第3話 ヒサシvsレイド
《大訓練場》
【黒崎レイド】の強力な一撃を避け【天城ヒサシ】はバックステップで距離を空ける。更に懐から出した
魔力を帯びた弾丸をレイドは左手で
「手を抜いて勝てると思うなよ。”
レイドの足元から無数の黒い手がヒサシへ伸びていく、それを弾丸で打ち落とそうとするも、数が多く近づかれ手足を掴まれてしまう。
「しまった!」
「くらえ!!」
レイドの剣がヒサシを上から斬り裂こうとする。
「こい、水の精:クモリ。」
(わかった、、)
ヒサシとレイドの間に巨大なクラゲが現れる。レイドの剣はクモリによって威力を吸収され防がれてしまう。そしてそのままクモリが触手で体を絡めとろうとするのを察してレイドは後ろへ回避する。集中が切れたのかヒサシの手足を掴んでいた黒い手も消えていた。
「これがコイツの、、」
「まだまだ、雷の精:ライガ、風の精:フィア。」
(はっ!)(いっくよーー。)
「3体同時だと!?」
レイドが驚きを隠せない中、雷狼ライガが雷を纏った爪でレイドを襲う。それを何とか受け止めるもライガの後ろから妖精フィアが現れ風の弾丸を放った。更に遠距離からの超電磁銃も飛び交いレイドは防戦一方となっている。
「(
レイドはライガの動きを見切り蹴りを入れる。フィアに対しては黒い魔力砲を放ち土煙が立った所に衝撃波でのけぞらせた。
「複数相手にも慣れてるな、よく訓練してる。だが目を封じた所で視覚共有でライガからお前は見えてるんだよ。」
ライガは負けじと鋭い牙でレイドに襲いかかる。ヒサシの超電磁銃も急所を的確に狙い続けてきており、魔力壁も削られ長期戦は難しいとレイドは判断した。
レイドはライガを振り払い、避けきれない弾丸をわざと受けながらも前へ出る。
「捨て身か!」
「最大パワーだ!」
付与魔法に込めた黒色の魔力が今まで以上に大きく荒々しくなっていく。
「クモリ!」
(全部受け止める)
"黒王斬"!!!
レイドの最大攻撃をクモリが受け止め魔力と魔力の衝突で訓練場全体が地響きをたて揺れている。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!」
「火の精:フーバ!」
「何!?」
レイドの決死の竜王斬を受け止めている間にヒサシは火の鳥フーバを翼にして空へと飛び上がる。
「4体同時召喚、、?」
見学室では衝撃の事実を目の当たりにした外部生からは驚きの声が上がり、内部生の生徒達は当たり前のように戦況を見つめている。
「すげえな、さすが今年の魔力量No.1。そんな技受けてたらひとたまりもなかったぜ。」
「何がNo.1だ、手を抜いていた癖に。」
「いや、あれは、まあ。でも言い訳はできねぇかな。」
「在学中に必ずぶっ倒してやる、覚悟しとけよ。」
「ああ、楽しみにしてるぜ、黒崎レイド。」
"ファイアートルネード" "雷爪斬"
"エアロショット" "超振動波"
それぞれの使い魔の攻撃がレイドを目掛けて放たれる。レイドは魔力壁を全方位に張るも受け切れずに倒れる結果となった。
『試験終了。見学室にいる生徒も降りて集まってくれ。2人は終了手続きと怪我の確認の為一度向こうへ。』
ヒサシは倒れたレイドに手を貸そうとするも払い除けられる。見学室から走って2人の男女が彼の元に駆けつけた。男子生徒の方が肩を貸し医務室へと向かう。
「お疲れ様、ヒサシ、さすがだね。」
羽賀マオが笑顔でヒサシに声をかける。彼女は戦っている間身振り手振りで応援してくれていた。後ろからは顔が変形した真田ダイハチも来てくれている。
「おちゅかれ、ひさしゅ、」
「お、おう。お前も一緒に医務室行くか?」
『これにてクラス分け試験全試合が終了する。本日はこれにて解散する。今日中にクラス分けの結果を入学時に配布した手帳型端末に送る為各自確認するように。明日の授業はオリエンテーションが中心であるが、遅刻のないようにしっかりと体を休めてくれ。では解散。』
そのアナウンスを聞き、生徒達はそれぞれ訓練場を後にする。
「がくひょくふってかえろーへ。」
「学食か、いいな。手続きするから席とっててくれよ。」
「私はコイツのせいで早く帰らなきゃ、、」
「わふぁった、ひゃきひってるほ。」
ヒサシは2人と別れ、終了手続きをする為に訓練場上階のレストルームへと行く。そこには試験場の片付けを行っている上級生達がいた。
「なかなか面白い戦いだったな、天城くん。」
「会長、、」
終了手続きをしてくれていたのは、この学校の生徒会長【
容姿端麗、品行方正、頭脳明晰であり特徴的な黒髪ロングの髪型から醸し出す色気はすれ違う男性だけでなく女性までも虜にさせてしまう美貌の持ち主だ。日本の異能力者の広告塔であり国中で知らないものはいないという存在である。
「会長がこんな事やってるんですか?」
「この学園はまだ私達2年生までしかいないからね。先生方にも異能力経験者はいないのだから、私達が先頭に立って試行錯誤しなくてはな。より良い学園生活を送ってもらえるようにサポートしていく事が必要だと考えているよ。」
「相変わらず、すげーな。」
「あら、貴方にもしっかり働いてもらおうと思ってるんだけど?」
「また雑用係ですか?」
「それよりも大事な事があるでしょ♡」
そう言ってウィンクしたトモエの顔を見て、ヒサシは少し顔を赤らめる。
「かいちょーーー、こっち片付きましたよー。確認お願いしまーす。」
「わかった、じゃあまた後でゆっくり話そう。
そうた!明日のバスツアーの護衛忘れないようになマオ君にも伝えてくれよ。」
「は、はあ。」
バイバイと手を振りながら呼ばれた方へ行くトモエを見送り、ヒサシは学食へと向かうのであった。
「えっ?バスツアー?」
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