ボート 編
人生とは、ドコでどうなるか分からないモノである。
遊園地デートで、ボートとの運命の邂逅を果たした茂は、美智子とのデートの度にボートを漕ぐようになった。
そして徐々に、趣味から競技へと変わっていた。
あの遊園地デートの日、対岸で茂に熱視線を送っていたのは、ボート日本代表のコーチであったのだ。
のちに彼はこう語っている。
――あそこまで後ろ向きな奴は初めてだ――
鳴り物入りでボート界にバックステップした茂は、その持ち前の後ろ向きさをいかんなく発揮し、あっという間に日本代表の座を勝ち取った。
そして世界をも圧倒。とうとう、その頂へと登り詰めた。
喝采を浴び、表彰台の一番高い所に立つ。
燦然と輝く首元の金メダルよりも、汗に濡れた広い額が光り輝いていた――
オレが後退すればハゲない!! せんぶり @dreamjolf
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。オレが後退すればハゲない!!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます