第17話 大会の結果
「お疲れ様です、中西さん」
「上瀬さん。お忙しい中、わざわざお越しいただきありがとうございます」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
チームセブンの事務所にやって来た俺は、代表の中西さんに挨拶する。それから、向かい合って座った。大会の結果について詳しく聞くために。
「それで、どうでした? 大会の方は」
早速、俺は中西さんに聞いた。事前に少しだけ話を聞いていたが、まだ俺は詳細を知らなかった。どうだったのだろうか。勝ったのか、負けたのか。
「電話で伝えていた通り、良かったですよ。準優勝で、賞金も頂きました」
「それは凄い!」
残念ながら優勝は逃してしまったが、良い結果だったと事前に聞いていた。まさか準優勝だったとは。中西さんの表情も明るい。
だけど、次の瞬間に中西さんの表情が曇る。彼は話を続けた。
「ですが、彼らは今回の結果に落ち込んじゃって」
「なるほど、そうだったのですか」
絶対に優勝するという気持ちで挑んだ大会だったから、優勝を逃してしまって気を落としてしまったようだ。準優勝でも十分過ぎる結果だと思うのだが。
チームリーダーを務めた春原くんも、かなり落ち込んでいるそうだ。負けたのは、自分のせいだと責任を感じているらしい。
彼の口から直接、大会の結果を聞こうと思っていた。だが、それは出来なかった。
「チームセブンのメンバーが、海外の大会で準優勝を果たした。大きな成果を挙げることが出来ました。これで、チームセブンの目的が一歩前進したという感じです」
「そうですね。ですが、これで終わりじゃないでしょう?」
「もちろんですよ。まだまだ、大会への挑戦を続けてきます。ですが、今回の結果で落ち込んでしまった彼らが、今後どうするのか……」
中西さんは不安に思っているらしい。もしかしたら、彼らは大会への挑戦を止めてしまうのではないか。
だけど俺は、不安を感じていない。
負けず嫌いな性格の彼らなら必ず、再挑戦したいと思うはずだ。ここで立ち止まるようなことは無いだろう。
「それは大丈夫だと思います。彼らなら、必ずまた大会に挑戦したいと思うはずだ。そして次は、優勝するでしょう」
「それなら、僕は彼らを信じてサポートを続けていきます」
大会の結果は準優勝だった。十分な結果だったけれど、彼らは気を落としていた。その結果に納得していな。だから今度こそ優勝を目指して頑張るはず。
俺も、その挑戦に参加したい。来年こそは、自分も一緒に参加する。そう思った。
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