新章 第4章「異星人」
第35話 強敵
シャドールームで人心地ついたので洞窟に戻ると一目散に外へ逃げ出した。
ゴッキーとムカデンは性に合わない。だってでっかくてキモイ。
粗方ルーンナイフでやつらのスキルポイントを削ったし、先を急ぎたい。
また洞窟だ。さっきので懲りたので迂回しようか。
だけど、、洞窟の前に陣取ってるのは紛れもないさっきのグレムリンだ。
その証拠に人の死体を日干しに…
やつらの巣だろう。死体は全部で11匹か。連れ去った死体の数までは知らない。
エミから聞きそびれたが学者はエミを含め12人いたのだろう。
集団戦か。グレムリンが何匹巣食っているのか分からなきゃ負けもあり得る。
こいつらのLVはいくつだろう。ここからだと鑑定も届かない。
まさかLV37以上ってことはないよな。
よしやろう。夜までチマチマ待ってられない。
届くか?ここから。届くなら標的は誰でもいい。右手を軽く振る。
濃紺色のクリティカルブーメランが勢いよく飛びだしていく。
《ギャギャ?》
《ギャス?》
ブーメランが打つかった?というより、ただグレムリンの体を通過した?ように見えた。ブーメランで倒されたグレムリンはピクリとも動かない。
ただクリティカルブーメランには重大な欠点があった。グレムリンは10匹近くいるのにブーメランが倒したのは1匹だけだ。
しかもブーメランは弧を描き俺の元へ戻って来る。これじゃ敵に居場所がバレバレだ。
あー、洞窟の中からゾクゾクと。こっちへ来た。大集団で。
ダメだこりゃ…
三十六計なんとやら。逃げる!
「シャドーマン!」
黒霧の中から人影に似た影が現れる。シャドーマンやつらを牽制しろっ!
その間にこ走って逃げる。ハァハァと息が荒い。ここらでいいか。
シャドーマンを解除すると一目散にシャドーハウスへ逃げ込んだ。
スキルボードを覗くと霊体とシャドーマンの表示が点滅している。
ポチるとレベルアップのお知らせが。
《シャドーマンがLV2へUPしました。シャドーボックスが使用できます》
嬉しい誤算だ。マンもレベルが上がるんだ。
同様に霊体もLV2へUPしていた。双方とも末尾に+2の表示が加えられた。
ディオのスキル項目の神の厚意が神の恩恵へと進化ていた。
抽象的でどんな能力なのか?だ。
シャドールームでシャワーを浴び、食事をして、大分早いが睡眠を取る。
明け方に移動するために。
PM4時か。そろそろいいだろう。夏季の早朝4時は薄明るい。この世界が夏季ならだけど。
シャドールームから首だけだして周りを伺う。大丈夫そうだ。森の中も薄明るい。
行くか。森の中を小走りに走り出す。
大分進めたけど、このジャングルに終わりは無いのか。
「痛っっ」
何かにぶつかって跳ね飛ばされた。が、何もない。
前方には木々に囲まれたジャングルの森があるだけだ。
手を伸ばしてみる。ある。透明な弾力のあるガラス?のようなのが。
「なにこれ?」
ここに来てからナニコレばっかりだよ。蹴ってみる。叩いてみる。抓ってみる。
諦めた。仕方ない、迂回しよか。
透明だけど、やや弾力性のある見えないガラスを手で伝い、切れ間を探しながら移動した。
森の樹海を囲むように大分広範囲に渡って囲い込んでいるらしい。
ここから途切れてる。囲いを超えれ…
「あっ」
思考の途中で光線銃?のような光が俺の胸部をを貫いた。
《SOUL✞8》
✞8…痛みや苦しみは無い。が俺は1度死んだのか。驚きに戸惑っていると
青白い光と真紅の光が続けて俺の頭と胸部を再び貫いた。
《SOUL✞7》
ヤバい!俺は地面へ倒れると咄嗟に死んだ振りをした。
足音が近づいてくる。2人だ。敵の会話が聞こえる。知能は高そうだ。
《異世界相互認識言語収得》
アナウンスが流れる。やっぱりここは異世界か。
知的生命体とのコミュに共通言語は必須だ。助かるよ。こいつらだけは問答無用で俺を殺害した報いは受けて貰うが。
「驚いたわ、いままでにヒューマンタイプでレイナイフ、キラーナイフ、フレアナイフのどれ一つをとっても生き残ったヤツを知らないわ」
「私も同じよ。即死ナイフ3つも受けてやっと死んだやつなんて初めてよ」
女だ!
(あれがナイフだって?ディオのルーンナイフのようなものか)
2人が着てる服はシルク?光沢性はシルクっぽいがまるで肌着だ。エロい…
おまけに着てるチョッキがカワイイというか格好いいデザインだ。
「鑑定」
エルフィーという種族だというのは分かった。
エルフのように耳は尖ってないがどっちも美形だ。エルフィーじゃなくてエロフだろ。エロフに改名しろ。
(ア◯フィーじゃなくてよかったぜ)
LVは驚異の731だと!こいつはイシイと呼ぶことにする。こっちは、、
LV887!驚いたね。こいつはバナナと名付けた。以下の項目は見てる暇がない。
死んだ振りの状態のまま浮遊体化する。勝ち誇ってるイシイとバナナへルーンナイフをメチャクチャお見舞してやる。
50、60、LPがまだまだ貯まる。100、120…凄いな、おい。
2人のLPは合わせてP809で打ち止めになった。
「このヒューマンどうする?」
「捨てておけ。もうただの死体だ」
「あとはいつものように森の主が処分してくれるさ」
身体を触られてたら体温で生きてるのがバレるとこだった。取り敢えずセーフ!
イシイとバナナ、早くあっち行け!俺の本体が森の主に処分されたら本末転倒だ。
ここでその森の主とかいうのが現れたら生きてるのがバレるだろ!
2人の足音が去っていく。
ありがと。戻ってくれ。森の主とやらが来ないうちにシャドールームへ…
まてよ、イシイとバナナがあれほど警戒してるこの場所でルームに潜っても、同じ所へ戻れば再び何たらナイフで撃たれてしまう。
いま2人は所定の位置まで戻っていくのだろう。
イシイとバナナ、後ろ振り向くなよ。起き上がると同時にこの場から駆けだした。
「ハァ…」
もうこの辺りでいいだろ。2人に気づかれないうちにシャドールームへ退散する。
「ビアンナ見て!あいつがいないわ!」
「うそ!だって死んだはずじゃ…レクシア、戻るわよ!」
「ここだったはず。ここで…」
「血の跡は…ないわね…」
あのヒューマンタイプの男、何者…
クソっあいつら…夜中に戦闘開始だ。
溜まったLPをSOUL✞7から上限の9へ戻す。
何もしない俺が殺されなきゃならないこの世界の事情などどうでもいい。
殺されたのは事実だ。
復讐するは我にありだ!
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