第30話 デートなの?

 誘っておいてなんだけど、そんな簡単にOKなんだ?


これからはもっといろいろとって言ってたから、誰かに誘われたら、とりあえずOKしてみようってスタンスなのか。


「あの、センパイ、センパイが行きたいところとか、やりたい事とかありますか?」

「ん?そうゆう感じ?付き合ってって言うから、神田くんの用事に付き合うのかと思ったんだけど。

わたしが行きたいところか~。

あ、買い物したいんだけど、服とか。

でも、それじゃ神田くんがわたしに付き合うことになっちゃうよね」


【センパイが洋服を選ぶのに付き合う】


これどうかな~?

いいと思うよ

試着してみようかな

着たら見せて

どうかな~?

かわいいよ!マジで!抱きしめたいくらい!!

じゃ、だきしめて

あはははは あはははは あはははは



「神田くん?」

「あっ、はい!!」

やべー妄想が、だいぶ遠くまで一人歩きしてる。


「センパイの買い物、つきあいますよ。

俺は、お茶に付き合って欲しかっただけで、1日中暇なので、買い物でもなんでも大丈夫です」

「そう。

じゃ、〇〇アウトレットモールまで行く?」


〇〇アウトレットモール!!

ここから車で2時間くらいかかる場所。

近くのイオンとかじゃないんだ?

片道2時間のドライブ。

往復だけで、4時間密室に2人きり。

やべ、下半身が……


「〇〇アウトレットは、遠いかな?」

「いえ、いえ、いえ!大丈夫です!!

俺、車持ってないんで、センパイ車出してもらっていいですか?運転は、俺がしてくんで!」

「助かる~。わたし、高速の運転て、ちょっとニガテだから。

じゃ、土曜日朝9時出発とかでいい?」

「はい!大丈夫です!!」


センパイは、俺のアパートまでお迎えに来てくれると言ったけど、家の前の道は狭いし、ちょっと説明しづらい場所だから、わかりやすく駐車場が広いコンビニで待ち合わせることにした。


「じゃ、あさってね~!おやすみ!」

「おやすみなさい」

15分くらい話して、電話を切った。


“”おやすみ“”

なんて……もうこのまま、永遠に眠りについてもいいって思うくらいの……

いや、土曜日のデートをせずに、永遠の眠りにつくわけにはいかんだろ!!

ってか、デート!!

デートなの?

これ、デートって言えるやつじゃね?

いや、デートの定義はなんだ?


【親しい男女が日時を決めて出かけること】


あ、恋人関係じゃないから、ただのお出かけってことか……

いや、そんなん どーーでもいいだろ!!!!

神田幹太!!初めて瀬原田センパイと2人っきりでお出かけします!!

なに着て行こう!いつもみたいに、Tシャツと短パンじゃ、高校生みたいだよな。




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