第10話 運命の人
次の日
ひらりんに電話して探りを入れることにした。
「もしもし、ひらりん?」
「お、昨日はおつかれ」
「瀬原田センパイにラインした?」
「あぁ、したよ。かんかんも したんだろ?
ってか、みんなそれぞれ送ったんだな」
ひらりんは、あははと笑った。
「あのさ……」
ひらりんに、“センパイに気があるのか?”
って聞こうか、それとも、
“俺!センパイのこと好きなんだ!”
って言おうか、迷った。
「かんかんてさ~、瀬原田先輩みたいタイプが好みだよな~。今までの彼女、割とあぁゆうタイプだったじゃん。
で?運命の再会を果たして、アソコが大きくなっちゃった、と。あはははは~」
「ひらりん、意地悪なこと言うなよ~!」
「わりーわりー。
だけど、俺もさ、なんか……笑うなよ!
恋におちた気がした。瀬原田先輩に」
えっ!!…………
ひらりんは、なんてゆうのか、一本筋の通った男。
正義感が強くて、真面目だ。
だから、ふざけて、冗談で言ってるんじゃないことは わかった。
「おいおい、黙んなよ!別に先に言ったもん勝ちとかじゃないし、かんかんが瀬原田先輩好きなのはわかってるから、まっ!お互いに頑張ろうぜ!」
「あ、うん」
「ってかさ、すげー薄っすらの記憶なんだけどさ~、湊って初恋の人 瀬原田先輩って言ってなかったっけ?」
「は?なにそれ、初耳なんだけど!」
「いや、初恋の人とは言ってなかったか~。
ん~~……なんかそんなニュアンスに受け取ったような気がすんだよな~。
全然忘れてたけど、なんか昨日のあの感じ見てたら、あれっ?待てよ!って思ってさ」
「昨日のあの感じって何が?湊、いつもと変わんなくね~?」
「まぁな。変わんね~っていやぁ変わんねぇよな。だけど、ずっと全部の場面、先輩のサイドにいたじゃん!」
「あ」
言われてみれば、本当にそう。
弓道場からくいしん坊まで歩く時も、くいしん坊で座る場所も。
で、タクシーで送って帰った。
「なんつうか、普段女の子とあのメンバーで飲むことねぇからさ、なんてゆうか、紅一点 先輩がいるだけで、俺らちょっと浮かれてたけど、湊はいつも通りってゆうか、冷静に立ち回りしてたんじゃねぇかな~ってさ。
でさ、家に帰って風呂入りながら、なんか、薄っすらした記憶が浮かんできてさ~。
高校の夏の合宿の時に、湊と風呂入りながら話したのかな。
瀬原田先輩んちと、湊んち実家、割と近くで、小中学校一緒の学校で、瀬原田先輩が西高で弓道やってるのを知ってたから、自分も西高の弓道部に入ったみたいな」
えっ??
そう言えば だけど……
俺も昔、湊なら西高じゃなくて、北高に入れたんじゃね?って聞いたことがあった。
その時 湊は、家から1番近いのが西高だし、知り合いが西高で弓道やってたから、西高で弓道やりたいなぁって思って入ったんだ、って言ってたような気がする。
でも、弓道部で特に仲良くしてるような先輩もいなかったから、その知り合いって、もう卒業しちゃった先輩とかかな~って、あんまり深く考えもしなかったけど。
その知り合いってのが、瀬原田センパイなの?
小さい時から憧れてた人ってこと?
もし、そうだとしたら……
『運命の人との再会』
って、確定演出きたんじゃねー!!って思うよな。
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