第28話 センパイの近くにいる男

 あいつらとラインを終わらせた直後、瀬原田センパイからラインがきた。


菜月『遅くにごめんなさい。

昨晩は、お迎えありがとうございました。

坂北クンがウチまで送ってくれたよって、お母さんに言われたけど、全然記憶になくて。

なんか、ご迷惑おかけしちゃったかな。

会社の同僚の大淵君が心配してくれて、電話してくれてね、今日お茶してきたんだけど、真島クンとお友達なんだってね??

世間は狭いな~って、笑っちゃった。

大町クンが桜花堂さんちだって知らなかったよ~!

春の時期だけ出す 薄いピンク色の さくらようかんが めっちゃ好きで、毎年買ってます。

今まで、わたし、人間関係狭かったな~って思った。

恭ちゃん以外の男の人とは喋ったこともなかったなぁって。

ほんとに、全然 いろいろ知らなくて、後輩くんたちが わたしを飲み会に誘ってくれたのがすごく嬉しくて。

なにが言いたいのかってゆうと、

ほんとに ありがとう♡ってことなんだけど。

また、誘ってほしいです♡

遅くに失礼しました。返信は、結構です。

おやすみなさい』



めっちゃ長文!!

ラインでは、なかなか見かけない長さ!

会話したい訳じゃなくて、一方的に伝えるパターンね。

そもそも、ラインも家族としかしてなかったんだしな。

なんてゆうのか、かわいいな。


高校の頃の瀬原田センパイの印象は、なんでもカンペキにできちゃう人!って感じだった。

生徒会の役員もしていたり、ピアノが上手で、生徒集会みたいな時に校歌を歌ったりする時の伴奏をしていたり。

頭も良くて、大和大学なんて、うちの高校から1人か2人かってくらいのレベルの大学に、若保先輩と2人で現役合格するって、どんなカップルだよ!!って感じだった。

それでスタイルバツグンの美人!!

もう、欠点なんて なんもない!!

だけど、若保先輩と付き合っていたから、誰も瀬原田センパイにちょっかい出すこともなかった。


“”恭ちゃん以外の男の人と喋ったこともなかった“” って


本当にそうだったんだろうな~。

今まで、若保先輩しか見えなかった瀬原田センパイが、今 “”他の男の人“” を見ようとしてる。

飲み会バージンのセンパイをおとしたのは、俺たちなんだ!!

今、1番センパイの近くにいる男が、俺たちなんじゃないのか?


あ、

あ……


大淵君とお茶した……って?……


えっ?

ブッチさんが、1番近くにいる男かーーーー!!

昨日は、あっさりと引いた感じだったけど、

完全に狙ってんだろ?

会社一緒で、なんなら毎日会えるんじゃん!!

ヤバいな。

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