閑話 リーリエ心の叫びと疑問
ふぐぅ
なんという事でしょうか!?
また一人増えてしまいました!!
ううう・・・このままでは忍さんも絆されてしまうかもしれません!!
だって、レイリーもリュリュもキョウカだって、とても綺麗で魅力的なんですもの!!
特にキョウカ!
なんですあれ!?
豪快な姐御肌と思いきや、すっごく乙女なところがあるじゃないですか!!
ズルいです!!!
照れているところなんて・・・きぃ〜っ!悔しい!!腹が立つ位に可愛いじゃないですかっ!!!
このままじゃまずいです!!
でも、忍さんはまだスキルを一つだけしか手に入れていません!!
私はまだ現界出来ないんです!!!
・・・いえ、本当は分かっているんです。
私が確実に現界出来るとは限らないということは。
元々サマーニャ様にはそう言われていたのだし。
苦しいとは聞いていましたが・・・切ない・・・
・・・はぁ。
現実逃避はやめましょう。
私は、忍さんを支えると心に誓ったのです。
だから、魅力的な女性達が忍さんの
私は彼女たちと違って、戦うことなんかは出来ませんから、それ以外でお助けしないと。
今、一番重要な事は、忍さんが、いえ、お義母様である玲奈さんとお義父様である岩男さんが、勇者と鬼族であったという事です。
調べてみた限り、忍さんはその二人の血縁者である事は間違いありません。
この事を、サマーニャ様は知って居られたのでしょうか?
私がサマーニャ様と会う機会はほとんどありません。
あの方は、基本的には本来あの方が管理されている世界にいらっしゃるのですから。
ですが、あれから半年ほど経っています。
そろそろ様子を見に、おみえになってもいい頃だとは思うのですが・・・
それまでに私が疑問に思っている事をまとめておきましょう。
大まかには3つですね。
・何故勇者である玲奈さんがこの世界に来たのか
・どうやって岩男さんを連れてサマーニャ様の世界に戻ったのか
・そんな力を持ちながら、何故崖の崩落程度で亡くなっているのか
でしょうか。
一点目は、この世界に召喚されたのか、それとも迷い込んだのかによって事情が異なるでしょう。
召喚されたのであれば、誰が召喚したのか、迷い込んだのであれば私と同じ様に次元穴でしょうが、他にもありえるかもしれませんし。
玲奈さんの言葉から考えるに、迷い込んだ可能性の方が高いでしょう。
・・・しかし、いずれにせよ、この鬼の物語やゴウエンへの伝言にあった通り、先祖からの申し送りで【勇者】と名乗るな、というのはよくわかりません。
まるで、その先祖は【勇者】がどういうものかよく知っているような・・・
サマーニャ様の世界に、そんな存在はいなかった筈ですが・・・
二点目、こちらも不思議です。
基本的に、召喚されたら目的を達成した場合、自動で帰還させられる筈ですが、勇者召喚の場合はその限りではありません。
送還の魔法を使わなければならない筈です。
その場合、誰が使ったのかも重要ですね。
しかしここで一つ、更なる疑問があります。
玲奈さんはこの世界には無い魔法・・時空間魔法というのを使ったようです。
私の知識でははっきりとはわかりませんが、それはサマーニャ様の世界にも無かった筈、というか魔法そのものが無かったと思うのですが・・・どうやって使えるようになったのでしょう?
空間と名前に入っていますし、自力で戻った可能性も捨てきれません。
もし、元々使えたと仮定しても、すぐに帰らなかったのも頷けます。
優しい玲奈さんの事です。
魔王に苦しめられていたこの世界の人を放っておけなかったのかもしれません。
そしてもし自力で帰ったのであれば、岩男さんが居るのも理解できますね。
・・・そう考えてみると、一点目の疑問は二点目に続いているのかもしれません。
三点目・・・これも本当にわかりません。
忍さんから生前に聞いた話では、14歳位の時に、崖崩れに巻き込まれてしまったという事でしたね。
しかし、遺体は見つからなかった、と。
・・・やはりおかしいですね。
当時は疑問に思いませんでしたが、忍さんは熊ですら肉弾戦で倒せる程力を持っていたとの事です。
であれば、ある程度の捜索や、岩をどかしたり壊したりは出来たのでは無いのでしょうか?
現に、その後も私のいる村に買い物に来たりはしていたのですから、道は整備した筈ですし。
にも関わらず見つからなかった・・・
引っかかりますね。
ですが、その資料は流石にここにはありません。
向こうにいた時に調べていたら・・・悔やまれます。
そして、もし二人が生きていた場合、何故忍さんを一人にしたのか。
あの方々は、忍さんをとても愛していました。
捨てるような事をするとは思えません。
やむを得ぬ事情があったか・・・不測の事態に陥っているか。
そのどちらかだと・・・
「百合〜?来たわよ〜?どんな感じ〜?」
!?
サマーニャ様です!!
「サマーニャ様!教えて下さい!あのですね!!」
「ちょ!?な、何よ急に!?」
驚いているサマーニャ様に私は詰め寄りました。
******************
これで今章は終わりです。
いかがだったでしょうか?
物語の構成上、どうしても長い章になってしまいました。
次はさて・・・どんなお嫁さん候補となるのか(笑)
そして謎が少しづつ解かれていくのか!?
お楽しみに
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