第8話

《日記》


2月7日


暦の上では、春だけどまだ寒い。仕事終わりで電車の中でうとうとしていると、男の人が隣りに座ってて私にもたれかかってくる。

この人も疲れてるんだなって。顔を見ると好きなタイプで内心ドキドキしてた。


3月22日


数日前から、お腹の調子が悪いから、今日は仕事休んで病院へ。待合室で順番を待っていると、顔はハッキリ覚えてる。あの時、電車で私にもたれかかって来た好きな人!話しかけたかったけど、そんな余裕はない。バスを待っているとその人は、私に話しかけてくれた!名前は、逢沢とおる。LINEを聞かれた時は、ドキドキして心臓が口から出そうだった。


3月29日


逢沢とおるにどうしても逢いたい。寝てると思ったけど、LINEしてしまった。そしたら、起きてて、子どもの頃から夢だった海辺で朝日を見る事を、逢沢とおると実行しようと決めた。

キレイな朝日。こんなにキレイだと思わなかった。そこで初めてのキス。私は初めてじゃなかったけど、この人と結婚したいと思えた。


4月9日


逢沢とおるとお花見。ふとしたきっかけでケンカしてしまった。私が悪いのに、謝れなかった。ごめんなさい。私の事、嫌いになったかな⤵


7月7日


久しぶりに、逢沢とおると再会。あの海辺へ行く。キレイで迫力のある打ち上げ花火!また、来年も行こうね!

そこで逢沢とおるは、タバコを吸っていた。タバコは、嫌いじゃないと言ったけど、本当はやめて健康になって欲しい。ふたりで、長生きして孫に囲まれる様な幸せなおばあちゃんになりたい!少しずつでいいから、本数減らして頑張ろうね。


8月11日


明日は、逢沢とおるとデート。

久しぶりだから、色んな事がしたい。お酒は辞めておこう。お買い物がしたい。また朝日を見たい!とおるとなら何でもいい笑


《日記》


ありさの日記は、ここで終わっていた。

その翌日、ありさは事故に遭う。

ありさが、もし事故に遭っていなければと何度も思った。けど、何も出来なかった…

あけみ「また、いらっしゃい。ウチはいつまでも大歓迎よ」

逢沢は、頭を下げありさの実家を後にする。

桜がヒラヒラと舞い、少しずつ暖かくなるこの季節に、逢沢は、ありさとの想い出を胸にまた明日からしっかり前を向いて歩きだす。

ありさが見守ってくれていると信じて…


終わり

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朝日を見に行こうよ~ふたりの想い出~ Teru @Teru_100

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