンド…


シャドーマン、お陰で助かった。後は俺の本体の様子見を頼む。

何かあったら連絡頼む、と、お願いして、再び円盤内部の捜索開始

早々に妙なもの見つけた。どうやら円盤の格納庫らしい。

片っ端から鑑定してみる。


「鑑定」


《反重力バイク・反重力マルチコプター・反重力クルザーボート・反重力ジープ・》

ストップ、ストップ、もういい。欲しいのは4つだし。

シャドーマン来てくれ。スッと人形の影が現れる。


反重力バイク・マルチコプター・クルザーボート・ジープの4つを

マジックハンドでシャドーボックスに格納してくれ。

マンは腕を組み、小首をかしげると胸のあたりで両手をクロスした。

✗点のつもりらしい。


え――…ダメって、じゃどれなら、、

マンは反重力バイク・マルチコプターの2点を指定する。

じゃそれで頼む。

え、格納はできない…?いま2つ指定したじゃん。

マンは指先で空中に文字をなぞり始めた、

「かくのうはできないがしゅうのうはかのう…」と読めた。


それでいいです…



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