第3話 再会
高校裏手の山の上にある弓道場に行くには、この急こう配の階段を昇るか、ちょっと遠回りの坂道を歩くかだけど、トレーニングも兼ねて、部活の時は心臓破りの階段を走って昇っていた。
階段ダッシュは、何年ぶりだろうか。
278段の階段を一気に駆け上がった。
ヤバい!!!!
思ってた以上に体力落ちてるーー!!
なんとか昇りきったけど、膝がガクガクで立ってらんね~!
「あぁぁ~~~~」
なんとも言えない情けない声が出て、石だたみの上に倒れ込んだ。
心臓のバクバクもヤバい!
アイツらがここまであがって来るまでに立てるようになるだろうか……
思った以上にヤバい感じ……
「あの~……大丈夫ですか~?」
女の人の声が聞こえたような気がした。
いや、そら耳だろ。
こんな ところに、こんな暗がりに、女の人いないだろ。
見た感じ人影もなかった。
身体を少し起こしてみた。
ちょっと先の方で、小さな光りがピカッと、ひとつ点いた。
ホタル? では ないよな?
スマホのライトの様だ。
「大丈夫ですか?」
今度は、はっきりと女性の声が聞こえた。
「あ、すみません。大丈夫です。階段ダッシュがキツかっただけです。あはは」
スマホのライトが近づいてきて、華奢なヒールの足もとが見えた。
「神田くん?」
えっ??
えーーーーーーーー!!!!!!
「せ、せ、せ 瀬原田センパイ!!!!」
なんで、なんで、なんで瀬原田センパイがこんなとこにいるんだ!?
「瀬原田センパイ、こんなとこで何やってんすか?まさか1人で?危ないですよ!」
「あはははは!大丈夫!これ持ってるから」
そう言って手に持った傘をクルクルと回した。
えっ?
その細い傘が、まさか護身用の武器だとでも?
いやいやいや……
「蛍 見にきたんだけど、いないみたい。
昔は、あんなにいたのにね~」
いや、ホンモノか~?
俺、女に飢えすぎて、意識もうろうとして、センパイの まぼろし見ちゃってんのかも。
ってか、俺、今 超 カッコ悪い状態じゃね?
階段ダッシュで倒れてるとか。
7年ぶり?の再会が これって……
センパイは、未だに寝転んでる俺の横に 中腰の姿勢で座り、右手を俺に伸ばした。
「起きれる?」
「あ、はい」
頭を少し上げると、目の前にセンパイのスカートの中の白い三角形がガツンと目に飛び込んできた。
いや、ちょっと!!
これはキツいって!!!!
ヤベーーーーーー!!!!
勃起したーーーー!!!!
これは、立てないーー!!
だって、勃ってるし~~~~!!
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