第54話 顔に書いてある


 「まぁ、かんかんが菜月、瀬原田先輩を好きなのは、高校の頃からみんな知ってることだったけど。

かんかん、自分の気持ち 全然 言わなかったじゃん。

人の心配ばっかりでさ。

今回こそは、ビシッと告白してもらうぞ!!って思ってね。

かんかんに告白させるべく、焦らせて、あおったんだ。

ってゆうか、この件 俺、誰とも相談しなかったけど、あうんの呼吸なのか、みんな菜月のことを

好きだとか言い出してさ」

と、湊が笑った。


「すげーな!!あうんの呼吸!

って、俺もプロポーズするとか言っちゃったもん!俺も、かんかんのケツを叩きたくて!」

と、義徳が笑って言った。


「えっ?義徳、本気でそう思ってたんじゃなかったの?」


「ま、桜花堂のお嫁さんにはベストだよ!

だけど、俺じゃ かんかんには勝てね~もん」


マジか……

そんなことないだろ……


「俺は、マジで先輩とヤリ、」真島がそこまで言ったところで、ひらりんと義徳が同時に、真島の頭をペシっと叩いた。


「痛ってー!!体罰教師!!暴力和菓子屋!!」

と、頭をおさえた。


「人聞きの悪いこと言うなよ~」

と、ひらりんが笑って、

「俺もさ、なんてーの?湊と義徳が煽ってるの、ピンときちゃったから、かんかんにコクらせたいんだなって。

だから、それにのったって感じ」 

はははと、ひらりんは笑った。


そんな展開、想像してなかった。


オレが、瀬原田センパイを好きなこと、高校の頃からみんな知ってたなんて。

瀬原田センパイ本人にも、若保先輩にも気づかれてたなんて。

思ってもいなかった。



「みなくん、言っちゃっていい?」

センパイは、湊の顔を見て、もう1度さっきと同じ質問をした。

湊は、あぁと笑顔で頷いた。


「神田くん、弓道場で再会してからずっと思ってました。あなたが、運命の人って。

さっきの神田くんの告白の返事だけど、

結婚を前提にしたおつきあい、こちらこそ 

よろしくお願いいたします」


ヤベ……、オレ、死んでもいいや……


「かんかん!!死んでもいいとか思ってんじゃねーよ!!これから、ヤリまくらなきゃだろ!!」

真島がデカい声を出した。


「えっ!これ、なに?いい感じにまとまっちゃう系? 俺は?」

「ブッチは、エントリーさえされてねーから!」

「あて馬じゃん!!」

あはははは!とみんなで笑った。


「神田くん、キスしてほしいな?」

えっ!!


ダメ?と、首をかしげた。


めちゃ かわいい!!

いやいやいやいや、ってか

なに言っちゃってんの?

みんなの前で?

誓いのキス?

いやいやいやいや、心臓止まるって!!


俺は、センパイを抱きしめて、ほっぺにキスした。

今の俺にはこれが精いっぱい。


ほっぺかよ~~~~!!

ブッチさんと真島レベルじゃん!!


あははははっとみんなで大笑いした。


「神田くん、こんなところじゃ、デキないって、顔に書いてあるよ。

2人っきりで、し・よ・う・ね!

わたし お酒飲むと エロくなっちゃうんだもん。ふふふっ!」


マジか!!

やっぱり!!

お酒飲むと、エロくなっちゃうって、あの時も

そう言ったんだーー!!


神田幹太

25年間 生きてて良かったーー!!

最高にしあわせです!!

よし!!ヤって、ヤって、ヤリまくるぞーー!!


って、


俺の顔に書いてあるのかな?



                  終

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飲み会処女のセンパイに突然モテ期がおとずれた!! 彼方希弓 @kiyumikanata

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