第25話 VSガシャ髑髏
《天王山学園校庭》
「"
「"天竜拳奥義"」
最初にレイドとマオが前に出てガシャ髑髏に向かう。
「「"魔人斬" "螺旋脚"」」
2人の技がガシャ髑髏の顔を捉え、傷をつける。しかしガシャ髑髏はその場で再生し2人の攻撃後の隙をついてくる。両手でそれぞれを握り締め、左右に叩きつけた。
その後ガシャ髑髏の口からエネルギーを溜めている様子が見られる。その様子をいち早く察知したレイカが指示を送る。
「テレス、天城君!!防御して!」
「クモリ!」「"
ガシャ髑髏の口から放たれた黒い炎がみんなを覆いつくす。クモリとテレスの魔法で対応するものの疲弊している2人の力では持ちそうにない。
「炎なら俺だろ!」
ダイハチが前に出て槍の回転で炎を払う。何とか持ち堪えているが、身動きがとれず一方的にやられている中ヒサシがモモに指示を出す。
「モモ!転移魔法で中等部コンビと東堂、アルファを安全で見晴らしの良い位置へ。レイカとアルファはそこで分析と指示を飛ばしてくれ!」
「わかった。」
モモが言われたメンバーをイバラ達のいる高等部校舎の向かい側にある研究棟屋上へと転移する。
「ライガ!顎下だ!」
(はっ!"電光石火")
ライガは炎を避け回り込みガシャ髑髏の顔の下へとくる。ガシャ髑髏はライガを払いのける為、手を使おうとするも、マオとレイドが左右の手に対して攻撃を加え行かせないようにする。
ライガは顎下へと強烈な突撃を喰らわせ無理矢理口を閉じさせる。黒い炎が止んだ所で傷ついたダイハチをリュウジが回復させる。
「この炎、毒の効果があるのか。"治癒功:解"」
ダイハチは炎の耐性があるものの毒に侵され戦闘の継続が難しい。攻撃力では突出したレイドとマオの技を喰らわせても再生する敵に現状はなす術がなかった。
「ヒサシ君、お姉ちゃんを私が止める。そうすればあのガイコツも消えるはず。」
「いけるのか、轟?」
「いざとなったら、私の手で、、、」
ひまわりの覚悟の表情にヒサシはそれ以上何も言わなかった。ひまわりは妖精の翼を使い空へと飛び出す。
「お姉ちゃん!!」
ひまわりの呼び掛けにイバラは反応を示さない。自分の意思ではなく操られガシャ髑髏に魔力を送っているだけのようだ。
「"ナイトヴァンプ"」
「!? "シューティングスター"」
ひまわりに対してタキから出てきた大量のコウモリが襲いかかる。咄嗟に魔法で対抗するも、撃ち漏らしたコウモリの軍団がひまわりを襲う。
「あぁ!!」
そのままひまわりは高等部屋上へと落下していく。
ヒサシも助けに行きたいがガシャ髑髏からの攻撃が止まらず動く事ができていない。このままでは全滅してしまう。
「アルファ、東堂、何か解決策を。」
《研究棟屋上》
「どうやらあの子供が黒幕みたいね。」
「そうですね、おっぱい先輩はどう思いますか?」
レイカとアルファは研究棟屋上で冷静に状況分析を行う。一連の戦いを見てお互い一つの答えが出たようだ。
「おっぱい先輩って、あんた、、。私は東堂レイカよ。
マオと戦っていた子がガシャ髑髏の心臓部分にある赤い球体の中で囚われている。あれが再生能力の大元ね。ひまわりのお姉さんは体を動かす為の魔力を送っているだけで、本当に操作しているのは、あのヤバそうな子供でしょう。」
「私も同意見です。このまま粘り続けてお姉さんと女の子の魔力が尽きたら勝手にガシャ髑髏は止まると思いますけど、まぁ2人は死ぬでしょうね。
1番楽だけど、そんな事指示したらヒサシ先輩に嫌われてしまう。」
「じゃあどうするの?」
「ガシャ髑髏の胸元を引き裂いて出てきた、赤い球体にテレス先輩とリーゼント先輩の回復魔法をかけ、女の子を救出して再生能力を奪いましょう。」
「なるほど、再生能力がなければ倒すチャンスはあるわね。胸元を引き裂くのはヒサシ君かしら?」
「いえ、ヒサシ先輩はあの子供に対応してもらいたい。姉妹喧嘩の邪魔をやめさせる人が必要なので、、。
そうなるとあの暑苦しい先輩しか選択肢がないんですけど、、」
「黒崎君とマオは両手を止める役目だし、真田君は黒い炎の影響で動けそうにないか、、
一手足りないわね。」
2人は作戦の全体像はイメージできるものの、どうしても攻撃役が一手足りない。
「あの、、その役目私達にやらせてください。」
《天王山学園校庭》
『みんな聞こえる?』
レイカの感覚共有が仲間達へと飛ぶ。クリスタルフラワーの戦いの後訓練して手に入れた異能力だ。
『今から作戦内容を話すわ、よく聞いて。』
それぞれがレイカから出される指示に耳を傾ける。その内容に驚きを見せる者もいるが、すぐに覚悟を決める表情に変わった。
レイドはガシャ髑髏の右手、マオは左手、テレス、リュウジ、ダイハチは本体の前に立つ。
ヒサシはフーバの翼を使いひまわりと一緒にタキとイバラを挟む形で位置についた。
「作戦会議は終わったのか?」
「ああ、お前が全部の元凶なんだろ?」
「ふん、この女の願望さ。私はその背中を押してあげたにすぎん。」
「調子に乗るなよ、コウモリ野郎が。」
「「"鳳凰炎舞" "シューティングスター"」」
ヒサシとひまわりの攻撃がタキへと迫る。タキもコウモリを使いながら反撃し、攻防が始まった。
《研究棟屋上》
「あの黒幕の気が天城君とひまわりに向いているうちに、、、準備はいい?2人共。」
「「はい!」」
大きな返事の後、チヨとムネノリは向かい合っている。
「ムネ頼むわよ。」
「頑張ってくるよ、チヨちゃん。」
2人はそのまま口づけをかわす。急な展開にレイカは驚きを隠せない。
「な、何やってるのよ、あんた達!!」
2人の間に魔力の渦ができる。ムネノリの体に今まで見た事のない魔力が流れているのが可視化できるほどだ。
「なるほど、チヨちゃんの余りある魔力をムネノリ君にチューで注ぎこんでるのか。それによってムネノリ君は本来の異能力を発揮できる。研究しがいのありそうなふたりだねぇ。」
アルファは冷静に2人の状況を分析する。レイカは戸惑いながらも次の行動に移す。
『黒崎君、マオ行くわよ!』
「「OK、ああ」」
「「"ディス・エクスカリバー"!! "竜星拳"!!」」
レイカの指示にレイドとマオは邪魔な両手に最大火力を叩き込み動けないようにする。
ガシャ髑髏本体は周囲を焼き払おうと口にエネルギーを溜め始めた。
しかしガシャ髑髏の頭上にモモの転移魔法でムネノリが現れる。
「はあああ、くらえ!!"
ガシャ髑髏の頭から体までムネノリが一刀両断する。左右に切り裂かれたガシャ髑髏は体を再生しようとするも上手く繋げる事ができない。
「ムネの次元斬は物体じゃなくて、その次元ごと斬る必殺技なんだから、体の再生能力があったとしても簡単には戻らないわよ。」
「すごいな、君の彼氏は。」
「ム、ムネは彼氏とかじゃないです!!!」
「チューしてたのに。」
屋上で気の抜けたやりとりをしているチヨとアルファを横目で見ながらレイカは次の指示を行う。
『今よ、田中君、テレス!!』
リュウジはダイハチの槍に飛び乗る。ダイハチは体を回転させリュウジをガシャ髑髏の中心で露わになった赤い球体まで投げ飛ばした。
「行ってこい!!」
リュウジは赤い球体に貼り付き回復能力を注ぎ込む。後方にいるテレスもリュウジをつなぎとして回復魔法を球体へとかけていく。
「「"エンシェントヒーリング" "治癒功:解呪"」」
赤い球体へと回復魔法が注ぎ込まれ死霊魔法で作られた球体はヒビが入ってきている。もう少しで壊す事ができそうだ。
しかしその様子に上で戦闘を行っていたタキが気付いてしまう。
「チッ、余計な事を!」
「"ロック・プラネット"」
タキが下へ降り妨害しようとするも、ひまわりがタキとイバラを球体の結界で囲み、外へ出られないようにする。
「逃がさねぇよ。これで、終わりだ。現れよ"天炎の精:フェニックス"。」
ヒサシの翼が青く輝く聖なる翼へと変化する。その神々しさは太陽の輝きに等しい。
「翼だけしか召喚してないのに、この負荷量かよ、、」
ヒサシは天の力の負荷で苦しそうな顔を見せるもあせるタキの顔を見てニヤリと笑って見せた。
「何があったかわからねぇが、姉妹の喧嘩に外野が余計な事してんじゃねぇよ。2人で時間かけて解決していくんだから、お前にはそろそろ退場してもらうぜ。」
「ハハハ、まぁよい貴様らの力も計れたしな。貴様の名は?」
「、、、天城ヒサシ。」
「私は【リンド・スカーレット】。
天城よ、異能力がいつも味方をしてくれると思うなよ。その力に精々飲み込まれないようにしろ。」
「忠告どうも、リンド。 じゃあな "ゴッドウィング"!!」
青い炎がタキとイバラを包み込む。2人の体は傷つくことなく邪悪な魂のみが浄化されていく。
「フハハ、この借りはいつか返すぞ天城。ハハハハハ。」
同時にガシャ髑髏の赤い球体も破壊され、体が崩壊していく。中から出てきたクレアはリュウジが抱き抱えた。
「終わったのか、、」
みんなの無事と喜ぶ姿を見て緊張の糸が切れたのか、ヒサシはその瞬間気絶してしまう。
《異世界島:廃棄処理施設》
「ハアハア、何で、こんなことに、ハア」
研究棟から逃げ出したサングラス男が予定していた逃走コースを目指し走っている。
「最悪な目にあったが、、へへ、あの研究棟の情報を売り込めば金になるはずだ、、、」
そこから逃走用のボートがある場所まで辿り着く直前、人影がある事に気付く。
「ここから出す事はできんな。」
「誰だ!!テメェは!!!」
そこに居たのは天王山学園生徒会会長:和合トモエであった。
「わ、和合トモエだと、、何でお前が、、」
「元第三更生施設:高等部2年:【土浦コウ】。優秀な使役士であったが使い魔をコントロール出来ずに、チームメイトを2人を捕食され、他も重傷を負う。
その後第三更生施設でカリキュラム中に脱走か。ベヒーモスを使い魔にできる程の才能を、実に惜しいな。」
「お、俺を捕まえにきたのか?」
「捕まえる?ここの情報を知っている者に生きてもらっては困るのよ。」
トモエは持っている刀を抜きサングラス男に近づく。
「う、嘘だろ。やめてくれぇ!!」
「我ハ毘沙門天ノ化身ナリ。」
「うわあああああああああああああああああああああああああ、かはっ。」
返り血を浴びたトモエの姿は月夜に照らされ、とても美しいものだった。
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