第32話 バトルロワイヤル

《ユーリシアン女学院:小世門内》


「羽賀マオ、覚悟おおおお!!!」


「くっ!」


「胸キュン♡流格闘術 "壁ドン"!」


 豊田ワールド学園の戦闘服を着た女子生徒の掌底突きがマオを襲う。間一髪横に避けたが、掌底の当たった後ろの岩が砕け散る。


「まだまだ "顎クイッ"!」

 

 続けざまにマオの顎を目掛けてアッパーが繰り出されるが、これもマオはバックステップで避ける。しかし、それは向こうの狙いであった。


「チャンス! "バックハグ"!」


  逃げに徹したマオの背後をとり、後ろから体を掴む。そのままフィニッシュブローに繋げる為マオの体を持ち上げようとするも、、、


「離せ!この野郎!!」


 マオはパワーでその拘束から抜け出し、逆に相手の腕を掴んで投げ飛ばした。


「くそっ!馬鹿力め。」


 投げ飛ばされた女子生徒は空中で一回転し足から着地する。お互い息を切らしながら対面する形となった。



『さあさあ、序盤から熱い展開の全国異能力者学園対抗新人大会!!

 ここでは天王山の【羽賀マオ】選手と豊田ワールドの【タオリンリン】選手が戦っている。拳闘士同士の一騎打ちだあああ!!』


 実況のキララが会場にいる観客席を煽り、それに乗って観客達も大いに盛り上がっている。


『改めましてここでルールの説明です。

 ①8人×8チーム、64のバトルロワイヤル。

 ②選手全員はカラータイマーを付ける。

 ③カラータイマーはホワイトとレッドの2色があ

  り、レッドは4人に開始時ランダムに配る。

 ④ホワイトはレッドの選手を倒すとレッドを奪う

  事ができる。

 ⑤制限時間終了時にレッドを持っていた4チームが

  決勝トーナメントに進出する。』

 

『これが今回の初戦【バトルロワイヤル】のルールになります。解説には天王山学園生徒会会長:和合トモエさんに来ていただきました。よろしくお願いします。』


『よろしくお願いします。』


『さて和合会長、この試合の見所はどこでしょう?』


『そうですね、選手達はランダムで広いフィールド内に飛ばされています。まずは仲間を見つけて複数人で行動する事でしょう。数の力は大きいです。』


『なるほどぉ。おおっと、ここで別の所で戦闘が始まった!』




「挟まれた!」


 ヒサシは関西東院の2人に挟み撃ちにされ、攻められている。超電磁銃と単分子カッターを駆使しながら相手の攻撃をいなしているが2体1の戦いに苦戦していた。


「天城ヒサシ! ここでお前を倒せば!」

「「"蒼炎斬" "五連華突"」」


 剣と槍の連続攻撃がヒサシを狙い襲う。息のあった連撃にヒサシは防戦一方である。



『この世代最注目の【天城ヒサシ】選手!ここで敗れてしまうのか!!』


『ふふ、あの子に数的不利は存在しないわよ。』



「ライガ、フィアいくぞ!!」

((うん! はっ!))


 ヒサシは使い魔の【雷の精:ライガ】と【風の精:フィア】を召喚した。


 関西東院の剣術士を雷狼ライガが受け止め、槍術士の五連突きは単分子カッターでいなし、近距離から放たれたフィアの風の弾丸がカラータイマーに直撃する。


 ライガが受け止めた剣術士に対して、振り返ったヒサシが超電磁銃をカラータイマーに撃ち込む。


 カラータイマーを破壊された2人は強制転移機能が発動し戦闘エリアから、会場へと戻されていった。

 


『なんと天城選手、劣勢の状態から一気に大逆転だぁ!これが元生徒会レジェンド、クリスタルエイトの実力だ!!』


 

「ふぅ、なんとか乗り切ったな。」


「それはどうかな?」


 敵を倒したと思ったヒサシの周りに苫小牧大附属の生徒が3現れる。


「このタイミングを狙われていたか、、」


「その通り!漁夫の利ってやつよ。」

「見せてやる苫小牧大附属特性合体魔法!」

「"フローズンゴーレム"」


 3人の下に魔法陣が現れ、三角形に線が繋がる。その周囲の気温が急速に低下し周りの景色が凍結していった。


「寒っ!」


 凍結した地面から人の形をしたゴーレムが9体出現する。そのゴーレムの周囲の空気は凍りつき白いモヤがかかっている。


「このゴーレムに触れたら一瞬で凍結するぞ。

 さぁどうする天城ヒサシイイイイイ!ヒハハハハハハハ。」





「ここはどこだ?」


 【黒崎レイド】は誰にも会わずに草原を突き進む。遠くで戦闘音が聞こえているが、まだ誰にも出くわせてはいない。


 しばらく歩いていると、目の前に人影が見える。


「待ってたぞ。久しぶりだな、レイド。」


「お前は、、、ガイア。」


 レイドの目の前には仙台星欧の戦闘服を着た男子生徒が立っている。どうやら2人は旧知の仲のようだ。


「俺のと一緒に過ごす学園生活は、どうだ? 教えてくれ偽善野郎。」

 

 







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《必殺技企画にご協力いただいた皆様》


上村朱璃@ノベルアッププラス様

https://twitter.com/kn6twv81inxvh0q/status/1577562264479371265?s=46&t=O77uKIzPYbh0gBQIGdduyQ


鯛焼 野然様

https://twitter.com/neziat_taiyaki/status/1573614756484640768?s=46&t=O77uKIzPYbh0gBQIGdduyQ


炫【Bishop《ビショップ》】カクヨム書き様

https://twitter.com/mix_1128/status/1562045471665049600?s=46&t=O77uKIzPYbh0gBQIGdduyQ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る