第21話 ルナの正体

「赤黄緑の液体を盗んだのは私なの。ううん、盗んだんじゃないわ、取り返したの。液体は全て処分したわ」


数年前、女神の細胞をクローン培養中に盗難に遭い、細胞を盗んだ裏切者は処分するも、盗まれた細胞の行方が分からないでいたが、、


ガンダ国刑務所へ意図的に囚われた彼女はそのクローン細胞を取り返すため隔離施設に潜入したのだという。


そう話すルナは神聖国家の諜報機関に属し、

東南アジア方面に於ける実行部隊に所属していたらしい。

トシが辞めろというなら今すぐ辞めるわ。と、ルナは事もなげに言う。  


テロや破壊工作はルナの専門外だが、他国のスパイ行為には容赦しないらしい。

(だからルナの部下は俺を殺害しようとしたのか)


「もう襲われないよな」

「ないわ。私からの指令がないもの」

といいながら俺の顔を見て微笑する。


もしルナと別れる。なんていったら、、

ルナとはこの先も仲良くしなきゃ。


この盗まれた体細胞を取り込み、俺の能力が開花したが。その細胞の持主とは一体?何のために?


「誰の体細胞?クローンを作ろうとした理由って?」

「その前に、私の話を聞いても嫌いにならないと約束して」

「なんだよ、改まって」

「いいから約束」

「嫌いになるはずなじゃん」

「ならいいわ」

「不老不死だからよ」

「誰が」

「私達女神が」

「言ったね、しかもサラっと」

 

(俺、女神とSEXしたのか。作りは人間の女と変わらないなぁ、気持ちいいし)


「驚かないの?」


「いや、驚いたさ、ちょっと考えてたから」

(おまえとのSEXを思い出してたなんて言えないよ)


「女神もエッチするんだなぁ」

「もう。。いーじゃないそれは」


いーっぱい疑問があるけど、ルナってやっぱ宇宙人ってことだよね。


答えは、、ルナ達は女神族と天使族の2種種族がいて、別の宇宙から「壁」を超えてこっちにやってきたのだとか、、別の宇宙!!宇宙はひとつじゃねーのかよ…


「世間では天使に性別がないからエッチしないとかいうけど、ルナは女神だけど普通にエッチするし」

「女神だってって、、知ってる癖に」

「聞いてみただけだって。食べたり飲んだり呼吸したり、人間と同じなんだって、

知らなかったなぁ。俺さ、昨日天使とSEXしたんだぜ!

なんて本当のこと言ったって狂ってるとバカにされるだけだしなぁ」


「そんなこというの?!」


「言わない。言わない。マジ」だってクルクルパーって思われるだけじゃん。


ルナたち女神族と天使族は別の宇宙からこの惑星にやって来たのだというが、

天使がいるならやっぱ神もいるっぽいけど、、


「じゃ、まさかだけど、神様とも知り合いってこと?」

「ううん。この地球に伝わる神は私達女神が創作した想像神なの。

つまり、私達が神という存在を作ったの。

架空の神という存在を宗教という形で普及させるために」                 


「なぜ?」


「言ったでしょ?糧を得るためよ。生活の為よ。働かなくても地球で暮らしてゆく手段だったって。がっかりしてるの?」

「そうじゃないよ。さっき聞いたけど。そうか、神はいないが女神と天使は実在したんだ」いようがいまいが、うん、信じる者は救われる、だな。


「でもね、犬や猫や鳥は神の存在を知らないわ。知能が比較的人に近いチンパンジーでさえ神など知らないわ。動物界で人間だけよ、神を信じてるのは。

ちょっと不公平ね、私達のせいだけど」


「それに神が存在したら大変じゃない。だって世界中の人が神様お願いしますって、

助けてくださいって来るでしょ。だからすりかえてあげたの。お祈りすることで救われますよって」

「分かるよ。俺だって神の存在は信じてないが、誰もが一度や二度は唱える呪文があるからなー。神様一生のお願いって、さ」


「そっか。女神や天使がいても神は存在しないのかぁ、真実は小説より奇なりだぜ」

「いるわよ」

「どこに?」

「地球人の心の中に」

「およよ」


「女神って歳をとらないの?」

「女神は14歳から24歳を上限に年齢が行ったり来たりするの。トシと同じよ。

だから2人はずーっと一緒よ。離れないから。分かった?」


(こわっ。強気な天使ってタイトルで歌でも作るかな)


「でもさ、不老不死で歳をとらないって、それだと近所で怪しまれるんじゃない?」

「問題ないわよ、他人は他人。だって女神だもん」

「意味不でつ」

「女神も子作りってするの?」

「トシは知ってるでしょ、言わせたい?」


。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+


「天使の頭に輪っか、背中の羽根って、どうなの?」

「アハハ、それは想像上のものよ。だって変でしょ、羽根や輪っかが頭にのってたら。それはね、おとぎ話なの」


「天使は男で女神は女なの。天使だって女神だってエッチするもの。知ってる癖に」

「聞いてみただけだって。エッチしたり呼吸したり、人間と同じ過ぎて不・思・議」


「女神族って、他の女神や天使も食事は?」

「食べるわよ。お腹空くもの」


「俺の知ってる女神像と違うじゃん。じゃ○ンコとか○シッコとかもするんだ」


「俺の中で女神のイメージが崩れてく… 」


「イーだ!もう、知らない!」


「外宇宙というか、宇宙から来たなら教えて。この宇宙、いや惑星というか星々に生命体はいるの?」

「おしえなーい」

「なんで?」

「いわなーい」

「…」

「たべちゃうぞーがぉーー♡」

「たべてーーきゃーー♡」


。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+


「ひとことで言うと外宇宙ってどんなとこ?」

「行きたい場所へ瞬時に行けるわ」

「ド○えもんのどこでもドアかーい」 


「時間の懸念がないの。地球ではジッとしてても時間は経つけど外宇宙のわたしたちの星では動かなければ時間は停まったままなの。行ってみない?」

「えっ、どうやって?」

「円盤のワープドライブを使うのよ。安全で速いのよ。ワープドライブはアッという間に着くわよ。およそ1億年くらいね。赤ちゃんいっぱいできちゃうわね」

「勘弁してくれ、、1億年て、それ、あっという間とは言わないし、、」


「宇宙に強敵はいるの?」

「宇宙生命体ね。意思のあるブラックホールは強敵よ」

「それ生物じゃないし、、」


「ね、女性を虜にさせる能力をなぜ持ってるの?」

「なぜと言われてもそういう能力に目覚めてしまったので」というしかない。

「そう、分かったわ」

「分かるの早っ」

「でもその能力で他の女を誘惑ないでね」

「誘惑したら?」

「やってみればわかるわ」


。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+


クローン細胞盗難事件の真相はぶっちゃけ仲間内の派閥争いだった。


12神「女神4名・天使8名」及び部下12名の合わせて24名から連なる星神連盟だったが、

近年、天使族8名による女神族4名への弾圧行為に反旗を翻すべく、

別宇宙に存在する多次元の神、星神。

その遺伝情報をもつ女神アーリアの分身を創造し、これ(天使族)に対抗しようとした。ということだったらしい。



仲悪かったんだ、女神と天使。でも、


その女神アーリアの遺伝子は俺の身体の一部と化してるんだよなぁ。。

ルナは知ってるのかな。。俺とルナの関係上、

〘俺さぁ女神アーリアの遺伝子を持ってるんだ〙なんて、言い出せないや。。


ルナの部下もやっつけちゃったし。ルナはなにも言わないけど。。って、悩んでたら


「ねぇねぇトシ、女神ってキラキラネームが素敵でしょ。格好いいし」

(こいつ、ラブドールを2連続で喰らってから性格が180°変わったなよなぁ、、)


「そうそう、週末のフェスタ、車手配したから来てね」

「え、あ、うん」

 






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