第6話 即死した

 居酒屋くいしん坊に着いた。

テーブル席じゃなく、奥の小上がりの座敷席にしてくれていた。

湊がセンパイに奥どうぞとか言って、センパイが靴を脱ごうと、ちょっとかがんでヒールのストラップを外した。

俺が立ってる位置からは、あいた胸元から薄ピンクのブラジャーがチラっと見えた。

いや、俺、今日何回目だ?即死したの。

ってか、みんな即死してる。

たぶん、真島と義徳の場所だと、スカートのお尻からパンチラが見えたんじゃないか?って感じだし、ひらりんと湊の位置からは、袖からワキのしたが見えたんじゃないか?

さすがに勃っちゃいないが、みんな紅い顔をしている。


テーブルのこちらに、奥からセンパイ、湊、俺。

向い側の奥が真島、義徳、ひらりんで座った。

「先輩、酒は飲めないってことっすか?

飲み会バ……、あ、初めてってゆうのは?」

と、座りながら ひらりんが聞いた。

ひらりん今、バージンって言おうとしてやめたな。

「ううん。飲めるよ。外で飲まないだけ。家では恭ちゃんと飲んだりしてたよ。缶酎ハイとか。

あ!飲み会って、『とりあえず生!』って言うんでしょ?私もとりあえず生で!」

ひらりんが生大5個と、生中1つを頼み、刺身盛り合わせや、揚げ物の盛り合わせとかの定番メニューをサッと注文してくれた。


ビールが運ばれてきて、いつものひらりんの挨拶。

「え~今日は、ホタルを見る会でしたが、残念ながらホタルは見れませんでした。が!!瀬原田先輩に、7年ぶりにお会いできたと言う良き日となりました。では、ビールをお持ち下さい。

乾杯!!」

乾杯!!と、みんなで声を合わせ、乾杯してビールに口をつけた。

「は~~~~!!!!生き返った~~!!

俺、階段ダッシュから喉カラカラだったから!」

「あはははは!!俺、今でも普通にできるつもりでいたけど、かんかんのあの死にそうな顔見たら、急に無理そうって思えたわ!なんも、運動してねーもん!」

と、義徳が笑って言った。

「俺もムリ~~。ってか、高校の頃だって、まともにあそこダッシュしたことね~もん 俺!」

「あ!そうそう!真島って、なんか、うま~く逃げんだよな~!で、先生にも先輩にも怒られないの!!なんか知らんけど、かんかんが怒られるってな~!あはははは!」

それな!!!!と、みんなで笑った。




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