第26話 ラウルの赤い糸(後編)

 再びルミナがラウルの元を訪れた日、彼は緊張気味に彼女のことを相談室へと迎え入れた。念のため、ルミナから一定の距離を取っているラウルに向かって、彼女は不服そうに顔を顰めた。


「あら。ラウル様の前世の記憶は、まだ戻ってはいないのかしら」

「残念ながら、そのようです」


 ルミナに椅子を勧めながら、ラウルも彼女と机を挟んだ椅子に腰を下ろした。

 彼の話を聞いたカトリーナは既に、ルミナが確かに隣国のティリー公爵家の長女であることの裏を取っていた。しかも、ルミナの星読みが当たる確率は、かなり高いと評判なのだという。

 ラウルは、注意深く目の前のルミナを見つめた。


(カトリーナは、彼女の言葉には『真実と嘘が混じっている』ようだと言っていたけれど。真実というのは、彼女の身分のことを指すのかな? それとも、荒唐無稽に聞こえる彼女の前世の記憶にも、真実が含まれているのかな……)


 隣国の公爵家の長女、しかも誰もが羨むような美貌の持ち主でありながら、わざわざ嘘を吐いてまで、出自が平民の自分を迎えに来た理由が、ラウルには思い浮かばなかった。仮に神官としての自分の力を評価されているのなら、前世の話などを持ち出されるよりも、そう真正面から言われた方が、余程納得がいく。それに、前世で彼女と恋仲だったと言われても、ラウルにはざらりとするような違和感があった。

 ルミナを警戒している様子が滲み出ているラウルの姿に、彼女は一つ溜息を吐いた。


「期待していたのに、がっかりしたわ」

「申し訳ありませんが、僕には前世の記憶というものは思い出せないようです。今日は、貴女のお話は伺いますが、ほかに僕にできることは何もないと思います」


 淡々とそう答えるラウルの前で、ルミナの表情に失望が滲む。


(この私を前にしても、今日だって表情一つ変えてはくださらないのね)


 前世の記憶など、そうそう思い出せる者などいない――それは、彼女も十分に承知していたし、それをラウルに求めてもいなかった。むしろ、彼女にとって、それはラウルに会うための口実にすぎなかったのだ。そんなことよりも、道行く者が振り返るような自らの美しい容貌と、優れた地位と権力、そして潤沢な資金をちらつかせれば、貧しい平民出身の彼を頷かせるのはさほど難しくはないだろうと、彼女は当初そう踏んでいた。

 しかし、初めてラウルに会った時、彼女の思惑は外れた。瞬く間に相手の容姿に目を奪われたのは、ラウルではなく、ルミナの方だったのだ。確かに彼に会いたいと焦がれてはいたものの、これほど心が揺さぶられるとは、彼女も想像してはいなかった。

 この日の彼女も、神殿に来るには場違いとも言えるような、身体のラインが露わになった、人目を惹く淡い水色のドレスを身に纏っていた。ただ、そんな彼女にもラウルが何の反応も示さないことに苛立っていた。


「……ラウル様が神殿に来るよりも前に、私が貴方様を見付け出せていたのなら、何かが違っていたのかしら」


 彼女が呟いた言葉に、ラウルは背筋に冷たいものが下りるのを感じた。ラウルが実家にいた時に、もしルミナが彼の元を訪れていたのなら、彼は、家族から直接彼女に売られていたとしても不思議ではなかったからだ。

 けれど、彼は首を横に振った。


「いえ。僕は、運命に導かれてこの神殿に来たのだと信じています。ですから、貴女といつ出会っていたとしても、関係ないと思います」

「そうかしら」


 彼女は悲しげにラウルを見つめた。


「ねえ、私のどこがいけないの?」


 ぴくり、とラウルの肩が揺れた。なぜか、どこかで聞いたことがある台詞のような気がしたからだ。

 彼は自分を落ち着かせるように深呼吸をしてから、目の前のルミナを改めて見つめた。


 流れるような蜂蜜色の髪に、やや吊り上がった大きな空色の瞳。色気のある薔薇色の唇は、今はきゅっと引き結ばれている。さらに、豊かな胸と引き締まった腰を強調するようなデザインのドレスを、彼女は見事に着こなしていた。確かな自信と気の強さが感じられる華やかな容貌は、自国では、さぞかし持て囃されているのだろうと感じられた。


「貴女に不満があるのではなく、僕には他に想いを寄せる女性がいるという、ただそれだけの話です。むしろ、貴女はどうして僕のところへ? 僕には、前世のことはわかりませんが……前世になどこだわらなくても、貴女ならきっと、自国で十分に幸せになれるでしょう?」

「どれだけ多くの男性たちから愛を囁かれたって、それが私の愛する方でなかったら、何の意味もないもの。虚しいだけよ」


 彼女は焦点の定まらないような遠い瞳を彼の方に向けると、ぽつりと呟いた。


「あんな地味な女より、私の方が遥かに魅力的じゃない」

「えっ?」


 彼女が何を言っているのかわからず、ラウルは困惑気味に瞳を瞬いた。


「さっき、焦げ茶色の長い髪をした神官の女性が、立派な美しい騎士様と一緒に、楽しそうに話しながら歩いていたわよ」

(きっと、カトリーナとアイザックさんのことだな。アイザックさん、いつの間に神殿に来てたんだろう……)


 さっと表情を翳らせたラウルに、ルミナは続けた。


「あんな方、ラウル様には相応しくないわ。美形の騎士様にぴったり横に付き添われて、満更でもなさそうな顔をしていたもの。いっそ、あの騎士様にあげてしまえばいいのに」


 普段から愛想のよいカトリーナが、アイザックに対しても、いつもの通りにこにことしていただけだろうと想像しつつも、ラウルの胸は騒いだ。実際のところは、どこか表情の晴れないカトリーナを見かけたアイザックが、心配して彼女に声をかけただけだったのだけれど、ルミナはそんなことにはお構いなしだった。

 口を噤んだままの彼の内心を読み取ったかのように、ルミナは悔しげに唇を噛んだ。


「また、あの女だなんて」

(……『また』って、どういうことだろう?)


 ルミナが紡ぐ言葉は、ラウルにはわからないことだらけだった。彼女は瞳を潤ませると、ゆらりと椅子から立ち上がった。


「私の方が、ずっとずっと長い間、貴方様のことを好きだったのに」


 彼女の口調ががらりと変わり、まるで別人のような声になっていることに、はっとラウルは気付いた。


(これは……)


 彼が異変を感じ取った時には、ルミナは素早く身を翻して駆け出していた。ラウルもすぐに彼女を追い掛けて部屋を出たけれど、立ち並ぶ太い大理石の円柱に遮られ、彼女の姿は既に見えなくなっていた。ヒールで駆ける靴音が、遠ざかりながら響いてはいたけれど、高い天井のホール内に靴音がこだまし、その場所を特定することは難しかった。


(くそっ。何で気付かなかったんだ)


 ラウルの頭の中で、警報が鳴り響いていた。


(僕は、カトリーナのことが好きだなんて、彼女に一言も告げてはいない。それなのに、どうして彼女は、僕の想い人がカトリーナだとわかったんだ?)


 ルミナがラウルのことを調べた際に、何らかの情報を得ていた可能性も考えられたけれど、彼には、そこには何か違う理由があるような気がしていた。

 まるで声音も雰囲気も別人格に変化したようだったルミナを前にして、ラウルの第六感が告げていた。


(あれは、もしかして、前世の彼女の人格……?)


 彼の胸の奥が、ざわざわと音を立てた。


(もしかして、前世の彼女は、僕だけでなくカトリーナのことも知っていた? ……何だか、嫌な予感がする)


 いつもなら、カトリーナの隣にアイザックがいると、微かな嫉妬を覚えるラウルだったけれど、今は彼がカトリーナの側にいることを願いながら、ラウルはカトリーナとルミナを探して全力で走り出した。


***


 アイザックと少し話してから別れたカトリーナは、神殿の最上階にあるバルコニーに出ると、高台にある神殿の奥に広がる森を見下ろしていた。

 広大な緑の森の中には、深い青色の湖が佇んでいる。その美しい眺めからは、長い歴史を通じて神殿を見守って来た、雄大な自然が感じられた。

 カトリーナはゆっくりと深呼吸をした。彼女にとって、このバルコニーは、ゆっくりと考えごとをしたい時に訪れる場所だった。滅多に人が来ることのないこの場所は、一人で静かに過ごすにはうってつけなのだ。


 ぼんやりとバルコニーからの景色を見下ろしていたカトリーナの耳に、背後から、カツン、カツンという、高いヒールの音が聞こえてきた。

 靴音に気付いたカトリーナが振り返ると、そこには暗い表情をしたルミナの姿があった。


「……ルミナ様?」

「また会ったわね」


 冷ややかな口調でそう言った彼女は、バルコニーの手摺りにカトリーナを追い詰めるように、じりと迫った。


「どうして、あなたなの? 私は、彼を想うだけでこんなに胸が苦しいのに……」


 カトリーナははっとしてルミナを見つめた。先日カトリーナが見掛けたルミナとは異なり、何かに取り憑かれてでもいるように、彼女が一種異様な空気を纏っていたからだ。強い念のようなものを感じたカトリーナの視界が、突然揺れた。


(……!)


 ルミナが手が届きそうな距離までカトリーナに近付いた時、まるで映像のように、色鮮やかな場面がカトリーナの目の前に浮かび上がった。

 それは、一人の美しい少女が、憎しみに顔を歪めて、年の頃は同じくらいと思われる少女を、崖から突き落とす場面だった。

 映像の中の美しい少女の顔が、瞳に狂気を含んだ目の前のルミナの顔に重なる。ルミナは、すうっと青ざめたカトリーナに向かって微笑んだ。


「私のこと、覚えているかしら」


 カトリーナは小さく息を呑んだ。


(私の前で喋っているのは、ルミナ様? それとも……)


 さらにルミナに一歩近付かれ、カトリーナはそろそろと後退った。彼女の背中が、冷たい石の手摺りに触れる。

 不思議な熱を帯びた瞳で、ルミナはカトリーナを見つめた。


「私、幼い頃から、ずっと彼のことが好きだったの。子供の頃、彼の一番近くにいたのは私だった。親同士も親しい間柄だったし、将来は彼と一緒になるのだと、そう信じて疑ってはいなかったわ。彼に相応しくいられるように、自分を磨くことだって怠らなかった」


 カトリーナが見た映像の中の少女も、恐ろしい表情をしてはいたけれど、はっとするほど美しかった。

 ルミナの言う「彼」が前世のラウルを指しているようだということに、カトリーナは気付いた。黙ったまま話に耳を傾けていたカトリーナに、ルミナは続けた。


「それなのに……」


 ルミナの顔が、身の毛のよだつような形相に歪む。


「突然現れたあなたが、私から彼を奪っていった。たまたま、仕事先で傷付いた彼に手を差し伸べたのがあなただったからって、彼の瞳にはあなたしか映らなくなった」


 ルミナの瞳いっぱいに、零れそうなほどの涙が浮かんだ。


「大好きな彼から、あなたと結婚するんだって、そう嬉しそうに言われた時の私の気持ちがわかる? 容姿だって家柄だって、私があなたに劣っているものなんて、何一つなかったのよ。……あなたさえいなければ、よかったのに」


 彼女が言葉を言い終えたのと、その手がカトリーナに伸ばされたのが同時だった。

 けれど、ルミナの手が勢いよくカトリーナを突き飛ばそうとした瞬間、カトリーナの耳に聞き慣れた声が届いた。


「カトリーナ!」

「ラウル……」


 ルミナは彼の声に一瞬怯み、伸ばしかけていた手を止めた。息を切らして駆けて来たラウルは、カトリーナを背中に庇うようにして、素早く二人の間に割り込んだ。


「彼女に手を出したら、絶対に許さない」


 これほど激しい怒りを浮かべたラウルを見るのは、カトリーナも初めてだった。ルミナは一歩後ろに下がると、力なくがくりと膝から崩れ落ちた。その瞳からは、ぼろぼろと涙が零れ落ちている。


「カトリーナ、無事でよかった」


 安堵のあまり、ラウルはカトリーナを抱き締めた。そんな彼が、ルミナには、前世のラウルの姿に重なって見えていた。


「わ、私は……」


 泣きじゃくり始めたルミナを見下ろしたラウルの脳裏を、遥か遠い景色がよぎっていった。

 それは、妹のように可愛がっていた少女が、自分の愛する女性を崖から突き落とそうとしている、心臓が凍りつくような場面だった。

 崖から突き飛ばされた大切な女性を追って飛び降りた彼が、彼女の身体を必死に両腕に抱き留めたところで、ふっとその記憶は途切れた。


(そうか。これは、僕の前世の記憶)


 確信めいた感覚が、ラウルにはあった。

 そこから遡るように、ラウルはするすると記憶の糸を辿ることができた。幼馴染の少女と一緒に過ごした幼少時代。どこに行くにもついてきた天真爛漫な彼女を、本物の家族のように思っていたこと。結婚を彼女に告げた時、私のどこがいけないの、と縋られて、ぼろぼろと涙を流す彼女に、結局何も言えなかったこと。


 彼女が自分の愛する女性を崖から突き落とすのを見た時、胸に浮かんだ激しい後悔までもが、ラウルには手に取るように思い出せた。

 そして、カトリーナが言っていた、ルミナの言葉には『真実と嘘が混じっている』ということの意味を――何が真実で何が嘘だったのかを、ラウルははっきりと理解していた。


(彼女が言っていた前世の話は、確かに本物だった。けれど、僕が愛していた相手は、彼女じゃない)


 ラウルは腕の中の温もりを確かめるように、再びぎゅっとカトリーナの身体を抱き締めた。そして、胸の中に棘のように刺さる後悔も、またひしひしと感じていた。

 揺れるラウルの瞳を見つめて、カトリーナは彼の気持ちを見透かしたように小さく頷いた。彼もカトリーナに頷き返すと、そっとルミナに話し掛けた。


「前世の君に伝えられなかった言葉を、どうか聞いて欲しい」


 ルミナははっとしてラウルを見上げた。彼の声が、前世の彼と同じ、低く柔らかな響きを帯びていることに気付いたからだ。

 彼女に届くようにと願いながら、ラウルは続けた。


「僕は、君のことを本当の妹のように、大切に思っていたんだ。君の気持ちに応えられず、すまなかった」


 彼女の瞳が瞠られる。それは、前世の彼女が最も望んでいた言葉ではなかった。けれど、決して許されないことをしてしまった自分を、彼が確かに大切に思っていてくれたのだということに、救われるような思いがしていた。


「僕のことを好きでいてくれて、ありがとう」


 ルミナの瞳から、澄んだ涙が溢れ出す。前世の自分は、彼に正面から向き合って欲しかったのだと、そう胸に落ちる感覚があった。


 ラウルに彼女が話した通り、特別な星回りが訪れた時、彼女は雷に打たれたかのように、突然前世の記憶を思い出していた。そして、胸に甦ってきた焼け付くような激しい嫉妬と共に、憎い恋敵を崖から突き落とした時の手の感触に、激しい恐怖も覚えていたのだ。

 誰より愛する人の姿が、恋敵を庇って一緒に崖下に見えなくなった時の絶望にも、彼女は幾晩もうなされていた。


 ルミナは、重い鎖からようやく身体が解き放たれたような気がしていた。憑き物が落ちたような彼女の顔を、カトリーナは静かに眺めていた。

 その時、彼らの後ろから声が響いた。


「穏やかじゃない場面だったな。カトリーナ、彼女をどうする?」


 はっとしたように、カトリーナとラウルが声の主を振り向いた。


「……アイザックさん、見ていたの?」

「ああ。鬼気迫る勢いで走って行く君が見えて、思わず後を追い掛けたんだ。カトリーナも、さっきはどこか浮かない表情をしていたから、何だか気になってね」


 彼の視線がルミナへと移る。未遂とはいえ、カトリーナをバルコニーから突き落とそうとしていた様子を見られた彼女は真っ青になっていた。

 カトリーナは、何事もなかったかのようににっこりと笑った。


「これは、除霊の一環のようなものです。彼女には、前世の強い念が消えずに残っていたのですが、ラウルがそれを祓ってくれたのです。私はその手伝いをしただけですから。……ね、ラウル?」

「う、うん。そうだね」


 咄嗟に口裏を合わせたラウルを見て、アイザックは息を吐いた。


「まあ、カトリーナがいいというなら構わないが……」


 バルコニーの床に座ったままのルミナの胸元に輝く、星型の彫り込まれたペンダントを認めて、アイザックは目を瞠った。


「まさか、貴女はあのティリー公爵家の……?」


 無言で頷いた彼女を前にして、国家間の外交にも駆り出されることの多い彼は、思わず眉を寄せて呟いた。


「このまま要人を放っておく訳にもいかないな」

「アイザックさん。悪いけど、この場はお願いしてもいい?」

「は?」


 ラウルは軽くルミナに手を振ってから、カトリーナの手を引いて走り出した。


「おい、お前……これは貸しにしておくからな!」


 アイザックの声が遠くなる。ラウルは、温かな手の感触を感じながらカトリーナを振り返った。彼女は戸惑ったように彼を見つめていた。


「ええと……今走る必要って、あるのかしら?」

「うん。僕の我儘だとわかってはいるけど、今だけは、どうしてもカトリーナと二人きりになりたくて」


 愛しい人と再び巡り合えた奇跡に、そして確かに彼女が自分の側にいることに、ラウルは胸がいっぱいになっていた。

 走る速さを少しずつ落としながら、彼は尋ねた。


「アイザックさんが、さっきはカトリーナが浮かない顔をしていたって言っていたけれど、何かあったの?」

「それは……」


 カトリーナの頬が薄く染まる。


「ルミナ様のことを調べていた時、あなたを夫に迎えて隣国に連れ帰ろうとしていると知って、少し不安になっていたの。あなたがいない神殿は、私にはもう想像がつかなくて」

「……!!」


 ラウルの顔も、彼女の言葉に真っ赤になっていた。

 彼は振り返ってカトリーナの手を引くと、羽根が触れるかのように、ごく軽く、そっと彼女の唇に口付けた。

 突然のラウルからのキスに、カトリーナの目が瞠られ、耳まで赤く色付いた。驚きに言葉を失くしている彼女の手を、彼は再び力を込めて握った。


「驚かせたら、ごめん。返事は急がないから」


 そのまま走り出したラウルの後を、カトリーナも手を引かれるままに走っていった。繋がれているラウルの手を、カトリーナがそっと握り返したのが彼にもわかった。


(カトリーナのことは、これからも僕に守らせてね)


 ラウルは、溢れるほどのカトリーナへの愛しさを感じていた。


 彼の背後から彼とカトリーナを見守っていた、大きな翼を持つ大天使は、彼らの薬指を繋ぐ、神々の目にしか見えない美しい赤い糸を眺めながら、優しい微笑みを浮かべていた。

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神官カトリーナの託宣帳 瑪々子 @memeco

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