第23話 VSベヒーモス

《研究棟内》


「ベヒーモスだと、、」


 目の前のサングラス男が召喚したベヒーモスはかなりの魔力量があっても手懐けるのは難しく、ヒサシ自身も大世門内では見た事のない稀有な魔物である。


「こいつは俺が10歳の時にたまたま出会ったんだ。その時はまだ幼獣だったんだが、3年で手が付けられないくらい凶暴になっちまってな。俺の事は襲わねぇのに一緒にいたチームメイト全員食っちまってよ、俺は『第三更生施設』行きさ。

 見たもん全部食い殺さないと気が済まないらしいから、気を付けろよ天城ヒサシィィ!」


ガアーーーーー!!!!!


 突然ベヒーモスがヒサシに向かって飛び掛かってくる。


「フーバ、ライガ、フィア、クモリ!最初から全力で行くぞ!!」

((((OK、はっ、わかった、はい))))


 フーバの翼を使い空へと距離をとる。ドーム場になっている、この実験場の1番上へと飛び相手の届かない位置へと避ける。


「フィアとライガは後ろ足中心に狙って機動力を奪うぞ。クモリは片っ端から状態異常をかけろ。」


 ヒサシは空中から超電磁銃と炎の渦で攻撃しつつ、地上はライガとフィアが高速で移動しながら的を絞らせない。クモリは毒や麻痺の触手を伸ばし動きを鈍らせようとする。


「ベヒーモス!"激情の咆哮"だ!!」


グワァーーーー!!


 ベヒーモスの咆哮が実験場全体に響き渡る。全員が一瞬硬直し隙ができる。ライガとフィアの隙に対してベヒーモスは巨大な尾を振り回して2匹を壁へと叩きつけた。


 ライガは受け身をとり壁への激突を半減する事が出来たが、フィアはモロに壁にぶつかってしまう。ベヒーモスはさらに空中にいるヒサシとフーバへ狙いを定めた。


「お前らそこが安全だと思うなよ"崩壊息吹ボロブレス"!」


 ベヒーモスの口から放たれた光線をヒサシは空中を飛び回り避け続ける。それでもなおベヒーモスはヒサシを追い光線を吐き続けた。


「何だこの施設は? ベヒーモスのブレスでも傷がつかねぇのかよ。」


 サングラス男は戦闘中も自分が逃げられるルートを探している。


 ベヒーモスの光線が少し弱まってきた時、ヒサシは反撃に出る。


「ライガ行くぞ!!」


 ヒサシは懐から取り出したナイフにフーバの炎の力を込め、ベヒーモスの顔の正面へと来る。ライガは爪へと雷の力を溜めベヒーモスの後方から駆ける。


「くらえ!! "炎雷十字斬"!!」


 ベヒーモスの顔へヒサシのナイフとライガの爪がクロスに重なり十字の傷を作る。


 ベヒーモスは雄叫びを上げながらサングラス男達のいる方へと倒れてしまった。


「クソが、しっかりしろベヒーモス!!」


「ハアハア、この程度じゃやられてくれないよな。」


 ベヒーモスは立ち上がり怒りの咆哮をあげる。その時サングラス男の横にいたすり抜け男と目が合ってしまった。


「えっ?」

「や、やめろベヒーモス!」


 ベヒーモスはそのまますり抜け男を前足で握り潰し地面へと叩き潰す。そして怒り狂った雄叫びをあげ十字傷で潰れた左眼の恨みを晴らすべくヒサシへと突撃してきた。


「クモリ!!」

(わかった。)


 ベヒーモスの2本の巨大な角による突撃をクモリが受け止める。何とか受け止める事ができたもののベヒーモスは顔を上げて角に刺さったままのクモリを宙に投げ捨てる。


 そしてガラ空きになったヒサシへ巨大な尾が叩きつけられた。


「かはっ、、」


 ヒサシはガードをするもそのまま壁へと激突し吐血する。一撃必殺の攻撃力に全身の力が抜け気絶しそうになるが負ける訳にはいかないと自分に言い聞かせて正気を保った。


 フーバとライガはヒサシへとベヒーモスの気が向かないように飛び回り戦い始める。


「このままじゃ勝てない、、まだ未完成で使いたくないが【天の力】を、、、」


『ヒサシせんぱ〜い、大ピンチですねぇ。可愛い可愛い後輩の【針間矢アルファ】が助けてあげましょうか?』


 ヒサシが決死の反撃策を考えていると実験場に陽気なアナウンスが響き渡る。どうやら先程の白衣を着た少女がモニター室から喋りかけているようだ。


「針間矢アルファだと、、ここは『科学を100年進めた天才:針間矢アルファ』の研究施設なのか?」


 サングラス男は今いるこの場所が、日本で和合トモエの次に有名な天才の施設である事に驚いている。


『せんぱ〜い、私の最新兵器【超電磁砲レールキヤノン】をそっちに送りますね。先輩と使い魔達の魔力を込めて放てば、あんな大型犬一撃ですよぉ。』


 ヒサシが座り込んでいる近くに固定式の超電磁砲が現れる。ヒサシはすぐさま台座に座り準備を始めた。超電磁砲の大きさは五メートル程、レバーを握り魔力を込め照準を合わせて打つようだ。


「そんな事させるわけねぇだろうが。」


 サングラス男が倒れたヒサシの方へとナイフを持ち迫る。しかしその目の前にボロボロになったフィアが現れた。


(ヒサシの邪魔しないで!!)


 風の衝撃波でサングラス男を吹き飛ばした。フィアは最後の力を使い切りヒサシの元へと戻る。


「フーバ、ライガ、クモリ戻れ!」


 使い魔達が戻った事により、ベヒーモスの標的がヒサシになる。全速力で走ろうとこちらに向かってくるも、後ろ足に受けたダメージが原因で本来のスピードが出せていない。


 ヒサシは全力で魔力を超電磁砲に込めて、安全レバーを外す。超電磁砲のエネルギーが溜まり発射可能の段階まで届いた。


「くらいやがれ、このデカブツが!!!!」


 超電磁砲から放たれた砲撃に対してベヒーモスは壊光線で対抗する。拮抗する状態が続くも徐々にヒサシが押していく。


 そして遂にベヒーモスの身体を捉え雄叫びを上げながら絶命していく。ベヒーモスの上半身を消し飛ばして粒子へと戻っていった。


「ハアハア、ん? あのサングラス野郎は何処に行った?」


 ヒサシは超電磁砲から出た煙が消えた時に、サングラス男が居なくなっている事に気づいた。


『あの男、吹き飛ばされた時にその実験場唯一の出口である緊急ダクトを見つけたみたいで、そこから逃げてしまいました。あのダクトは外に繋がっているので後で探しましょう。

 それより外も大変みたいです。私も一緒に行くので外に出ますよ。モモお願いします。』


 アルファにモモと呼ばれた帽子の少女が転移魔法で現れる。アルファも合流し3人で転移魔法を使って外へ出た。



《天王山学園校庭》


 モモの転移魔法で3人が研究棟から出て校庭へと現れる。


「こ、これは。」


 そこで3人が目撃したのは校舎を越える大きさの巨大なガイコツの存在であった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《本編とは関係ない状況説明》

※キャラの渋滞が起こってますので整理します。

 申し訳ありません。



《研究棟内》


【天城ヒサシ】:主人公、使役士、4使い魔

【針間矢アルファ】:白衣を着た超天才 中等部

【小高モモ】:帽子の少女 転移魔法

VS

【サングラス男】:使役士 ベヒーモス使い ボス

【すり抜け男】:壁をすり抜けるコソ泥



《天王山学園校庭》


①屋上

【轟ひまわり】:妹 魔法少女

VS

【轟イバラ】:姉 バットマン本部幹部 


②校庭

【羽賀マオ】:ポニテ180 拳闘士

VS

【クレア】:金髪ツインテ140 大鎌使い


③研究棟前

【いつもの5人】:ダイハチ、リュウジ、レイド

VS レイカ、テレス

【手下4人】:サングラス男チームの幹部

【死ノ遊戯】:イバラの魔法


④隠れて見学

【夜峰チヨ】:電気使い 中等部補助員 A組

【山越ムネノリ】:剣士 中等部補助員 F組


【タキ】:空を走りスリする子供 初等部くらい



《アルファ社前》

【来栖川マナカ】:副会長 強い

【生徒会メンバー】

VS

【バットマン雑魚】:囮 催眠状態

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る