第15話 お誘いライン

 俺たちは、明日の日曜日にそれぞれお誘いのラインを送ることを取り決めて、相変わらずのバカ話をして大いに飲んで笑った。


 次の日

目が覚めたのは、もう1時過ぎだった。

やっべー、寝すぎだろ!!

明日から3日間出張で県外に行くから、その準備もしなくちゃいけないし。

ってか、もうみんなセンパイにライン送ってるかな。

なんか、また、出遅れてるか?

スマホを手にして目を閉じた。


『瀬原田センパイ!高校の頃から大好きでした。僕と付き合って下さい!!』


いやいやいや……

そうゆうんじゃないよな?

いきなりで引くだろ!

『ごめんなさい』

って、100%即答されそう。

じゃなくて、お誘いすんだよな。


『すごく美味しいお店があって、良かったら一緒に行きませんか?』


『じゃ、みんなで行こう!』

って、言われそうだな~。


『ドライブでも行きませんか?』

ってのもな~、車も持ってないのに、わざわざレンタカー借りてきたって、

は?なに?ってなるよな~。


あ!!!!

来週!!

花火大会じゃね?

これで決まりだろ!!


『神田幹太です。

瀬原田センパイ、今度の土曜日、一緒に花火大会に行きませんか?』


送信


普通かな、普通すぎるかな。

でも、花火デートって、なんか、昔から憧れてんだよな。

浴衣姿とかさ。

あ、別に瀬原田センパイが浴衣じゃなくても全然いいんだけど。


既読


お!!

おお!!!!

既読になった~!!

もう、俺、センパイから返信くるまでスマホ見続けるぞ!!


10分後

センパイから、グループラインに返信がきた。

このパターンね。直のやりとりじゃないのか~。


菜月『花火大会!☆彡

みんな誘ってくれてありがとうね~♡

すごくすごく行きたいんだけど、ちょうどその日、会社の暑気払いの飲み会なの。

今まで一度も参加したことなかったけど、これからは出てみようかな~って思って、入社4年目で初参加するんだぁ。

なので、花火見れなくて残念だけど、みんなは楽しんできてね♡』


会社の飲み会ーー!!!!

センパイの会社は、ガテン系で有名な朝陽建設。

オオカミの群れの中に入ってくようなもんだろ!

だいぶ偏見入ってるけど……

いや!!こわっ!!

マジで、危険な感じしかしねーー!!

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