第48話 夢は必ず叶う、のか?
まつり会場のひとつ、大通り中央公園で、センパイとブッチさんと待ち合わせした。
ここは、テーブルとイスが並べられていて、屋台で買った物を食べたり飲んだりすることができる場所になっている。
待ち合わせ場所の、何なのかよくわかんない銅像前に瀬原田センパイが1人で立っていた。
ちわーっす!!とみんなで挨拶をした。
「こんにちは。真島くん、おかえりなさい」
「あ、ただいま~!あれっ!先輩 ブッチは?」
「さっきまで一緒だったんだけどね。トイレ行ったよ」
「あいつ、もう飲んでる系すか?」
「うん、そこの屋台のクラフトビール、たぶん
もう5杯くらい飲んでるよ~」
「俺らが来るまで待てね~のかよ~」
と、呆れたように真島が言った。
ふと前を見ると 2、30メートル先から、
「まーしーまーーしゅーーじーーーー!!!!」
デカい声を出してダッシュでブッチさんが迫ってきた。
大っきいから、ど迫力!!
で、真島に抱きついて、ほっぺにブチューっと
キスした。
プッ!!吹き出して笑っちゃった。
「マジで!やめろよ!!」
「いいじゃん!!久しぶりじゃん!!」
って、2人 いちゃついてる。
そうゆう感じ?
「かんかん!!そうゆう感じ?とか思ってんじゃねーよ!!そうゆう感じじゃねーから!!
この酔っぱらい!!もう帰れよ!!」
真島は、抱きついてるブッチさんを引き離しながら、そう言った。
「あはははは!!かんかん、コイツやべーな!!って顔に書いてあるぞ!マジで、顔に出んな~。かんかんって」
義徳がそう言って笑った。
ね~いつもいつも言われっけど、俺って、そんなに顔に出てんの?
それ、普通に仕事に差し障るじゃん!!
取引先の人とか、この人アホな人だな~って思うことよくあるもん。
それ、御本人さまにバレてんの?
失礼極まりないだろ。
そんな2人のイチャイチャを見ていたら、湊とセンパイはもうテーブル席の方へ歩いていて、ちょっと離れたところから、
行くぞーーーー!!って言われた。
なんてゆうのか、湊とセンパイのペアがやっぱり1番しっくりくる。
センパイが、湊の方を見て話す横顔が、めちゃ笑顔。
はぁ…………
それぞれビールを買って、テーブルに置きイスに座った。
「8時に居酒屋予約してるんで、ここでは軽めに飲むくらいで」
と、ひらりんがセンパイに言った。
「うん、了解。ね、平林くんて学校の先生なんだってね。なんか、段取りよく行動できるところがさすがに先生だなって思っちゃった」
そう言いながら、ビールをひとくち飲んだ。
「あ、先輩、腹になんか入ってます?空腹で飲むと、酒まわっちゃいますよ」
と、湊が聞いた。
「お腹すいてるな~」
「じゃ、なんか見繕って買ってくるんで、それまであんま飲まないでください」
「あ、わたしも行くよ!」
「いえ、先輩はそこでお喋りしててください」
そう言って湊が立ち上がったから、俺も一緒に立って湊のうしろを歩いた。
「かんかん、いいのかよ?先輩の隣りに座ってなくて」
「んっ?」
「ともだちだけど、ライバルだぜ!」
「……そうだけど……」
カットステーキの列に2人で並んだ。
「頑張れば夢は必ず叶うとか、努力は報われるとか言うけどさ、それこそ夢物語だろ。
ほとんどの場合、どんなに頑張ったって夢なんて叶わない。
例えば、スーパーアイドルの夏鈴と結婚したい!って夢みてるファンが何万人いても、夏鈴をゲットできる男はたった1人だけだ。
どんなに努力したとしても、夏鈴と結婚したいって夢を叶えられるのは、たった1人だけ」
「……それ、瀬原田センパイをゲットできるのは、湊だけだって、そう言いたいの?」
湊はあははははっと突然笑い、
「かんかんは、どうしたいのかな?って話しだよ」
と言った。
俺は……
カットステーキの列が進み、2人で買った。
あと、ローストビーフと野菜スティックを買って、みんなのテーブルに戻った。
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