没話 頭罰ゲームか?
書いたはいいけど、毎話毎話メインストーリーからかけ離れたモブをバカスカ増やしすぎではないかということで没にしたお話。消すのは勿体無いので載せました。
キャラ自体は気に入ってるのでまた機を見て登場させるかもしれません。どうぞこれからもよろしくお願いします。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ぐ、ぐるじい…」
「それ見たことか。」
二軒目三軒目四軒目と次々に名物グルメを平らげた私のお腹はぱんぱんだ。いやはやどれも素晴らしい一品でした。やっぱりご飯はいいね。お父さんやお母さんにも食べさせてあげたいなぁ。
しかし、いかんせん苦しい。
お腹を押さえて苦しんでいると、カタラナさんが瓶入りの胃薬をくれた。ダースで。
あれ?馬鹿にされてる?
私がジッ…と素知らぬ顔でそっぽを向くカタラナさんを見つめていると、地図を見ながらほむほむ言っていた困り眉ショタことカリオくんがこちらに目をやる。
「えと、食べ歩きは一旦終了で次は冒険者ギルドに行くみたいです!」
「ほう。冒険者ギルドか。私も少し興味があったのだ。」
そう言ってふんす、と鼻を鳴らし興味を示すカタラナさん。
冒険者ギルドか〜。エランソが毎日のように話してたからよく覚えてるよ。なんでもダンジョンっていう迷宮に潜ったり、凶暴な魔物を狩るのがお仕事らしい。大変そうだよね。そして、エランソはそんな冒険者の中でも一番偉い特級冒険者っていうのに憧れてたみたい。何が違うのかな?よくわかんないや。
「でも冒険者ギルドって一般人が行っても大丈夫なの?」
「はい!依頼を出す為にギルドに行くこともありますから!」
「ふーん、でも見物目的ってどうなのかな?」
「うーん、と、ど、どうなんでしょう。」
流石にわからないか。あ、そんなに申し訳なさそうな顔しないで。当たって砕けろの精神で行こうぜ!
人で賑わう商店街を突っ切って、王都の南側に位置するのが冒険者ギルドを筆頭にした職人街。
カンカンと鉄を叩く音や木を斬る軽快なリズムが耳に心地いい。
ただ東の方と違って、なんだか柄の悪い印象の人が多いかな?筋肉ムキムキの上半身裸のお兄さんたちがガハハと笑い合いながら仕事をしている。
そんな職人たちの間を抜けて行くと、一際大きな建物がでんと構えていた。
「ほう。なかなか見栄えは悪くないな。」
「ほえー。これが冒険者ギルドかー。エランソの奴に自慢できるよ!」
今度会ったら散々自慢してやろう。
そう思い、私たちは正面ドアを勢いよく開いた。
ギヌロ!!
ギルドのドアを開けた途端、鋭い視線がいくつもこちらに飛んでくる。
なんか職人の兄ちゃんたちよりも荒くれって感じの連中ばっかだな。
エランソが話してた通りだ。確か冒険者ギルドに登録に行くと、柄の悪いおっさんたちに睨まれたり、かませ犬がちょっかいかけて来るとか!ちょっと楽しみだね!
そんで登録の時にすごい実力が判明して、周りのおっさんたちがす、すげえ!ってなるのがお約束らしい。
まあ、今回は登録するわけじゃないからす、すげえ!って反応は見れないかな。ちょっぴり残念。
そんな事を思っていると、青い長髪の男の人がこっち目掛けて一直線にやって来る。お?かませ犬か?
そしてそいつは、カタラナさんの手を取るとキラキラした目を彼女に向けた。
「はぁん。やあ、美しいお嬢さん。はぁん。もしかして冒険者志望かい?あはぁん、それならばこの俺、金級冒険者の『美剣士』サルサ・ロンデリーサが優しくエスコートしてあげるよぉん?ははぁん。」
何このクソキモナルシスト剣士は。先程から一言発する度に決めポーズをとっている。青い長髪を執拗にバッサバッサと触り倒す彼は、カタラナさんの腰に手を回そうとした。しかし、彼女はそんな彼の手を押さえて毅然とした態度で言葉を返す。
「触れるな下郎。私は冒険者志望ではない。」
「はぁん。ならば依頼かぁい?ふぅん。いいよ、この俺が特別価格で受けてあ・げ・る⭐︎」
バチコーン⭐︎
そう言ってウインクをかますサル…サル…何て名前だっけ?頭おサルさんだったっけ。
いやーキツイね。しかも、全然カタラナさんの言葉に堪えた様子はない。
むしろ、燃え上がるといった様子だ。そんな彼の取り巻きらしき女の人たちが3人、こっちに来たかと思うと彼の周りを取り囲む。
「もうサルくんったら!また色目使って〜!」
「そうですわよ!サル様にはもう私たちがいると言うのに!」
「サル…ち○こ捥ぐ…。」
やっぱりサルじゃないか。しかも、ハーレムじゃん。なんだこれ。神様が目瞑ってこいつの設定決めたの?
3人の女の子に囲まれた青髪ハーレムは悲しげな表情で前髪を弄る。
「はぁん。おやおや俺の愛しい天使たち…。ふぅん。罪深き俺を許しておくれ。ほほぉん。駄目だよ…そんな凄い力でチソチソ引っ張ったら…。ひひぃん。取れちゃう取れちゃう。」
3人目の女の子に思いっきり股間を下方向に引っ張られる青髪。生まれたての羊みたいに足腰をガクガク言わせながら『美剣士』の『美剣士』がめちゃくそ引き伸ばされてる。
そんな彼を見て、周りの荒くれ冒険者どもも股間を押さえながら縮こまっていた。
カリオくんなんか一緒になってガクガクしていた。かわいいね。
ーーーー
「はぁん。なんだ見学だったのかい。それなら早く言ってくれたら良かったものを。ほぉん。」
超内股でやれやれ、と頭を振るサル。そんなイカレポンチの取り巻きこと3人の女性たちは彼と違い、きちんと話が通じた。
活発そうなショートカットの巨乳のお姉さんがアンナさん。サルの幼なじみらしい。
実力はあるがちょっぴり?お馬鹿なサルが心配で共に冒険者になったんだって。
金髪縦ロールのお嬢様っぽいペチャパイがコロネさん。どうやら以前、高慢で冒険者を馬鹿にしていたお嬢様だった彼女だがサルに命を救われたことで改心し、それ以来、彼について行くことを決めたらしい。
最後の無表情系銀髪ロリがサシャちゃん。元暗殺者でサルの命を狙っていたが、暗殺者組織の言いなりとなっていた彼女を救うため、サルが瀕死の重傷を負いながら組織を壊滅に追い込んだらしい。それ以来、彼に付きまとっているようだ。
………何だこいつ。主人公かな?
私は半目で青髪ハーレムことサルを睨む。
すると、おやおや、と彼は頭を押さえながら首を振る。
「罪深きは俺の美か…。はぁん。このような年端のいかない少女まで虜にしてしまうとは、俺の美が憎い…!ふぅん。」
頭罰ゲームか?
青髪ハーレムがそんな事を言っていると、サシャちゃんが無表情で彼に近づく。
「おやぁ?はぁん。どうしたんだいサシャ?」
「…サル。乳首千切る…。」
「ほほぉん!」
わお!痛い痛い。サシャちゃんはサルの両乳首を服の上からもぎ取ろうと全力で引っ張り出した。すげえ!熱々のチーズみたいに伸びてるしなんかギチギチ言ってる!
そんな乳首を捥がれそうな青髪ハーレムは仰け反りながらもなおカッコつけている。すげえなコイツ。
「わ!わ!乳首ってあんなに伸びるんですの!」
真っ赤になって手のひらで顔を覆うコロネさん。あっ、指の隙間からチラ見してる!
こういうの好きなのかな?お嬢様って性癖歪んでるイメージあるよね?え?ない?私だけ?
「こらサシャ!女の子がそんなことしたら駄目だよ!はしたないって思われちゃうよ!」
「…わかった。」
ぱちィン!
「ほおん!」
アンナさんに言われ、渋々乳首から手を離すサシャちゃん。はしたないとかそう言う問題なんだ…。サルのやつ全然心配されてないな。
「ほ、ほぉん。それで?何が見たいのかなぁ?」
両乳首を押さえながらサルはずずいと顔を寄せて来る。うおぉ。顔の圧が凄い…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます