第28話 スキルボードの検証
再びスキルボードを立ち上げる。
【初霊体報酬 何れかを選んで下さい】
《①アストラルファントム》
《②アストラルスペクター》
《③アストラルゴースト》
《④アストラルディオ》
④のアストラルディオをスマホで調べてもヒットしなかった。同様に①②③も。
つまり理解不能だ。
アストラルで調ても難解というか殆ど意味不明だし。
①②③はスマホでヒットしなくても、なんとなーく分かるっちゃ分かるんだけど。
④のディオって イタリア語で《神》なのだとか。神って何となく違うって気もするけど、この中から選ぶとするとファ安トムかディオの2択だよね。
じゃぁ、理解不能だけど④番のアストラルディオで。
スキルボードに〚アストラルディオ〛が追加された。
「身体がふわふわする気がするけど。それ以外の身体的変調ってのがないなぁ」
以外だった。アストラルなんたらになったハズなんだけど。
神の領域と表示された下項目に神の厚意とある。
(赤字で表示されてるのは何のスキルだろう?)
ま、いっか。早速試してみようかな。
「アストラルディオ!」
「おおおお――浮く――」
身体が透明になってる!じゃなくて、俺の身体は〚ここ〛にある。つまり俺は自分自身を見上げていた。浮遊体と化したまま空中に浮かんでいる。
「まるでゴーストになれた気分だ」
ゴーストの気分はどんなのか知らないけど。
当初の目的だった妹探しにも活躍してくれそうだ。
「そうだ、このまま外に出れるかな」
試しにドアノブを触れようとしても触れた部分が通過してしまう。
ドアを開けなくても通過できるのか?
「できた!どこでもドア要らず――」
トアを抜け軽バンに乗り込、、めない。軽バンの中で立ってるだけ。そりゃそうだ。物に触れないんだから。
便利っちゃ便利だけど。部屋に戻ると本体の身体は固まったままだった。これ無防備だし危険だぞ。
浮遊体というか浮幽体のままだけど…
「シャドーマン!」
人の姿を保ったまま黒霧のような影が現れた。
できたー!
(これってアストラルディオの神の厚意というやつのお陰かな…)
「シャドーマン、俺の本体に乗り移れるか?」
シャドーマンが俺の本体と合体した――!
と思ったら本体からシャドーマンがニュッと顔を突きだし首を左右に振った。
ダメってことか。そう都合よく行かないか。
ああ、そうだ大事なことが。忙しくてうっかりしてた。
「スキルボード!」
改まってスキルボードを見直すとアストラルディオ・神の領域の項目に
〚神の鉄槌・神の一撃〛というスキルがあった。
しかも赤文字で。
その下の列には霊体・神の好意と続きルーンナイフと…ルーンナイフってなに?
飛ばすの?
こういうワケワカメ的なのってもどかしい。マジ鑑定が欲しい今日この頃。。
鑑定どうやったら手に入るのかなぁ。そもそも鑑定とかあるのかな。えーいもう
「鑑定!」
スキルボード横に鑑定の文字が浮かび上がる。
「でたぁ」
《ルーンナイフ・飛ばした数だけ相手のライフポイントを盗むことができる》
「なんですと――ムテキングになるのも近い?」
じゃ次は神の鉄槌・神の一撃で。
《神の鉄槌・神の一撃・ライフポイント不足鑑定不可》
「不可…使えないから赤文字なわけですか。糠喜びっすね、やれやれですよ」
(ひょっとして)傷も、、
「ヒール」
治らなかった…呪文を唱えるただの面白い兄ちゃんだった…
(ヒール欲しいなぁ。出血多くて死にそうだよ)
仕切り直しでスキルボードのLVとかHP0の項目を見、、
ええ――HPまさかのゼロ?
「HP0――だと――」
ナニそれ??ってもう既に死んでるじゃね―か!実はもう死んでいる??
それとも今の姿が幽体だから?
それにLVとかも無いじゃん。表示されてるのはサードアイだけだよ。
な―に―こ―れー噂と違うし、HP0だし…
で、獲得ライフポイント2って…
「基礎能力も、いや基礎能力すらないよ」
これでよく勝てたな、グレ公どもに。防具も武器は手製の銛だけだし、武器がないに等しいや。この先思いやられるわ。
グレムリン結構手強かったし。ま、取り敢えずライフポイントってどこに振り分ければいいんだろう?
ちなみにサードアイは…(スマホ検索中) 第三の目って(そのまんまじゃん)
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