第10話 VSラフレシア
《洞窟内》
上から落ちてきた外部生チームを合わせて、洞窟内でラフレシアの前に8人が揃った。
「もしかして、あれがクリスタルフラワー?」
ラフレシアの上の崖にある、鉱石を見て【轟ひまわり】が指を指す。
「けっ、このデカ花に苦戦してったってわけか、内部生様も大した事ねぇな。」
「そんな事言って、あなたも進藤さんの魔法陣に、守られているのよ。ありがとう進藤さん、私達には回復士がいなくて、さすがね。」
「いえ、大丈夫です、お任せください。」
【田中リュウジ】が悪態をつくも【東堂レイカ】に制される。どうやらここに来るまでにチームワークがしっかり出来ているらしい。
「まぁ、いいや、こっちはこっちでやらせてもらうぜ!!"
リュウジは背中に背負う大斧でラフレシアに切り掛かる。しかし大量の蔓に受け止められ四方を囲まれてしまう。
「くうっ、」
「邪魔なんだよ、リーゼント野郎 "朱槍連撃"」
「あん!?」
リュウジの後ろから現れたダイハチがラフレシアへの道を開ける。
「そのままいろよ、田中。」
「ダイハチ、肩借りるわよ。」
先頭にいる、リュウジの肩を土台に【黒崎レイド】が飛び上がりラフレシアの本体に切り掛かる。
その後ろを追うようにマオが、こちらもダイハチの肩を借り飛び上がり必殺の拳を振りかざす。
"
"竜王拳!!"
レイドの黒い稲妻を纏った剣とマオの竜を纏った拳がラフレシアの本体に大きな傷跡をつける。
「束ねて、集めて、まとめて、集結、集合、大集中」
「フーバ、フィア!連携技だ!!」
(いっくよー。)(はい。)
ひまわりの独特な詠唱とヒサシの声が響き渡る。
"スターライト・ギャラクシーーーーー♡♡"
"炎風連携:ボルケニックタイフーーン!!"
ひまわりの杖から星の輝きと共に白銀の光線が放たれ、フィアの風とフーバの炎が混ざり合った炎の嵐がラフレシアに出来た傷痕を攻め立てる。
大きな地鳴りと共に花弁の両側を焼かれたラフレシアはみるみると力を失っていく。周りを囲んでいた蔓も力を無くし、毒の花粉も散っていく。
「この洞窟の魔物達も力を失くしてる、どうやらコイツが全部操ってたみたいね。」
地面に手を当てレイカがこの付近の様子を探っている。どうやら本当に倒したみたいだ。
「よしっ、馬鹿笑顔が倒したから俺達の勝ちだな。鉱石は置いてけよ内部生共。」
「あ!?何言ってんだ?どう考えてもヒサシの技で焼き殺されてただろうが!」
ワーワーギャーギャー!!
ダイハチとリュウジがまた言い争いを始める。それをやれやれ顔で周りは見ていた。
「大体お前らは洞窟じゃなくて上から降ってきて横取りにきたじゃねぇか。泥棒と一緒だろうが!」
「しょうがねぇだろうが!山の上に変なのがいて、そいつが赤い光線打ってきたんだよ!それを避けたら穴が空いてて落ちちまったんだからよ。」
「えっ?」
リュウジの発言にヒサシが少し驚いた反応を見せる。そのまま早足でリュウジに近づき低い声で質問をする。
「今の詳しく説明しろ。」
「あん?なんだテメェもか、だから大量のヘビに追われて山の上に登っちまったんだよ。」
「違う!!赤い光線を打った奴だ!!!」
ヒサシはリュウジの胸ぐらを掴み、壁に叩きつける。冷静さを失い激昂する姿に同じ内部生のみんなも驚いていた。
「ヒサシ?どうしたのよ、冷静に。」
「田中!!言えっつってんだろ!!!」
「(何だ、、この殺気、、)山の上にいたら一つ目の蜘蛛みたいな奴が浮いてて、新種かと思って確認してたら赤い光線打ってきたんだよ。白髪モヤシのシールドぶっ壊すくらいの威力だったから逃げてきたがな、、」
「一つ目の蜘蛛、、」
ヒサシの記憶が呼び起こされる。そこには爺ちゃんと自分を襲ってきた大量の敵。赤い光線を放って襲ってきたのは間違いなく一つ目の蜘蛛のような魔物達であった。
「いい加減、離せよ!コラッ!」
リュウジはヒサシの手を振り払う。しかしヒサシの目線は上にしか向いていないい。
「フーバ!」(はっ。)
ヒサシはフーバの翼を使い洞窟の天井に空いた穴へ飛び立つ。
「くそっ、何だってんだ、あいつはよ!」
「ヒサシ、、、」「天城さん、、」
ヒサシは山の上へ飛び、辺りを見渡す。
「どこだ!?、ライガ、フィア、クモリお前達も頼む。」
(OK、【アイツ】かも知れないもんね。)
そしてそれぞれ辺りに散ろうとする瞬間。下の森の中から赤い光が輝く。
(下に、、、)
「なっ!」
光が輝いた場所から赤い光線がヒサシへ迫る。しかし、その間にクモリが割って入り光線を受け止めた。
(私、、あの頃より強くなった。)
光線をクモリは受け止め弾き返す。体はほぼ無傷であった。そこにいた【一つ目の蜘蛛】を見るヒサシの目は復讐の色に染まっていた。
「やっと見つけた【アイツ】への手がかり。絶対捕まえてやるからな!!逃げんなよ!!」
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