7 雪がちらつく季節の理科の時間

生命について教える。

ある男子生徒が言う。

「人間は毎日他の生物の命を取っていました。いいんですか。」

 それを聞いてタケルは

「そうだそうだ。単純な数なら人間一人より他の生物複数じゃん」と言った。

 長い話になると前置きして一馬は話した。

「生きるとは人間だけの営みじゃないんだ。生命は循環している。人間に食べられたら人間の一部となり生きていく。そして人間の一部として活動する中でまた他の生物のためになっている。大切なことはかけがえのないものを、理解し、その生命に感謝をすることだ。君達ももちろん循環の一部だ」

 この時、一馬はこの生徒たちのこの先を考えた。絶対壊させるわけにはいかない。

「もし君達の身に危険が迫ったらちゃんと対処するんだ。大切なことは教えた。君達自身もかけがえのない命だし、俺の大切な生徒だ」一馬は言った。

 「先生大げさだよ」と女子生徒が言うとみんな笑った。

 ツバサだけが俯いていた。

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