後日談という名の答え合わせ

 …………あら、こんにちは。


 誰って?


 私よ私、黒瀬日和。


 さて、まぁ薄々気付いている人もいると思うけれど、この話にはオチというか、落ちがあるわ。


 何のことだって?


 しょうがないわね。


 一応ヒントは言っておくけれど、正直分かりやすいから自分で見つけた方が面白いと思うわ。


 それじゃあヒントね。


 私が屋上に向かう為に鍵を盗んだのだけど、私が取ったのは三つ目の鍵よ。


 二つ目は未来が、一つ目は先生が言っていた通り先日盗まれたわね。


 返さないと後で怒られちゃうから、返却するなら速くしないとね。


 ちなみに、未来が二つ目の鍵を取った理由は貸し出し可能な鍵が二つ目までだからよ。


 私が取った物は原則生徒には貸せないの。


 まぁそれはさて置き、私は屋上に向かう途中にとある違和感を覚えたわ。


 ほんの少しだけ、被った埃がない場所があったの。


 まぁ特に気にしていなかったわ。


 風が吹いたのか、もしくは先生の誰かが通ったのか、そんなところでしょう。


 屋上に登った後の私はフェンスを調べると、壊れる割には少し頑丈だったわ。


 未来のような平均的な男性が躓いたくらいではびくともしないくらい。


 一体彼女はどれだけの力で突撃したのかしら。


 全く、落ち着きを持って生きたいものね。


 さて、ここからは更に確信に迫るわ。


 果穂と舞だったかしら?


 あの二人とても親密そうね。


 まるで私と未来のよう。


 だけど不思議ね。


 かなり毛色が違うというのかしら?


 少し凸凹感を思わせるけど二人は、どこか違和感を覚えるわ。


 騒がしい舞を怒る果穂、相手に威圧感を与える舞を宥める果穂、まだ話している途中であるにも関わらず話を中断させる舞。


 少し大変そうね。


 まぁ友情の関係なんて人それぞれ、ここに深入りするつもりはないわ。


 そういえば果穂は未来の占いに随分と興味津々だったわ。


 屋上に危険があると伝えると、凄く興味を持っていた。


 まるでフェンスが壊れかけていることを知っているかのような態度ね。


 壊れかけてのフェンス、確か舞にここからの眺めが綺麗だと教えたのは果穂だったわ。


 随分と嫌な偶然もあったものね。


 それに屋上に来る時間もかなり速かったわ。


 鍵が盗まれたせいでその日は警備が厚くなっていた。


 にも関わらず未来が教室に移って数分足らずで屋上まで行ったのは不思議ね。


 もし前日に盗まれた鍵を持っていたのなら話は別なのだけど。


 さて、ここまで聞いたならもう気付いたでしょう?


 あまり高尚とは呼べないものだけど、まぁ軽い暇つぶしにはなったわ。


 次に起きる何かは、果たして私を楽しませてくれるのかしらね。


 あぁ……そういえばもう直ぐ、テスト期間だったわね。

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未来が見えるようになったけど、なんかヤバい事件しか起きない @NEET0Tk

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