閑話 リーリエの疑問
あうう・・・また忍様を好く女性が増えてしまいました。
獣人の女性であるチユリさんです。
チユリさんは、茶色の髪が長い獣人の女の子で、年齢は15,6位でしょうか?
小柄で顔立ちも大変可愛らしいのですが・・・同じ女性として見過ごせない特徴があります。
そう・・・大変・・・大変お胸が大きいのです!!
なんですかあれは!?
わ、私もそこそこ自信がありました。
こう言ってはなんですが、村では一番大きかったですし、サマーニャ様の元に来てからも、側付きの女性を含めても上から数える事が出来る程度には大きいと思います。
ですが!
こちらに来て、リュリュ、キョウカと私を超える大きさの方が来て、チユリさんです!
嘘でしょう!?
なんであんなに小柄なのにあのような大きさなのですか!?
その体格でキョウカと同じかそれ以上って反則でしょう!?
まぁ、チユリさん自体は好ましい性格をされていると思うのですがね。
今はまだ、はっきりと好きだと言える程自覚はされていないようですが、忍様の事を知れば知るほど思いが深くなるのは予想がついています。
忍様は魅力溢れる男性ですから。
ああ・・・なんでこれほど、忍様は女性の好意を持たれるのでしょうか?
ちょっと真剣に考えてみましょう。
まず、向こうの世界での事を思い返してみます。
忍様は、顔立ちは整っていて、ややもすれば優男、などと言われるかもしれませんが、切れ長の鋭い目や、細身なのにがっちりとした逞しいお身体がその印象を消しておられます。
まぁ、私はそこも素敵に思うのですが・・・人によっては怖いという印象を持たれるかもしれません。
現に、向こうの村に私が住んでいた頃、私以外にも年頃の娘は何人もいましたが、忍様に好意を持っていたのはいなかっ・・・いえ、本当にそうでしょうか?
こう言ってはなんですが、あの頃、私が忍様に好意を持っていたのは、あの村に住む女性は皆知っていたでしょう。
別段、他の男性に厳しくはしていませんでしたが、それでも忍様との距離は特別に近かったと思いますし、他の男性からの求愛、求婚を断る際には、はっきりと忍様をお慕いしているとは申し上げませんでしたが、私には好いている方が居て、将来を共にしたいと思っており、稀に会えるその方以外とは婚姻は考えていない、と説明しておりました。
”稀にしか会えない男性”という方は、村に住んでいらっしゃらず、月に一度か二度しか村に来られなかった忍様しかありえませんから、おのずと誰の事を言っているのかはわかったでしょう。
その後、私にアプローチした方々が忍様を見る目がそれを物語っておりましたから。
・・・忍様には申し訳ないと思いましたが、私としてもそうせざるをえなかったのです。
ですから、村の女性や、若い男性は私の想いを知っていたのです。
何度も皆様に指摘されたこともありますしね。
なので、他の娘達は忍様に言い寄る事は無かった・・・いえ、そう言えば、遠目に忍様とお話されている娘を何度か見たことがあったような・・・
・・・もしかして、狙っている娘が他にも居たのかしら?
・・・うう、なんという事でしょうか。
私のせいで、その方々にも迷惑をかけてしまっていたのかもしれません。
あの、愚かな村長家族と私の両親のせいで、忍様は村に来れなくなってしまいましたから・・・
申し訳ない思いでいっぱいです。
・・・あら?
そうすると、忍様の現在の女性に対する状況は、なるべくしてなった、という事に・・・
私は、忍様のスキルを見ます。
・・・やはり、女性の好意を上昇させるようなスキルや称号は見当たりません。
・・・はぁ、まぁ、仕方がないのでしょうね。
忍様はそれほど魅力的な男性だと言う事なのですから。
むしろ、自分の男性を見る目に間違いは無かったと思っておきましょう。
それにしても、あれからそこそこ経ちますが、サマーニャ様の調査はまだ終わられないのでしょうか?
それとも、何か問題でも起きたのでしょうか?
こちらからも一応緊急連絡を取る事は出来ますが、お忙しいサマーニャ様を急かす訳にも行きません。
現に、その調査結果によってこの世界の行く末に影響を及ぼす、というような緊急性は無いのですから。
私は、私として色々分かる範囲で調べ・・・?
あれ?
これ・・・表示されていませんが、忍様の称号欄にもう一つ称号がありますね。
隠し称号?
グレーアウトしていた称号は【勇者の子】でしたが・・・この、表示されていない称号はなんでしょうか?
私は、管理室内の操作盤でいくつか操作をしてみます。
・・・管理者の権限、もしくは、全権委任者の許可が必要?
あ、私の権限でもいけそうですね。
どれどれ・・・って!?
サマーニャ様!?
なんでこんな・・・!!
って、そうですよね・・・サマーニャ様の目的の為には必要ですか。
うう・・・複雑ぅ・・・
ああ・・・忍さん!早く私をそちらに現界させてくださ〜い!!!
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