第13話 デジャヴかよ

 1週間後


 朝からけたたましく電話がなり、起こされた。

「……もしもし、」

「かんかん!生きてる?」

湊だった。

これ、1週間前のデジャヴかよ。

「生きてるけどさ。朝っぱらからなんだよ~?」

「朝っぱらって、もう10時だけどな。

かんかんて、スマホ普段持ってね~の?」

「持ってるけど、あ、会社の携帯がメインで、自分のスマホは、持ってないことも多いかも。家で充電したまま忘れたりとか」

「平日は、連絡してもほぼほぼ捕まんね~な」

「わりー。マジで忙しくて」

「せめて、夜とかは着信履歴とかラインとか確認しろよ」

ほんと、それ!!

俺はそういうところルーズだ。

4年前に別れた彼女にもよく怒られた。

母親も今じゃ呆れてなんも言ってこないな。

たまには、電話しなくちゃ。

「で、用件は、今夜7時に魚七な!」 

「ん?正門前じゃなくて?」

「ひらりん主催の四季の会じゃなくて、地元民4人の飲み会!真島こねーから」

「オッケー。魚七ね」


俺は今は、通勤が楽なように、会社の近くのアパートで一人暮らしをしている。

仕事で得意先に行ったりもするから、社用車を運転したりはするけど、自分の車は持っていない。

彼女ができたら、車買って 車で遠くへおでかけして、ムフフなことしたり……とか 妄想するけど、とりあえず今は車は必要ない状況だ。


待ちあわせの居酒屋さんは、隣りの市で、電車で20分くらいの駅前通りにある。

ひらりん主催の会 以外で、地元民4人で飲むことは、まぁないこともないけど、久しぶりだ。

それも、先週会ったばかりでってのは異例。


途中で一旦終わらせたラインの話の続きを、直に会って話そうぜ!ってことだ。

はぁ……

ため息が出た。

あいつらとの飲み会で、こんなに気が重いのは初めてだ。

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