第10話 性欲な男
「痛っ、、」通学途中の少女は目眩がするほどの強烈な腹痛に襲われ、お腹を抱えるようにその場に座り込んだ。
少女の乗る通勤電車は満員で大衆の視線が少女の幼い心を恥辱に染めていく。
少女は鋭い痛みで悲鳴を上げることさえできないでいた。
が、自分の足下に血が滴っているのに気付くと、次の停車駅で降りて駅のトイレへ駆け込んだ。
「生理?でも先週終わったばかり、、」
「それに生理痛とは違う。アソコを長い棒のような物でかき回されて、それがまだ中に入ってるみたいな。今も、、」
少女は膣とお腹の痛みに耐えながら血で滲む下着を膝まで下げると、少女の下着には血液の他に見たことのない白色粘液が混じっていた。
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「またですか?」
「ああ、頭が痛いよ。」
品川区羽田署で強行犯係の刑事は2ヶ月ほど前から頻繁に起る少女強姦事件に頭を悩ませていた。
多いときで毎朝2件の強姦事件が都内各所の何れかの駅に停車した電車内で発生している。
警察側としても、次は都内のどこの駅で何時犯行が起きる。という特定などできなかった。
発生からおよそ2ヶ月が経ち、この事件の性被害者は100人を超えている。が、
これも被害者が届け出た件数としての数だ。被害届のない泣き寝入り件数を含めると膨大な数に上るだろう。その犯人像が全く掴めていない。
謂われなき妊娠に戸惑い、警察に駆け込む被害者少女らは口を揃えるかのように犯人を見ていない、という。まして車内で犯されていたことすら気付かなかったと。
そんなバカな話があるか!と思う。
刑事は事件を再考察する。
通勤通学の満員電車の車内で、しかもだ、膣に裂傷を負い、子宮口も腫れるほどの激痛に悶え苦しむ被害少女自身も、その場面に遭遇したはずの電車内にいた客すら犯人に全く気付かないなんて絶対あり得ないだろ、と。
警視庁は被害者が続出する通勤電車レイプ事件ことアベマリア事件捜査本部を早々に立ち上げるもレイプ犯に繋がる目撃者探しの捜査も、というより目撃者すら発見できずレイプされている本人すらレイプ犯の顔を覚えてないというこのミステリー事件の捜査は一向に進展しないでいた。
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