6 紅葉も色づく季節の放課後

 一馬は仕事帰りに公園を歩いていたところ、夕暮れの中ベンチで座る男女がいた。ロボットが休憩とは珍しいなと思いよく見るとタケルとサツキだった。笑顔で談笑している二人の手は繋がっていた。邪魔しては悪いと思いすぐにその場を去った。


 一馬は白衣の男に呼び出されていた。定期的なヒアリングだ。

 ロボットはどうだと聞かれると

 「最近は感情が強く育ち、感情をコントロールすることもできます。人間らしくなって来ました」と一馬が答えると、素晴らしいと言われた。

 「この一年が終わったらクラスはどうなるんですか」と聞くと

 「解散だ。彼らは情報を抜き、スクラップになってもらう」と言われた。

 一馬は「それはあんまりだ。愛着もあるし。なんとかならないか」と応じる。

 押し問答が小一時間続いたのち「考えておく。この後も予定があるのでね」と残して去って行った。

 遣る瀬無い思いもあったが、自分の生徒は絶対に壊させないと心に誓った。

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