第46話 秋祭りに誘う

 秋祭り

この辺りでは、1年で1番大きなお祭りだ。

昼からパレードがあったり、稚児行列があったり、おみこしが出たり、お神楽の山車が出たり。歩行者天国になっていて、いろんな屋台が出ている。

これに一緒に行きましょうって、真島がセンパイを誘った。


菜月『真島くん、東京から帰ってくるの?せっかくだから、大淵君も誘ってみよっか?

ってゆうか、お祭り みんなで行かない?』


だってよ~!!

と、センパイからのラインをコピって、俺らのグループラインに送ってきた。


ひらりん『真島おつかれ~(笑)』

義徳『修司ドンマイ!!(笑)』

真島『(笑)(笑)じゃねーよ!!

2人でって強調したんだけどな!伝わんなかったかな~!!』

湊『2人で!!を強調されて逆に引いてんじゃね?』

義徳『ヤリにきてるの感じたんだろ?やべーな!コイツ!ってさ(笑)』

ひらりん『そうだな。下心アリアリは引くだろ(笑)その点、かんかんは下心感じさせないから警戒されないんだな』

かんかん『下心、俺もアリアリだけど……』

真島『だろー!!ヤリてーじゃんな~!!』

ひらりん『露骨すぎんだよ!!』

義徳『ヤリチン修司が撃チンってか~!

ウケんね!』

真島『ぜっんぜん、ウケないから!

で??みんな都合悪いなら、俺1人で大丈夫なんだけど』

かんかん『都合悪くない』

ひらりん『都合悪くない』

義徳『都合悪くない』

湊『都合悪くない。行けます!!』

真島『うっざーー!!空気読めや!!』

湊『ブッチさんも絶対来るだろうから、真島は、ブッチさんと久々に積もる話でもしてろよ』

真島『マジで、そうなりそうなんだけど~。

わざわざ新幹線代かけて、ブッチに会いに行くみたいな~(泣)』

義徳『どっちにしろ、おふくろさんの墓参りに帰ってくるってことだろ?』

真島『ま、そうなんだけどね』

義徳『駅まで車で迎えに行くから、時間決まったら連絡しろよ』

真島『ヨッシー、サンキュ!!そんじゃ、まぁ 祭りにみんなで行くってことで、その流れで飲めるように、8時位にどっか店予約しといてよ!

わりーけど、ブッチも一緒に』

ひらりん『了解!!7人でとっとくわ』

真島『ひらりん、サンキュ!』



真島のお母さんは、俺らが高校生の頃から病気がちで、入退院を繰り返してるような感じだった。

お父さんとは折り合いが悪いようだったし、5つ歳の離れたお兄さんはその頃大学生で 県外にいたし、家に帰ってもつまらないって、俺らと遊んでるか、女の子たちと遊んでいた。

お母さんがお弁当を作れないからって言うと、何人もの女の子が真島にお弁当をつくってきてくれて、こんなに食べきれないんだけど、って笑ってた。

学校では、いつも周りに人がいて、その中心にいるような感じ。

明るくて、カッコよくて、人気者。

俺は、部活が一緒じゃなかったら、仲良くしてもらえなかっただろうな~。

真島のお母さんの訃報を聞いたのは、大学2年の時。

秋祭りの前日だった。

それから毎年、秋祭りは恒例行事みたいに、真島が帰ってきたら、みんなでお母さんのお墓へ行って、祭りに行って、そんで飲んで騒ぐみたいな流れになっている。

今年は、センパイとブッチさんも一緒か。

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