第25話 初エッチの相手

 瀬原田センパイと湊を降ろした後、

カラオケ行かね?とひらりんが言った。

「俺は全然いいけど、ひらりん明日練習試合で県外へ行くんじゃなかった?朝早いんじゃね~の?」

「あぁ、早いけどよ~、俺がプレーする訳じゃね~し、学校がマイクロバスだしてくれるから、乗ってくだけだしな!」

「じゃ、カラオケ行こうぜ!話したいこといっぱいあるからさ、これで解散してもラインで何時間も話すことになっちまうし」

と、義徳も笑ってそう言った。


カラオケ屋さんに入って、ドリンクバーでドリンクを入れて部屋に入った。


「ってかさ、“”あれ“” なに?」

と、義徳が言って、

「みなくん!!!!」

と、3人で せーの!みたいに声を合わせた。

「だよなー?は?なに?って思った!!」

「俺は、運転席でちょい離れてたし、すっげー小声で言ったから、ん?ん?ん?って感じだったけど」

「俺、助手席で後ろ振り返ってたけど、完全に “”みなくん“”って言ったよ!!で、湊がチッて顔したんだよ!!みんなの前で呼ぶなよ!みたいな感じでさ」

え……

俺のところからは湊の顔は見えなかった。

なになになになに??どうゆう状況?

いつ そうなったの?

実家は近所かもしれないけど、何年ぶりかの再会だったんだよな?


「ってかさ、つきあってる?もしくは、つきあってた?ってこと ねーよな?」

と、義徳が真顔で言った。


つきあってる?

つきあってた?


どちらかと言えば、“つきあってた“ って方が

しっくりくる感じ。


「付き合ってたって仮定して、いつだよ?

高1から10年間若保先輩と付き合ってたんだろ?2ヶ月前までは、3年間くらい同棲もしてたわけだし」

「だよな。でも、2週間前に再会して、つきあい始めたって感じは ないよな」


「ちょい待って!!俺、すげーこと思い出したけどーー!!いや、でも、それだと……」

義徳は、考え事をしているように、下を向いて目を閉じた。

「なんだよ?」

ひらりんが聞いた。


「俺、専門学校生だった時にさ、東京に遊びに行ったんだわ。修司と湊が東京の大学行ってたから、修司んちに泊めてもらってさ、3人で飲みに行ったの。

でさ、まぁなんか話の流れで風俗行こうぜって話になって修司が、湊も ふでおろししてもらえよ!って言ったらさ……」

そこで、ふーーと息をはいた。


「言ったらさ!なんだよ?」

「なんか、それまで、湊って、童貞だと思ってたから、女と付き合ったことないと思ってたから、だから、修司がふでおろししてもらえよって言った時、そうだよ!卒業しとけよ!なんて、だいぶ酔っ払ってそんなノリだったんだけど、

“”俺、童貞なんてとっくに卒業してっけど“”

って言ったんだ」


えっ?


「中3の時に年上の女とやったって。何回か」


「えっーーーーーー!!!!」

「えーー!!!!中3!!」


「な!!衝撃的だろ?だけどさ、なんてーの?

デリケートな話じゃん!下ネタ大好きの修司でさえ、その先 聞けなくてさ。もちろん、俺も、それ以上詳しく聞けなかった。

とにかく、俺らが高校で出会った時には、湊はもう童貞クンじゃなかったんだ!!ってことでさ。

で、それを踏まえて、なんだけど……

瀬原田先輩なんじゃないのか?湊の初エッチの相手って」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る