第13話 死んだ男

女はこれから自分が襲われるのを知っている。


「あと数秒ね。こんな人通りの多い商店街で1人の女を襲うなんて、

ゾクゾクしちゃう、、なんちゃって」

「あっ!」


タイムゾーンリバースを起動した男は通行人の振りをして女へ近づく。

と、

いきなり女のスカートの中へと手を伸ばす。その手で女の下着を掴み斜めに引き裂こうとした。


「痛っっーー!」 

「パンティがお股にーー」

「痛いじゃないの!これ凄く痛いのよ!これ以上私のアソコガ避けたらどうするのよ!」


思いのほか女に抵抗され下着を引き裂くのが面倒だと思った男は女を押し倒し、

下着を横にずらして自分のモノを挿入しようとする。


男のソレを見た女は驚いた顔をした。

パンティが食い込んだ痛みなど吹き飛ぶかのように。


「なによコレ」

大きい、大きすぎ!太いというより長い。


「ふざけないで!冗談じゃないわ!こんなの挿れたら壊れちゃうじゃない!」

「ふざけてねーよ、ならよ、こっちの穴が壊れてももう一つ穴があるじゃねーか。

もう一つの穴も壊れるかもしれねーけどな」

クックと男が笑った。


「許さない、許せないわ!」


「へーーバカ女、じゃどうする?」 


レイプ慣れしてる男は女を襲うという快感に夢中だった。 


事前に自分が襲われるのを知ってた女は、ポシェットの中から取出したボールペンと小銭入れをスカートのポケットの中へ忍ばせたおいた。そのボールペンを握りしめ、


「こうするのよ!」


物体を瞬時に転移させることができる女のテレポート能力、ビーナスが発動する。


一瞬で男の脳の中へとボールペンが移動する。

男は自分の脳にボールペンが刺さった事など知りもしないが、男の脳は破壊され身体の自由を奪ってゆく。


「あで?じがいがぼだえてるお」

 (視界がぼやけてるぞ)

「おでのであじがじびあて・・・あう、おがじじ、であじがうごひゃがぐだらー」

 (俺の手足が痺れて、あれ、おかしい、手足が動かねー)


「おごな!がにじだらっぱ!」

 (女!ナニしやがった!)


「ごめんなさい、あなたの頭の中にボールペン忘れてきちゃったみたい、ウフッ」


「にゃんびゃど!ずぐじどりばで!」

 (なんだと!すぐに取出せ!)


「あら、取り出して欲しいの?でも物を入れることはできても取り出せないの。

ごめんあそばせ」


「にゃんびゃど!がじでにょーりゅべんいでだどが」

 (なんだと!まじでボールペンいれたのか)


「でびやー!ごんだごとじでだだでずみゅどおぼいびしびいび!」

 (テメー!こんなことしてタダですむとおもってるのか!)


「あら、何かするのはこれからよ」


女はスカートの中の小銭入れを握ると、再びビーナスを発動する。

男のズボンのチャックから露出したままの男性器は元気に起立したままだ。


女の小銭入れは起立している男の男性器の根元へと瞬間移動した。

 

瞬間移動した小銭入れは男のオチンチンをバッサリと根本から切断すると、

切り離された男性器は小銭入れと共に地面へポロッと落ちた。


「ぐわっ!おでどじんじんぎゃぁーどでじゃっだー」

 (うわっ、おれのちんちんがーとれちゃったー)」


「いでー!いでーおーー」

 (いてー!いてーよーー)


「じが、じがとみゃでねーおー」

 (ちがとまらねーよー)」


男は何度も念じ呟いていた。脳にボールペンが突き刺さってから何度も何度も

「がいうどーんびぶーず」と。


だが男のタイムゾーンリバースは事前に発動している。


「あら、何を言ってるのか解らないけどお礼なら要らないわ。じゃバイバーイ。

あ、でも一応マーカーは付けて置くわ」


そういうと女は去っていった。


運が良ければ助かるかもと思いながら。だが女は男が同じ能力者だということを知らない。


男は時間停止能力、タイムゾーンフリーズを使ったレイプは人形を抱いているようで飽きていた。


当初はいつでも、どこでも、だれとでもヤレるここ能力に感謝感激したものの、

時の停止も30秒間だけでは女をじっくり味わう暇もなく、

穴付きの人形のようでつまらなくなっていた。


しかも30秒じゃ挿れて擦ってハイ終わり。

おまけに人形には締まりというのがない。どれほどいい女だろうが人形状態で抱くのは味気なかった。


タイムゾーンフリーズを起動してのレイプは、スマホで女を強姦している動画や写メを撮りたくても時が止っているので機能しない。


マジックペンで女のヘソの下にハメハメマン参上とか中出しとか書きたかったがそれも書けない。欲望に支配された男は現状に満足できなくなった。


「つまらん!」


だからタイムゾーンリバースでレイプ行為を6分間楽しんだら時をレイプ前の6分後に自動で戻す。

このリアルレイプゲームの欲望に溺れ、浸りきっていた男は、女が自分と同じ能力者など考えもしなかった。


男は呻いていた。そこを通る人々は血だらけの男の股間を見て早足で通り過ぎていく。


男は地面に倒れていた。


「いでーおー、おでじぬどが、じがどばらだい、、ぐらい、ぐらいど、でぐぎづげどら、、あぁ、、ざぶい、、あぁ、、でぶい、、じにだぐだい、、」

(いてーよー、おれしぬのか、ちがとまらない、くらい、くらいぞ、でんきつけてくれ、ああさむい、ああねむい、しにたくない、、)


男の身体がブルッと震え動かなくなった。その瞬間男の姿が消えた。




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